東京ジャーミイでいろんなお話を伺ってきたアレコレ
- toquzoguz1055
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えー、昨日東京ジャーミイでお話を伺った方は3人、一人は小杉泰先生の友人と名乗ってた案内の担当っぽい方、一人はトルコ人でジャーミイのイマームの方、もう一人が礼拝に来ていた一般ムスリムの方で、バングラディシュからいらっしゃって日本で働いているそうな
2012-09-16 21:30:16さて、一人目の方から伺った話について。まず「メッカは砂漠の片田舎だと思われてるけど実は東西交易路の走る世界の中心だったんだよー!!」(要約)という話。
2012-09-16 21:33:55世界の中心というのはまあ見方如何だと思うが、当時ビザンツとササン朝の断続的な戦争によって東西交易路のうち、陸路とアラビア海海上ルートの治安その他もろもろが悪化して、イスラーム勃興前夜に紅海・ヒジャーズ地方を通るルートでの交易が活発になっていたのはまず確かなようだ
2012-09-16 21:37:11あと、30人ほどの割と年配の方々のグループに説明してた話を横で聞かせてもらったが、イスラームの普遍性をかなり強調していた。肌の色、金持ちか貧乏か、どういう家の出か、そういったものは一切関係なく、ただ人々の間に優劣があるとすれば敬神の念の差のみである、という
2012-09-16 21:45:32先にも言ったが、これは高徳者すなわち偉い人である朱子学的な考え方にも通じるところがあって、宮崎市定が近世のはじまりをイスラームの勃興と唐宋変革に置いたり、回儒(漢語でイスラームに関して書いた知識人)たちが朱子学とイスラームのすり合わせを行おうとしたのも理由のあることだなと実感した
2012-09-16 21:47:55ところで私が不思議に思ったのは、イスラムはみな神の前には平等だということでしたが、歴史上でキリスト教における宗教上の特権階級のような存在はなかったのかなあ。キリスト教でこれが主張されたのは宗教改革でやっと、ですよね。
2012-09-16 23:10:32@takamiring イスラム自体が宗教のみではなく社会そのものを規定してしまうので、「宗教上の」特権階級というのはなかなか出づらかったのかもしれませんねー イジュティハード(クルアーンを解釈する)できる人は限られてるのでそのへんが特権階級かもしれませんが……(浅い知識)
2012-09-16 23:20:11.@takamiring 聖職者はいない、世襲的貴族もいない、という建前なので、一君万民の宋代以降の中国にかなり近いと思います。ただまあ、建前はあくまで建前なのでムハンマド一族は尊重されてきたようですが
2012-09-16 23:12:05@takamiring 僧侶的な、宗教的特権階級っていう意味では、イスラム教徒はありませんね。入信自体も、他のイスラム教徒の前で誓えばのような、聖水の儀式うんたらみたいなのはありませんし。
2012-09-16 23:16:13@takamiring たしか宗教上の指導者というか、リーダーみたいな人しかなかったような。そこが特徴だと授業で聞いたことがありますね。
2012-09-16 23:13:46@toquzoguz @phony_d @gankoneko @ootakashi うーん、やはりそうなのか。なるほど。建前があるかないかの違いで、社会層の形成のされ方が違ってくるっていうのは面白いなあ。
2012-09-16 23:19:13もう一つ、「何で豚を食わんのか?」。答えは一つで「クルアーンにそう書いてあるから」。で、ここからが面白いのだが、「私の解釈では」という話をする。「否定しなければ解釈してもいい」というわけだ。
2012-09-16 21:50:18豚に寄生虫が多いのはよく知られてると思うが(だから我々も豚は火をよく通さないといけない)、やはり屠殺場で「処理に一番手間がかかるのは豚」なのだそうだ。イスラーム誕生当時の世界で、それこそ検査器具も消毒のためのあれこれも無い以上、神がそれを禁止したのだろう、と言う。
2012-09-16 21:53:00@toquzoguz 結構そこは説いろいろありますよねー、豚を飼うこと自体が機動性がないからとか、逆に肉が美味いからとか、それぞれの人に聞いてもいろいろ出てくるかもしれないですね| ゚×゚)ノ
2012-09-16 21:58:56ムスリムが豚肉を食べない理由については、寄生虫説を含めて幾つかある訳ですが、結局は後出しじゃんけんであって、解釈以上の物にはならない以上、深く考える事に意味は無いというのが私の感想〔意見ではないw)。大部分のムスリムが主張するだろう「クルアーンに書いてある」が一番すっきりする。
2012-09-16 22:18:39ちなみに、山川のリブレットシリーズ『イスラームを知る』の6巻『新月の夜も十字架は輝く』の記述だが、中東のキリスト教徒たちのうちでは、豚に寄生虫が多いのは科学的にも明らかで、ムスリムの主張は正しいのだから、自分もそれに従う、と言っている人たちも少なくないようだ
2012-09-16 21:57:30@toquzoguz あの辺ではそもそも豚肉が売ってないし豚肉料理の文化も無いので、よほど気合の入った豚肉愛好家でもない限り、敢えて食べようとはしないでしょうね。知り合いのキリスト教徒やゾロアスター教徒も、そうでした。一方で酒はモノとしても文化としてもありますから、これは別です。
2012-09-16 22:18:01もう一つ、建築の話。東京ジャーミイは、支柱が六本の集中式モスクで、これは17世紀のオスマン様式という話を伺った。壁の中にダチョウの卵が埋め込んであって、音響が良いらしい
2012-09-16 22:04:40手元の本で調べてみたが、半ドームをいくつか並べた上に大ドームを置く方法(集中プランと呼ぶ)は、やっぱりミマーリ・スィナンが確立させた方式のようだ。
2012-09-16 22:08:15ダチョウの卵の音響装置もおそらくはスィナンの発明だったような気がするのだが……ソースが見当たらん。スィナンに関しては都市伝説めいた俗説もやたら流布しているので何とも言えない。また調べて出てきたらツイートします。
2012-09-16 22:12:02オスマンのモスク建築ビザンティン建築(むしろハギアソフィア)に影響されているといわれますが、この辺もうちょっと調べてみたいと話を聞いてて思いましたね。とりあえずドーム構造とあのアーチはまんまビザンティンである。ハギア・ソフィアも全体としてはかなり似た形をしている。
2012-09-16 22:34:38