#奏妄想

mio @kisetsuhazure_s

【奏妄想⑤3/9】手帳に挟んでいた東京公演のチケットを破る。…日本に着いたら全部、何もかも全部忘れよう。夢の国だった、そう思おう。窓に写る自分の顔が泪で覆われて無残過ぎて笑える。情けない。「何してるんだろう、私…」さようなら、キュヒョン。キュヒョン、もう2度と会うこと、ない。　　

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【奏妄想⑤4/9】東京公演が終わり、自分の中で何か踏ん切りがついたように感じながらも、仕事の忙しさを理由に忘れようと努力していた。…ちょっと無理に笑ったりはあったけど、ヒョンたちと普通ご飯食べたり。…それでもふとした瞬間に広がる傷口。それを見て見ぬふりをするのは結構大変だけど。

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【奏妄想⑤5/9】…元の生活に戻るんだ。何もなかった。いつものように仕事にして、いつもの日常に戻るんだ。歌うんだ。歌うんだ、歌え、俺。「…どうしたの、キュヒョン」レコーディング中、部屋に響くスタッフの声、「え？」『…音程外しまくってるけど…』

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【奏妄想⑤6/9】嘘だ、音程外す？そんなことあるはずない。「ちゃんと歌ってますよ」ふと顔を上げてミキサー室を見ると、ヒョン達が驚いた顔してこっちを見てる。「なに…？」『なに泣いて…？』「へ…」、指先に泪の感触。…ああ本当だ。泣いてる、なんで？

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【奏妄想⑤８/９】傷口は自分が認識しているより、ずっと深く刻みこまれていて。いきなり忘れるなんて無理なことだったんだ。バックを持って仕事場を後にする。「…すみません、明日１日休みもらえますか。調整したいんです。」マネージャーは慌ててたけど、歌えないならばと、動き始めてくれた。

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【奏妄想⑤９/９】「…キュヒョン、」腕を組みドアの前に立ちはだかる。「トゥギヒョン、止めても無駄ですよ、」溜息をつき、首を横に振った。あああ…そうか、そういうことだったのか。　「許しませんよ」　とにかく行こう、「だから、日本に行かせてください、」今会いに行こう。会いたいんだ。

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【奏妄想⑥1/5】日本に帰ってきてから何も手につかない。テレビも雑誌も観ないようにしている。今はまだ、キュヒョンを見れそうにないから。いつか『そういう事もあった』と言える日がくるかな…「…い」顔を上げると上司が覗いていた。「…、すみません。」「ご飯でも行かない？」　#SJで妄想

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【奏妄想⑥2/5】よりによって韓国料理ですか…「ほら出てるよ、」モニターに映る彼の姿。そういや前に先輩に話したことがあったな。『ファンなんです』と。忘れようとすると出てくる。なんで…私が何をしたっていうの。ビールをぐいっと飲み干す。…もういい、忘れる。キュヒョンなんて忘れてやる。

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【奏妄想⑥3/5】「暑…」この前来たばかりなのに全く違う国のような気がするな…。早く会いに行かなきゃ、会ってちゃんと伝えなきゃいけない。…以前教えてもらった住所を頼りに行ってみよう。タイムリミットは明日のAMまで。明日の夜には仕事がある。…もう21時か。会えるかな。

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【奏妄想⑥4/5】「…わいんもういっぽーん」「飲みすぎ！」あれから4時間飲んでる。終電なんてとっくにない。でもいいの、忘れたいから。キュヒョン、キュヒョン。「…キュヒョン」「違う、俺違う」「…」「泣いてるしーもう、帰るよ、タクシー乗って!」一緒に飲んだワインの味が忘れられないよ。

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【奏妄想⑥5/5】「ここだ、」チャイムを鳴らしても、「…」いない。金曜日だし仕事か。帰ってくるまで、ここで待つしかないか…。そう言えばよく夜中にメール来たな。こんな時間まで仕事してんの？って悪態付いてたけど、一生懸命働く姿。嫌いじゃなかった。…ただ心配だっただけなんだ。

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【奏妄想⑦1/7】待てど暮らせど帰ってこない。場所間違ってたかな、いや間違えてない。…何時間もずっと待ってるなんて、不審者以外の何者でもない…「…？」車の音が聞こえ人の声が聞こえた。『…大丈夫？部屋入れる？』「だいじょうぶですよー、おつかれさまですー」…帰ってきた。　#SJで妄想

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【奏妄想⑦2/7】酔うだけ酔って、どこまで落魄れて行くんだろう…。「…おつかれさまですー」上司を尻目にタクシーを降りると、見慣れた人影。嘘でしょ、「なんで…」キュヒョンが居る。「…あ」会いたかった人がすぐそこに居る。「…あ…、えっと、」キュヒョンは立ち上がって、距離を縮めてくる。

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【奏妄想⑦3/7】「会いたかったから、来たんだけど、…あの」本当に頭にくる。「何が会いたかったから、なの？」「ごめん…」「私がどんな想いで帰ったと思ってんの!?何考えてんの?」「…待っ」身体を引き寄せられる。ようやく忘れかけてた心に入ってくるんだろう。もう駄目。また泣いてしまう。

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【奏妄想⑦4/7】「自分だけ辛いとでも思ってんの…」声が震える、「いきなり居なくなったこっちの気持ちも考えて」人目も憚らず、ぎゅうっと抱きしめ、振り絞るんだ、「一緒に帰ってほしいなんて、言わないから、」ああもっと、「、存在まで居なくならないで…お願い」、早く伝えてれば良かった。

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【奏妄想⑦5/7】久しぶりに聞こえる彼の心臓音を聞いて、泪が止まらない。目を閉じると落ち着く。…何でこんなに好きになっちゃったんだろう。…もう聞くことはないと思ってた、名前を呼ぶ声が愛しい。…私はこの人を本当に心から愛してるんだ。

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【奏妄想⑦6/7】その夜は泣きつかれた子供をあやすように、ずっと手を握ったまま一緒に眠りについた。朝になったら、お互い元の生活に戻らなければいけない。それまで、ずっとずっと、深い眠りにつこう。

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終【奏妄想⑦7/7】貴女に出会ってから何もかも違うように感じて、毎日が輝いていたのに、突然居なくなるなんて耐えられなかった。…起きたらまたいつもの笑顔で『歌って？』と言ってくれるだろうか。…そしたら気が済むまで、ずっと歌い続けよう。　「…起きた？」 …貴女のために。　

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【奏・反省会場】トゥギ「いやさー、今更言える？」ヒョク「これは墓場まで持ってくパターン」ドンヘ「まさか本気になるなんて思わなかったよな」「ちょっとリア充キュヒョナを苛めるドッキリでした、なんて言えねー」「ほんと俺達って」「「「悪いよねー^p^」」」　「さ、寝よう」