望月教授ABC予想解決の報道から大学教育の意味まで

望月新一京大教授の「ABC予想解決」に関する報道の意味を大学教育とからめて、考えた。この中で以下のことに触れた。 1)望月教授の研究が可換環論という分野にも関係していたので、それについて。 2)関連して大学教育について。 3)数学に関する報道内容について。 4)「完全学校週5日制」とセットの「ゆとり教育」について。 続きを読む
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

そういえば、先日のABC予想を解いたとされる望月教授は、(おそらく記者取材に対して)世間とは関係ないので詳しくは説明しない、みたいなコメント。それでも、数学って、ものの見方・考え方なので、何か関係あるような気がする。でもそれが何なのか、まったく分からない雰囲気の理論的な構築物。

2012-09-22 13:08:56
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

望月教授の研究。我々には本当に意味が分からないものなのか。多少とも数学に素養のある方のコメントが面白い。「2012-09-21 何も分からないままに望月新一氏のInter-universal理論について語ってみる」http://t.co/PdmQlh1t by 檜山正幸さん

2012-09-22 13:12:42
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

これには苦笑…。『日本人は根っから「難しいことをやり遂げた人」が大好きである。私もその1人である。自分では何のことか分からなくても、自分ではできなくとも、難しいことをやった人に興味を持つ。この特質が日本人をして明治維新を引き起こした原動力』http://t.co/TK38Kc3m

2012-09-22 13:19:33
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

私は大学1年の時の数学で、いきなり大教授の授業を聞いてたまげた。この大先生とは永田雅宣教授で、可換環論という分野の専門家であることを後に知った。だが高校数学を抜けきらない新入生にその偉大さは分からない。難解な授業だった。しかし今、望月教授の研究を理解する上で、少し役立っている。

2012-09-22 13:35:21
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

失礼。お名前を間違えました。正しくは永田雅宜(誤:永田雅宣)。ながたまさよし、とお読みする。有名な「ヒルベルトの23の問題」(の一つの第14問題)を解決した数少ない日本人の一人。 @y_mizuno

2012-09-22 13:54:22
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

大学時代に難解なものに触れる方がよいとは、私は思わない。しかし大学時代に触れる世界は、その後の社会生活・情報生活の上でも大きな影響を与えるとは思う。その時、大学時代にどこまで世界を開示するのがよいか。そのことにいつも悩みながらの学生対応というのが、多くの大学教師の本音ではないか。

2012-09-22 13:58:52
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

もちろん教師のできることなんて、ほんのわずか。でも有限であり、一定の影響はあるだろうとも思う。ただし、最近の文部科学省の言うように、何でもかんでも大学で何とかしろ!(高校までの勉強不足を大学で補い、社会の期待にも答えてくれ!)というのは、大学に期待し過ぎではないかとも感じるが…。

2012-09-22 14:03:49
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

改訂)そんな立場の大学も、高校や中学校、小学校とも連携して、日本の教育を何とか改善しないといけないとは思う。愚痴を言っている場合ではない。また日本の教育がそんなに悪いとも思っていない。ただし教育政策は改善の余地大。つまらない批判や無意味な誘導に、教育レベル落としたのは残念だった。

2012-09-25 05:57:07
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

私は世間一般とは反対で、いわゆる「ゆとり世代」(授業時間数の大幅削減の世代)を高く評価している。彼らは、そのことで、学ぶことに自覚的。学びを相対化出来ていると私は感じる。生活と学びとのバランスがよい。だが結局、勉強しないといけないと大学で覚るのである。よく考えている。当たり前だ。

2012-09-22 14:20:25
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

改訂)「完全学校週五日制」の導入は、当時の労働政策、経済・政治政策を背景に導入されたことを明確に言わず、「ゆとり」を持つには時間を「増やさないと」いけないのに時間を減らす。その流れに抗することが出来なかった当時の有馬文部大臣は、退任後「あれは減らしすぎた」との論考を雑誌に発表。

2012-09-25 05:58:13
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

いま、ゆとりまっただ中(苦笑)の世代を大学が面倒を見ている。高1からのゆとり世代は2006年入学、2010年卒業だったから、小学校からの世代。でも見ていて、いいとこたくさんある。勉強が足りないのはお互い様と思えばよい(笑)。一生が勉強だ。それだけは分かっている。幸あれかしと思う。

