2012.9.11 第39回 原子力委員会 定例会議
- Sucha_Para
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船橋:「科学的知見の限界自身を自覚しなさい」という一般論もある。その内実的には、“十万年も安定した地層が、具体的に日本列島の特定の場所にある”という言明が、今の日本の科学技術の水準では達成されていない。安定した地層があるか現在の科学的知見では分からない。
2012-09-12 02:52:08…そういう認識に至っているので、『暫定保管』という議論が出てくる。 鈴木:そこは学術会議でそう判断したということか。 船橋:事後的に十万年安全だったということは判明するかもしれない。今の時点の知識で特定化する事はできない。そういう認識。
2012-09-12 03:05:34鈴木:その解決策として暫定保管というのは分かる。相対的なリスクの問題。暫定保管のリスクがあり、方法も色々ある。地層処分というコンセプトを実証する意味で、実際に処分場を作って、段階ごとにそれを検証していく。そこで万が一駄目なら取り出すという、間接的処分。
2012-09-12 03:05:59…処分するための技術的な知見を得るためには、実際にそういう施設を作ってやっていかなくてはいけない。その間の暫定保管なら分かるが、すべて暫定保管となると問題があるのでは。
2012-09-12 03:06:04船橋:そこについては掘り下げた技術的検討ないし、様々な選択肢のメリット・デメリットの体系的審査はしていない。私たちの提案は、資料1-1の11Pに書いてある『三段階の合意形成』が必要だという考え方。一番最初第一段階で必要な事は、「総量管理」について、社会的合意形成ができるかどうか。
2012-09-12 15:32:33…それが無いのにその先の細かい議論に入っていっても、おそらく形成できない。科学的知見が共有認識~、色々な知見の科学者意見を集めて、ひとつの統合的な議論の場が出来るかどうか。そういう第一段階の場が設定できれば、今おっしゃったような、「暫定保管」の具体的・技術的なオプション-
2012-09-12 15:43:33…深いのか、浅いのか、地上なのか。乾式的な機能をつけるかつけないか。も含めて、それを第二段階として、専門家集団で議論する。そういう考え方。
2012-09-12 15:44:01今田:そういう手続きを踏むことによって、議論のテーブルに国民がつく。それをしないと、不安のほうが大きく拒絶反応になってしまう。その段取りとしてこういう案を考えた。合意を得る為に、まずテーブルについてもらい、色々な観点から意見を言う。報告書の狙いはそこにある。
2012-09-12 15:52:27秋庭:国民が使った電気の後始末として、高レベル廃棄物のことは国民1人1人が考える必要があると呼びかけてきた。まだ国民の中では、何故原子力を選んだのか入口の所から問題意識を持つ方が多い。今日の話しで段階的なという事を聞き、急ぎすぎていたのかと感じていた。
2012-09-12 15:55:57…国民がテーブルにつくことが大事だと伺いましたが、その事は大変重要であり、また報告の中で討論型でいいんだ?という事をご提案頂いてますが、きちんとプロセスを経て、最初の段階から国民の中に専門家が入り、知見を提供する事が重要だと思っている。その中で理解できなかったこと。
2012-09-12 20:08:55…ひとつは『暫定保管』数十年から数百年のモラトリアム期間とあるが、今の世代が使ったものは、今の世代が後始末する、先の世代にツケを残さないやり方だったと思う。一時的にどこかに保管し、新技術がみつかったら次の世代にお願いするようになるのではないかという事を、どう考えたらよいのか?
2012-09-12 20:13:29…現世代が便益だけ受けて、次の世代に先送りしてはならないように思う。ふたつめ。受益圏、受苦圏というのはあまりにも対立的に受け取れる。そういう風に対立的に考えないほうがいいのでは?この中で金銭的便益提供を中心的な政策手段にするのは、適切ではないとあるが、それならどうしたらよいか?
2012-09-12 20:19:41…政府や電量会社の一部機能や重要データを保管した施設に、住む事により安心してもらう。それからだとおっしゃてましたが、これを機会に地域の活性化を考え、受けようとする所があるかもしれない(こういう考えが変わらない限り、問題は解決しないと思いますよ。オバサマ)
2012-09-12 21:52:36…何が必要かというのは、トップダウンではなく地域の中から提案に答えられる仕組みを作るというようなことが重要だと思っている。それと、今まで候補地として上がった所の何が問題だったか?例えば市町村として手を上げても、県が反対することがあった。そういった地域行政の問題をどうするか。
2012-09-12 21:56:33…最後に、一昨年スウェーデンの最終処分場に行きお話しをうかがった。日本と比べ、国に対する信頼感や、科学者に対する信頼感が違うと思った。今後、信頼感ができてから始めるのでは遅いが、信頼感を得つつプロセスをどう進めるか?3.11以降大きな問題となっているのでその辺はどうお考えか?
2012-09-12 22:02:31今田:地層処分で、次世代にツケをまわすという件。随分悩んで考えたが、地下に埋めて蓋をして放っておくことが、本当に次の世代にとって幸せか?数万年のうち、地殻変動その他マグマが出てくるかもしれない時に、手のうちようがないようにするのか、危なそうになった時、現世代が負担する事になるが、
2012-09-12 22:57:40…取り出して安全な場所に移す-この『暫定保管』という概念には、実際には保管する場所と移動先の場所、最低2ついる。そうしたほうが実は将来世代が安心できるのではないかと、いう結論に達した。(地層処分は)選択の余地を無くしてしまう。
2012-09-12 22:59:47…もう少し言うと、『でかいのを一つ作るか。電力会社ごとに責任持って保管場所を作るか。電力会社で作るとしたら、ペアになっているので、何かの時には借りたり貸したりもできる。報告書には入っていないが、そういう事の可能性を持っておくほうが、コストはかかるが対応能力は高い。
2012-09-12 23:04:48船橋:判断基準の問題。(資料1-2-2)15P。この問題に取り組むに当たって、何が1番最初に議論されなくてはいけないか、第一段階の政策アジェンダを整理してある。まず『総量管理』について社会的認識を共有できるか、ここが出発点。
2012-09-13 13:56:11…それと並んで、この問題を政策判断・選択する為に、重視すべき評価基準は何なのか?この事をきちんとつめる必要がある。諸外国の動向を見ると、将来世代の自己決定性というのを非常に重視している(例えばカナダなど)日本は、その点が相対的に軽視されてきたのではないか。
2012-09-13 15:24:26…改めて、ここにいう、安全性、手続きの公正性、現在世代の責任、回収可能性など、様々な評価基準についての合意形成が必要。それがなければ、生産的な論議に発展していかない。ですから、第一段階ではそういった事を議論すべき。委員会では、ここの事をまず関係者はつめなくてはいけないと。
2012-09-13 15:33:05…次に、負担の公平性の問題。これは重要な問題。今回の回答は、専門語を使わず日常語を使うようにしたが、一部専門用語「受苦圏(意味:環境社会学で,経済活動などの負の側面(公害など)の影響をこうむる人々の集合。地域紛争などで使われたりする)」という言葉等を使っている。
2012-09-13 15:43:11…専門用語はなるべく慎んだが、この言葉を使うことによって問題がクリアになった。※なぜ「受苦圏」「受益圏」という言葉を使ったかについては(資料1-2-2)8Pを参照。(この内容から)一言で言えば「ダブルスタンダード」2重基準が各地域ごとに使われていて、
2012-09-13 15:54:28