「キョート・ヘル・オン・アース」急「ラスト・スキャッティング・サーフィス」#9

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッ……ハァーッ」デスドレインだ。制御水盤を中心とするこの足場だけは白いタタミが無事だ。男は這う。ニンジャスレイヤーは予兆を察知した。(((殺せ)))だが彼はガンドー達に向き直った。真鍮骨組が剥き出しになった天守閣にわだかまるアンコクトンが、全方向から飛び来たった。48

2012-09-10 22:46:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーはもはや起き上がる余力の無いガンドーを両手で掴み上げた。そしてユカノとエーリアスに叫んだ。「跳べ!上の足場だ!」逡巡の間は無い!「「イヤーッ!」」二人は跳んだ。「イヤーッ!」「グワーッ!」ニンジャスレイヤーは同じ方向めがけ、ガンドーを米俵めいて投げつけた! 49

2012-09-10 22:49:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバッ、ハーッ……もう知らねェ……ぜ」デスドレインが白タタミの縁へ這った。そこから床下の闇へ、こぼれ落ちた。「ハッ、ヘ、ハッハハハ!ヘハハハハハ……」笑いながら真っ逆さまに落ちてゆくデスドレイン……見届ける間などありはしない。ニンジャスレイヤーにアンコクトンが襲いかかった。50

2012-09-10 22:55:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

黒い濁流が渦巻き、水盤のある白タタミに龍めいて次々に体当たりをかける!「フジキドーッ!」ユカノが叫んだ。「危ねえ!」エーリアスは後ろから組みつき、落ちぬよう助けた。ガンドーが呻いた「アバッ……」ナムアミダブツ!これは一体何であるか?主の失せたアンコクトン!制御不能! 51

2012-09-10 23:01:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BOOOM!BOOOOOOOM!城が鳴動した。黒い奔流が下の闇から迫り上がって来た。壁が崩れ、空が見えた。ニンジャスレイヤーのいた場所は黒い雪玉めいた物体と化している。ナムサン!だが、(イヤーッ!)聴くがいい!(イヤーッ!イヤーッ!)黒い雪玉が震える!内側からの打撃で歪む! 52

2012-09-10 23:06:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(イヤーッ!イヤーッ!)歪む!爆ぜる!「Wasshoi!」ニンジャスレイヤーがアンコクトン球体を破壊し、斜めに飛び出す!然り!ヘカトンケイルの体内をも打ち破った男がこれで死ぬ筈無し!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはフックロープを放ち、超自然タタミに引っ掛けて更に跳んだ。53

2012-09-10 23:15:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ニンジャスレイヤー=サン!」エーリアスが叫んだ。ニンジャスレイヤーは再びフックロープを放ち、より上の超自然タタミに取り付きながら、エーリアスを見た。「攻撃の手を休めるな!」「まッ……任せとけよ!」「イヤーッ!」さらに上のタタミへフックロープ!「イヤーッ!」 54

2012-09-10 23:17:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BOOM!BOOOM!黒い泥で覆われた盲目の大蛇あるいは蚯蚓めいて、アンコクトンが城中に体当たりを繰り返す音!弾けたアンコクトンの大玉は無数の触手と化して、白かったこの巨大な天守閣空間をいまだ蹂躙し続ける。ユカノは眉根を寄せ、再び現れた制御水盤を見やった。ナムサン……無事だ。55

2012-09-10 23:24:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どうすンだ……」ガンドーが呻いた。「私がやらねばならない」ユカノは決断的に答えた。「イヤーッ!」彼女はいまだアンコクトン渦巻く下方、制御水盤めがけ跳んだ。 56

2012-09-10 23:25:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャはロードと同時に跳んだ。一撃で決める。ロードの言葉はあながち当てずっぽうの挑発でもない。斜めに斬り上げられた傷は相当に深い。(((失血死だと?ふざけるな)))飛びながらダークニンジャはイアイを構えた。ベッピンが鳴いた。彼の目の前に光り輝く壁が出現した。タタミだ。58

2012-09-10 23:36:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャのニューロンが加速した。このあとタタミ越しの掌打が来る。ソガ・ニンジャは召喚タタミで盾めいて敵の攻撃を防ぐとともに、それを掌で打ち、衝撃波を浸透させて向こう側の敵を攻撃する攻防一体のカラテを得意としたという。自らの目で歴史的アーツを目にする感慨は残念ながら皆無。59

2012-09-10 23:40:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

タタミを切断する?否。敵はもとよりそれが狙いだ。だからといってタタミに激突するなど愚の骨頂。ダークニンジャは己のニューロンでダークローブを制御し、斥力を発生させた。彼の飛行軌道は直角に修正され、真横にタタミを避けた。直後、タタミが爆発した。ロードが内側から掌打を当てたのだ。 60

