筒井康隆『文学部唯野教授』まとめ

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H.Takano @midwhite

現存在とは、我々人間という存在者の在り方、存在とは何かを問い続けるような、我々自身がそう問うたびにそれであり続けるような存在者であり、それは我々が自分の「存在」を引き受けて「存在」していかねばならないその「実存」という「存在」の仕方を際立てる。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-05 20:31:58
H.Takano @midwhite

我々はまず何よりも世界の中にある存在で、しかも我々はその世界をただ分析するだけではない。世界とは、ただ我々の前に置かれているだけのものではない。我々が世界や現実を構成するのと同様に、我々も世界や現実から構成されている。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-05 21:03:26
H.Takano @midwhite

ハイデガーの言う世界とは、その中でモノとして存在しているもの全てを指す意味と、我々現存在がその中で生きている限り存在し続けねばならない世界(世界内存在)の主に二つある。現存在以外のモノには道具的存在者と事物的存在者の二種類ある。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-05 21:10:20
H.Takano @midwhite

人間が全体的に、本来的にこの世界に存在するには、死という可能性を目指しながら自分を見る、つまり未来を見ると同時に過去を見て自分の非力を知り、同時に現在を見て自分を解放する。「過去を見つつ現在にある未来」が人間存在の意味、つまり時間性だと。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-05 21:26:18
H.Takano @midwhite

ソシュールによれば、言語とは記号である。例えば猫という言葉(能記:シニフィアン)と、実際の猫(所記:シニフィエ)、この2つの結合であり、その結び付きは恣意的である。そして能記も所記も、それぞれの体系の中における他の語との差異によってのみ意味を持つ。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-17 01:50:06
H.Takano @midwhite

ソシュールは言語を実際に発する発話をパロール、発話される言語の方をラングと呼んだ。そして言語学から個人的かつ偶然的なパロールを分離して、社会的かつ本質的なラングのみを研究対象として取り上げた方が、かえってパロールの性質まで解明できると考えた。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-17 01:57:25
H.Takano @midwhite

またソシュールは、言語学の研究対象から言語の歴史的な変遷(通時的眺望)を除外し、時間的に孤立した言語の構造(共時的眺望)に絞った。言語の恣意的な意味や音声が歴史の中で変遷するのは当然で、共時的な他の言語との関係においてのみ確定しなければならない。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-17 02:09:18
H.Takano @midwhite

パースは記号を3つに分けた。1つは写真や絵など、記号そのものが記号の対象を象っているイコン(写像)、2つ目は黒雲が雨、煙が火事を表すように、記号とその対象が何らかの関係を持つインデックス(指標)。最後が記号と対象が恣意的に結合するシンボル(象徴)。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-17 02:19:06
H.Takano @midwhite

ロトマンによれば、詩の言語は様々な体系から成る。例えば、まず他の語との差異によってその語の意味が分かる「語義の体系」。次に文字の形や並べ方などの「造形的形象の体系」。またリズムや韻などの「韻律の体系」。そして語の持つ音の「音素の体系」である。(筒井康隆『文学部唯野教授』)

2012-09-17 02:30:00
H.Takano @midwhite

【読了】『文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)』筒井 康隆 ☆5 http://t.co/nRntxw1Q #booklog

2012-09-17 11:28:01