味噌作りで活躍する微生物の働き by タケヤみそ 【麹→酵素、酵母、乳酸菌】
みそをよく味わってみると、塩味、甘み、旨みのほかに酸味も感じられると思います。この酸味を作っているのが乳酸菌。文字通り、みその中で「乳酸」を作っています。味のバランスを取る上で、他に代えられない役割を果たしています。
2012-08-22 12:09:13これ以外に、乳酸菌は乳酸の生成を通じて「原料臭を取り除いてみそらしい味にする」「塩味をまろやかにする」「みその色をきれいに仕上げる」という機能があります。おいしいみそを作るためには欠かせない微生物なのです。
2012-08-22 12:15:58ところが・・・この有益なはずの乳酸菌が異常に働きすぎた場合、どうなるのでしょうか。ご想像通り「酸っぱいみそ」ができてしまうのです。そうなるともう売り物にはなりません。
2012-08-22 12:16:24乳酸菌は“働きすぎないように働かせる”技術があって初めて使うことができます。これが職人の腕の見せ所であり、乳酸菌の扱いは、みそ作りの中でもかなり高レベルの技術になります。
2012-08-22 12:16:47みその醸造に使う乳酸菌の話の続きです。乳酸菌にはみその品質を上げるメリットがたくさんある一方、酸敗(酸っぱくなって売り物にならないこと)を招くリスクもある、とご紹介しました。だから、乳酸菌の使い方には細心の注意が必要です。
2012-08-23 12:08:31ただでさえ扱いが難しいので、さらにオリジナルの乳酸菌を開発し、自家培養してみそ作りに使用しているというみそメーカーはごくわずかなのです(乳酸菌に比べると酵母の方が扱いが容易なので、酵母を自家培養して使用しているメーカーは比較的多数あります)。
2012-08-23 12:09:54タケヤみそは、自社オリジナルの乳酸菌を自家培養している少数のメーカーのひとつ。独自の乳酸菌「TK-1」(ティーケイワン)株を自家培養して、みそを仕込む時に使用しています。
2012-08-23 12:10:49乳酸菌「TK-1」株は特に食塩に対する耐性が強いのでよく発酵する一方で、酸味は少ないという特徴があります。そして一番のポイントはみその色を明るく仕上げる力が強いということ。タケヤみその明るい色は、この乳酸菌「TK-1」が作り出しているのです。
2012-08-23 12:11:33さて、以前酵母について説明した中で、こんなツイートをしました。 RT @miso_takeya 昔の人は当然“酵母”などの存在は知りませんでした。したがって、蒸し大豆と麹と食塩を混ぜて桶に仕込んだら、後はおいしいみそができるよう、神様にお祈りするしかなかったのです。
2012-08-24 12:07:04微生物の分析や培養などの技術が進んだことで、みそ作りは格段に進歩し、「食品工業」に近いところまで発展しました。しかし、みそ作りに携わる人間の考えは、実はそれほど変わったわけではありません。
2012-08-24 12:07:57私たち人間がみそを作るのではない。みそを作るのは微生物たちの力。人間は、微生物が働きやすいような環境を整えてあげることしかできない。でも、その環境づくりに全力を挙げれば、微生物はそれに応えておいしいみそを作ってくれる。
2012-08-24 12:08:31少なくとも、タケヤみその職人はそう考えています。だから微生物に対する思いは「祈り」に近い部分があるのです。昔のように運を天に任せるわけではありませんが、「人事を尽くして天命を待つ」というような思いがどこかにあります。
2012-08-24 12:09:14タケヤみその工場の入口には「菌塚」があります。みそ作りのために働き、そして使命を終えると死んでいく微生物を祀ったものです。http://t.co/lOluMWvq
2012-08-24 12:09:38私たちは大きな行事ごとに、この菌塚に「お参り」をしています。人間としてできることを謙虚に行い、微生物に感謝してみそ作りをすること。このもっとも大切なことを再確認するためです。 発酵のお話はこれで一段落とします。長い間お付き合いいただき、ありがとうございました。
2012-08-24 12:10:08先日ツイートした弊社構内の「菌塚」について感想をいただきました。ありがとうございます。RT @miso_takeya タケヤみその工場の入口には「菌塚」があります。みそ作りのために働き、そして使命を終えると死んでいく微生物を祀ったものです。http://t.co/lOluMWvq
2012-08-30 15:07:19お世話になっている微生物に対して「菌塚」を作って感謝の気持ちを表そう、という発想は、実は当社のオリジナルではありません。全国でもっとも有名な菌塚は、京都市の曼珠院の境内にあります。http://t.co/A97j69SO
2012-08-30 15:08:11私たちは昨年、社員旅行で京都へ行き、この曼珠院の「菌塚」にもお参りをしてきました。20分ほど坂道を登った先にある、静かで気持ちの良い林の中にありました。 http://t.co/No4Ql7YB
2012-08-30 15:09:39菌塚の裏側にはこう書かれています: 人類生存に大きく貢献し犠牲となれる無数億の菌の霊に対し至心に恭敬して茲に供養のジン(りっしんべんに甚)を捧ぐるものなり http://t.co/2b6TNLU5
2012-08-30 15:10:57ちなみに弊社諏訪工場の菌塚は、毎日営業の諏訪湖畔売店「タケヤ味噌会館」入口(自動ドア)のすぐ横にありますので、どなたでも見ることができます。ご来店の際にはぜひご覧ください。 http://t.co/0LrXzM8N
2012-08-30 15:13:31微生物に関する一連のツイートの少し前に、味噌に添加されるエタノールに関する解説がありました。酵母と関わりが深い内容なので、以下に追加します。
タケヤみその表示(裏面の枠の中)を見ると、ほとんどの商品は原材料名のところに「大豆(遺伝子組換えでない)、米、食塩、酒精」と書いてあります。最初の3つはわかりやすいと思いますが、最後の「酒精」とは何のことでしょうか? このことを説明したいと思います。
2012-05-07 17:29:25「酒精」と書いて(しゅせい)と読みます。漢字の見た感じが「酒粕」(さけかす)に近いので、よくお客様から「酒粕が入っているんですか?」と聞かれることがあるのですが、全然別のものです。わかりにくくてすみません。
2012-05-07 17:29:47酒精というのは、簡単に言うとアルコール(エタノール)です。もっとざっくり言うと「濃い焼酎」です。アルコール濃度が95度という、とてもストレートでは飲めない濃さですが。これがみその中に約2%含まれているのです。
2012-05-07 17:30:21なお、このアルコールは「焼酎」なので、もちろん薄めれば飲むことのできるものですが、法律上飲んではいけません。「飲用ではない」ということで酒税が免除されているものだからです。厳密に在庫が管理されており、「ちょっと拝借して酒盛りを...」ということはできませんので念のため。
2012-05-07 17:33:08本来、みその主原料は「大豆・米・食塩」の3つであり、この3つがあればみそはできます。では、なぜわざわざ酒精(エタノール)なるものがみその原料として入っているのでしょうか。
2012-05-08 17:46:25