2012-09-10 23:46:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャはこれを避ける事ができた。ダークローブが再び斥力を発生させた。ロードの側面!死角だ。彼はベッピンを構える。ロードはぐるりと方向転換した。足場として新たな超自然タタミを発生させている。ダークニンジャはデス・キリを……放たない。カタナの鞘を掲げ、強烈な蹴りを受けた。61

2012-09-11 00:01:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャは弾き飛ばされ、カワラを吹き飛ばして転がる。「グワーッ!」何故?彼のニンジャ第六感が接近する災害存在を察知したのだ。屋根の下から次々にアンコクトンが飛び出し、空をうねくった。ロードは回転ジャンプし回避。一瞬前に二者が居た箇所をアンコクトンが通過した。ナムサン!62

2012-09-11 00:05:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

次々に黒い龍が空を踊り、旋回しては、屋根めがけて降り注ぐ。ダークニンジャ、そしてロードはこれを回避せざるを得ない。「ガイオン」「ショージャノ」「カネノコエ」「ショッギョムッジョノ」「ヒビキアリ」呪詛が空気を震わせる。ダークニンジャは転がって躱し、起き上がる。命。命はまだある。63

2012-09-11 00:12:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

それは悪夢めいた光景である。デスドレインにかようなジツ・ワザマエがあろうものか。否……神話級ニンジャその人でなくば、到底かような天災めいたジツなど為せるべくも無し。デスドレインの姿も見えない。となれば、これはこの恐るべきエネルギー存在それ自体が意志もて動いているのだ。何故? 64

2012-09-11 00:17:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

デスドレインは己が欲望の為、無自覚にこの邪神存在を押さえ込んでいたとすれば皮肉な話だ。ダークニンジャは高速思考した。この命。どう使う。ロードか?このアンコクトンか?どちらだ。「Wasshoi!」その瞬間、新たなニンジャが天守閣からこの場へ到達した。ニンジャスレイヤー。65

2012-09-11 00:22:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((ならば……)))ダークニンジャは結論を出した。ネクサスのリンケージは?活きている。だが今繋ぐべきはホンマル下方の部下達ではない。ドラゴン・ニンジャだ。制御水盤だ。アンコクトンが降り注ぐ。「イヤーッ!」ダークニンジャは駆けた。そしてカワラ屋根から下へ飛び降りた。 66

2012-09-11 00:28:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……「次から次へと」ロード・オブ・ザイバツはニンジャスレイヤーと対峙した。「ヤンナルネ」「ソガ・ニンジャ」ニンジャスレイヤーは低く言った。メンポの呼吸孔から火煙を吐く。「相手に不足無し」ジュー・ジツを構えた。普段の構えよりもやや前傾姿勢である。獰猛なアトモスフィアであった。67

2012-09-11 00:38:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……何をした」ロードが問うた。ニンジャスレイヤーの別人めいた圧力を。ニンジャスレイヤーはただ、言い放った。「ニンジャ、殺すべし!」「イヤーッ!」彼らは駆け出した!周囲にアンコクトン触手が降り注ぐが、二者はニンジャ判断力によりアンコクトン落下軌道を読み、回避は行わない! 68

2012-09-11 00:44:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはチョップを繰り出した。ロードは前転してこれを躱し、後ろのニンジャスレイヤーめがけタタミを召喚!視界を遮り、死角へ飛び出しながらドス・ダガーを投擲!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは反応し、裏拳でこれを弾き返す!「イヤーッ!」 69

2012-09-11 00:49:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

既にロードはニンジャスレイヤーの腹に掌を当てていた。「イヤーッ!」「イヤーッ!」ドウ!空気が震えた。ニンジャスレイヤーが震動し、カワラ上を1フィート後ろへ滑った。「ハーッ……」「何と?」ロードは訝しんだ。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーが至近距離からスリケン投擲!そして跳ぶ!70

2012-09-11 00:56:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ロードはスリケンを回避できない。右手を回して弾き飛ばす。ナムサン、さきのデス・キリによって左腕はざっくりと裂けており、防御と攻撃を一時に行うのが困難な状況なのだ。ニンジャスレイヤーが空中で一回転し、踵を振り下ろす!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ロードは右腕でこれを受ける! 71

2012-09-11 01:06:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは踵を支点にぐるりとロードの右腕に飛びつき、転倒させた!「グワーッ!」腕十字をかけにゆく!「イヤーッ!」ロードは頭上に超自然タタミを瞬時に召喚!ニンジャスレイヤーの首めがけ、ギロチンめいてタタミが落下!「イヤーッ!」関節を諦め、バック転回避! 72

2012-09-11 01:10:06