2012-09-22 14:45:07
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

なるほど。そういう面もありそうです。ちなみに、子ども達もそう(いう意味のことを)言いますか?  @murano_toireya 「ゆとり以前世代」は勉強以外は自分のものだった。「ゆとり世代は」勉強以外の時間までからめとられてしまったのじゃないかなあ。総合学習、行事、部活 etc

2012-09-22 15:51:02
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

誤解なきよう補足すると、文部省は当時の締め付けの中、よく頑張って下さった。問題は日本の制度的一律主義。1980年代の日本経済世界一の嵐で、国際的に日本は公務員労働時間を減らせとなると、教育公務員まで減らす=学校授業時間も減らす。無思慮な一律政策に効果的に抵抗出来なかったのは残念。

2012-09-22 17:04:49
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

なんだか終われなくなったので、元に戻る。望月教授の研究を、望月教授ご自身が解説。『数体と位相曲面に共通する「二次元の群論的幾何」』http://t.co/zNUGoxTG  これは背伸びして大学数学を覗こうとする数学好き高校生向けの説明。これで、数の理論が、形の理論に関係する。

2012-09-22 15:03:04
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

今回の望月教授の研究が、高木貞治の代数的整数論の発展形であるという私の解釈も、そんなに間違っていなかったような気がする。しかし、そこからどんな風景が広がっているのか。私はそういうことが世の中を変えて行くと思っているのだが、当の望月教授ご自身は、そんなことには興味がないようだw

2012-09-22 15:12:00
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

「京都大学・望月教授のABC予想解決?の意味について」(私の初等的で拙い説明):https://t.co/deRwvQeM ただし、元々、私が知らない概念が出てくので、そこは望月『数体と位相曲面に共通する「二次元の群論的幾何」』参照:http://t.co/zNUGoxTG

2012-09-22 15:36:13
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

言われてみればその通り。 @tsatie これは程度の差こそあれ小中高でも同じだと思っていた。 「大学時代に難解なものに触れる方がよいとは、私は思わない…その時、大学時代にどこまで世界を開示するのがよいか。そのことにいつも悩みながらの学生対応というのが、多くの大学教師の本音では」

2012-09-22 15:44:53
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

御意。何だか凄そうだということは分かる^^; ものの見方・考え方に関係しそうだと私は思う。円から楕円に拡張したのと似てます。 @yoh7686 ABC予想の意味はわかるけれども、どう解いたのか、何故大きな価値があるのか、今後何の役に立つのかということはなかなかわからないんですよね

2012-09-22 15:48:09
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

こうして見てみると、望月教授の研究(一般に数学の研究)で、それがどんな意味を持つのか、伝わっていないところが問題の1つはないか。ただ単にABC予想が解けただけではなく…。 それを解くために発展しなければならなかった部分や分野こそが重要だと思うが。単なる手法の開発を超える部分。

2012-09-22 15:59:13
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

その片鱗は「代数的数全体を考察することによって初めて論じることが可能になるものが沢山存在する。こういった現象は…」という部分に。 @ub7637 ABC予想問題が解けたことで、これからどんな未来が広がると考えられるのだろうと。自分は未来指向なので、そのあたりが知りたいですな

2012-09-22 17:18:59
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

望月教授『「数体」と…「位相曲面」は一見して全く異質な数学的対象であり…直接的に関連付けることは難しい。しかし数体の拡大体の対称性…と…位相曲面の…対称性…を通して両者を改めて眺めてみると、「二次元的な群論的絡まり合い」と…興味深い構造的な類似性が』浮かび上がるということらしい。

2012-09-22 17:27:26
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

今まで「数」と思っていたものと、今まで「形」だと思っていたものとを、望月流に見直すと、両者に深い関係があることが見えてくる、というような意味らしい。高木貞治の類体論もそういう意味があるが、それは円周上の世界。それが望月流には宇宙の形。それこそ彼が「宇宙際」と命名した意味だろう…。

2012-09-22 17:33:15