大井浩明 POC2012[ポック#11] ラッヘンマン+ホリガー 全ピアノ作品 2012年10月4日(木)

POC2012[ポック#11] ラッヘンマン+ホリガー 全ピアノ作品 2012年10月4日(木)18時開演 代々木上原・けやきホール 大井浩明(ピアノ) 有馬純寿(音響)  【第一部(18時~)】 続きを読む
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終わり近くの「pppp 1/2」は、シュトックハウゼン:クラヴィア曲VII(1954)終結部に出て来る、ミケランジェリ式ppの打鍵法。《エリス》第3曲のC-G-desは、「無音ではなく、こっそりpppp 1/2で弾くと音が持続しやすい」。

2012-10-16 04:21:50
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第2楽章《フーガ》は、3:4:5、3:4:7、4:5:7といった込み入ったポリリズムの綾がわざわざ3段で記譜してあるので、出来るだけ線をクリアにするよう努めたところ、「平均律第1巻嬰ハ短調フーガのブゾーニ版のようにロマンチックに」「たっぷりとしたペダルでハーモニーを優先して」、

2012-10-16 04:23:07
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とのお達しでした。そういう風にならないように、細かい努力を積み重ねたのだが・・。もっとも、カニーノ(ホリガーより4歳年長)のゴルトベルク変奏曲のレッスンで、部分的にブゾーニ版に基づく解釈を薦められたりした事もありました。

2012-10-16 04:23:28
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ホリガーやカニーノといった、最前衛の現代音楽と協働し、同時に相当にバロックを愛している中欧人にとっても、いかに古楽器や古楽奏法がすんなり受け入れ難い美学だったか、という話かな。バーゼルで学んだとはいえ、「オランダ人の始めたこと」に首肯したくない背景もあるのかも。

2012-10-16 04:24:30
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《フーガ》第22小節の3連符は、むしろ楽譜の指定より速目(84とか)でイケイケで。そのまま第27小節の「クライマックス」まで、収めずに押し切る事。「この曲はピアノで弾くのが余りに大変なため、オルガン用編曲があるんだよ」。

2012-10-16 04:24:50
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第3楽章《舟歌》は、てっきりシェーンベルク(月に憑かれたピエロ)が下敷かと思っていたら、リスト《悲しみのゴンドラ》のようでした。テンポ自由。「もっと酔いどれて(ivre)欲しい」。ここまでの3曲の最後に現れる、和音の構成音が徐々に歯抜けになっていく箇所は、..

2012-10-16 04:28:44
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最後に残る音へのプロセスがもっと明瞭に聞き取りたいとの事。「譜面に囚われないで欲しい。譜面は10%に過ぎない。バルトークが民謡を採譜したら、ファーニホウのように複雑になったが、実際に曲にした時は8分音符に書き換えていただろ」。

2012-10-16 04:29:04
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第4楽章《間奏曲1》を含め、結局シューマンの名前は一度も口になさいませんでした。「ロンクィッヒ盤では、実は私が内部を擦ってるんだ」(似たような暴露話は松平頼暁《アルロトロピー》の手叩きでも聞いたけど)。

2012-10-16 04:29:24
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第9小節のauf Querbalkenは内部の金属フレームの事。「手で叩いても音がしにくいから、掌の中に木片を仕込め」。第15~16小節のFingergliss.は、am Stegと書いてあるけれど、《エリス》第2曲中間部のように「轟々と響いて欲しい」。

2012-10-16 04:29:46
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第18小節の「1/4ペダルtenuto」は、同じく《エリス》第2曲終結部のように、ダンパーが弦に触れた時点で発生する「駄目なノイズ」をわざと捉え響かせる事。

2012-10-16 04:30:05
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第5楽章《執拗なチャルダーシュ》では、左手7連符はスウィング(イネガル)して良い。右手はツィンバロンの連打のように自由に。「アンドラーシュはリストが大嫌いだって言うから、えひゃひゃひゃ」。そういえば、習作《ソナチネ》、子供用の《ブルクドルフのブギウギ》と、..

2012-10-16 04:30:30
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一貫してハンガリー風楽想はお好きですよね。第6楽章、「内部奏法用の譜面台を使ってはどうかね? フラウ・ラッヘンマンは、日本のお父さんに作ってもらったそうだよ」。

2012-10-16 04:30:47
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終曲で「ルルみたいな」単一リズムのシャコンヌが、まず21小節繰り返されたあと、53小節展開されるのは、献呈初演者、アンドラーシュ・シフの誕生年月日(1953年12月21日)に由来しているそうです。第6楽章の「53個の16分音符」という謎のような指定とも関連しているらしい。

2012-10-16 04:31:27
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ASCH-AsCHのモチーフは、シューマンに引っ掛けてはいるだろうけれども、そもそもはSCHiff AndráSから取られていると。終曲の締め括りの低音Fの連打も、schi「FF」に由来との事。第76小節からのコーダは、「それ以前とは全く雰囲気をかえてmolto dolceに」

2012-10-16 04:32:11
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最後のF連打は、第一音は「左手で弦を押さえ右手は鍵盤でミュート奏法」、第二音は「そのまま左手指頭で弦を叩く」(《エリス》第3曲終わりと同様)。弦を指で直接叩くの、お好きですねえ。

2012-10-16 04:32:45
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ホリガー《ウサギとハリネズミ》では、スイス滞在時にはついに意味不明のままだった「ツェメネ」がzusammen einであり、「ノメ」はnichts als、「エハ」はer kannである事を知り呆然。スイス・ドイツ語圏のピアノの方々、是非レパートリーにどうぞ。

2012-10-16 04:34:31
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