指導者層から見る60年安保闘争（3）――共産党の思想と立場

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[book] 今日はこのへんからひとつ。1960年1月23日発表とされる文書「トロツキストの挑発と破防法による弾圧企図について」『日本共産党決議決定集〈第6〉1959年8月-1960年8月』所収　http://t.co/PzHrN1lB http://t.co/RXAUtO6i

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[quote]「安保改定に反対し、岸「全権団」渡米・調印に抗議する第十一次統一行動〔1960年1月14-16日〕は、全国各地で、抗議集会・デモなどによってたたかわれ大きな政治的効果をあげた」（ibid., p.228）

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[quote]「新年早々という大衆動員にとって不利な条件があったにもかかわらず、一月十日の前橋における二万人の県民大会*一月十四日大阪の二万二千人の府民共闘大会、さらに名古屋、静岡、尼崎、広島、福岡、横浜その他において万をこえる大衆が抗議集会に動員された」（ibid.）

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[quote]「東京では、安保反対国民会議の主催する全国抗議集会（一月十四日）と抗議デモ（一月十六日）がおこなわれ*四千人に近い地方代表と数万の首都の労働者と民主勢力が参加」（ibid., p.228）

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[quote]「安保改定に反対し、岸全権団の渡米調印に抗議する広範な人民の怒りを結集し、これをアメリカ帝国主義と岸政府にたたきつけた」（ibid., p.228）

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[quote]「岸首相ら『全権団』一行は、全国各地にわたる幾百万人民の抗議運動のたかまりのなかで、これらの人民を代表する抗議団の面接抗議を拒否し、逃げだすようにして羽田をたった」（ibid., p.228）

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[quote]「これによって、岸首相らの渡米が、日本民族と人民の利益を代表するものでなく、アメリカ帝国主義と売国的な日本独占資本の利益のために、日本民族と人民の利益を売渡すためであることがいっそうはっきりと国の内外にばくろされた」（ibid., p.228f）

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[quote]「これは十一次にわたる統一行動をたゆまずたたかいつづけ、つみあげてきた民主勢力の努力、とくに第十一次統一行動に発揮された全国、各階層幾百万の人民のたたかいの政治的な戦果であった」（ibid., p.229）

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[quote]「この成果は、民主勢力がこれまでのたたかいにおいて八百をこえる共闘組織をつくりあげたこと、およびアメリカ帝国主義と日本独占資本、岸政府を日本人民の共同の敵として明確にしたことともに、安保闘争の今後の発展のために有利な条件となっている」（ibid., p.229）

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[quote]「〔しかし、他方〕安保改定阻止をめざす人民の統一行動のこのようなたかまりのなかで、全学連の指導部を占拠しているトロツキストたちは、ふたたび挑発行動を組織し、第十一次統一行動の成果をきずつけ、全学連および民主勢力にたいする敵の抑圧の道をひらいた」（ibid.）

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[quote]「かれらは、みずからも参加している国民共闘会議の決定に反して、全学連の名によって、学生大衆を羽田空港における極左的挑発行動に動員した。これは当然の結果として、まちかまえた警官隊の攻撃の対象となり、無秩序と混乱のなかで七十八名の学生が敵の手にとらわれた」（ibid.）

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[quote]「ブルジョア報道機関は、この事件を大々的に宣伝し、これが安保改定に反対し、岸『全権団』の渡米・調印に反対する幾百万の人民の闘争の頂点であるかのどとき印象をつくりだし、広範なおくれた大衆を安保反対闘争からきりはなす道具につかった」（ibid., p.229）

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[quote]「文部省は、この事件を口実に、学生運動の活動家を学外に追放するよう各大学に通達を発した。これは今回の事件にかぎられるというものではなく、将来にわたって、学生運動と学園の自治にたいする政府の干渉と弾圧のみちをひらく危険をはらんでいる」（ibid., p.229）

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[quote]「また、公安調査庁は、〔1月〕十八日、全学連、社会主義学生同盟、共産主義者同盟の三団体を破防法容疑団体として調査をすすめ、場合によっては、破防法に規定された破壊団体として公安審議委員会にたいして適用処分を請求する方針をうちだした」（ibid., p.229f）

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[quote]「破防法は、民主団体にたいする、公然たる調査、活動制限、解散までをふくむ治安維持法の戦後版ともいうべき弾圧法規である。一九五二年にこの法律が成立するとき、労働者階級と民主勢力は数次にわたるゼネストと大衆行動によってこれに反対し抗議した」（ibid., p.230）

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[quote]「その圧力とその後の民主勢力の闘争によって、政府は今日までこの悪法の適用に一度も成功しなかった。*羽田におけるトロツキストの挑発行動は、その破防法を政府があらためてもちだし、民主勢力を弾圧する道具につかう口実をあたえた」（ibid., p.230）

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[quote]「日本政府が破防法をもちだしてきた現在、トロツキストの策動と挑発を警戒し、これを克服して、学生運動を正しい方向にみちびくことが緊急な課題である」（ibid., p.230）

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[quote]「トロツキストの挑発は、一時的、偶発的なものではない。〃共産主義者同盟″〔ブント〕を名乗るトロツキスト挑発者集団は、全学連の指導部を占拠し、全学連の名によって、あるいは共産主義者同盟の名によって、一貫して統一行動の破壊者、挑発者としてふるまってきた」（ibid.）

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[quote]「かれらは、第八次統一行動〔1959年11月27日〕における東京での国会請願運動に混乱にもちこみ、デモ規制法その他による敵の攻撃を挑発した」（ibid., p.230）

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[quote]「第九次〔1959年12月10日〕、第十一次統一行動に際しても、*岸渡米を実力阻止するか否かに運動のすべてがかかっているとする冒険的な方針を主張した」（ibid., p.230）

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[quote]「これは、運動の客観的法則を無視し、運動全体の発展の利害得失についての全般的考慮をかいたものであり、むしろ警官隊との衝突とそれにつづく敵の弾圧を計算にいれた挑発的なものであった」（ibid., p.230）

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[quote]「〔中略〕しかもかれらは、事実をゆがめて、共産党、社会党、総評など、国民会議の参加団体を『日和見主義、裏切者』とバ倒して、自分たちの方針が唯一の正しい方針であると印象づけようとした」（ibid., p.231）

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[quote]「こうしたかれらの挑発的な意図と無法な行動が、国民会議参加団体の一部に危グの念をいだかせ、羽田への秩序ある堂々たる抗議代表団の派遣という道理にかなった行動の実現をはばんだ大きな原因となった」（ibid., p.231）

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quote]「〔中略〕この〔羽田での直接〕行動について、『一・一六羽田デモの成果の上に今後のたたかいを』という共産主義者同盟のビラは、『十一・二七国会デモにつながる安保の新しい突破口が今日開かれたのだ』〔と書き、〕」（ibid., p.231）

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[quote]「『羽田に反対した人々よ！　諸君らの妨害も効なくわれわれはこのたたかいを実行し、そしてわれわれだけが岸渡米に打撃を与えた』『岸内閣よ、日本資本家階級よ。われわれは今日お前たちに与えた一撃を、日一日と大きくし、安保改定を葬るであろう』と書いている」（ibid.）