#羽根っ娘焼き鳥

そのまま
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ハネッコスキーくん[オルタ] @81R_KC

俺の目の前の七輪で、さっきまで”彼女だったもの”が香ばしい匂いを立てながら焼けていく。「あぁ、いい匂いだ」「あ、あぁ……」手足を拘束されたままの彼女は怯えきった表情でこちらを見ている。背中に巻かれた包帯には血が滲んでいる。「やっぱり、手羽先には塩だよね」

2012-10-08 21:51:25
ハネッコスキーくん[オルタ] @81R_KC

塩を手羽先――というには大きすぎるので一口サイズに切ったもの――に振り掛ける。彼女は完全に怯えきっており、足元には黄色い水溜りができていた。「あーあ、飯時に何をやってるんだ、君は」「あ、ぁ……わたしの……はね……が……」「大丈夫、他のところもちゃんと俺が食べてやるよ」

2012-10-08 21:54:29
ハネッコスキーくん[オルタ] @81R_KC

「へ、あ、うぐぅ……」彼女は涙も枯れてしまったのか、引きつった嗚咽だけを漏らす。「お、そろそろいいかな」串に刺さったそれにひとつまみ七味を散らし、口へ運ぶ。やわらかな肉からじゅわっと肉汁が溢れ、俺の口内を満たす。「うん、美味しい。君も食べるかい?」「いや……やだぁ……」

2012-10-08 21:57:39
ハネッコスキーくん[オルタ] @81R_KC

「なんだ、チキンは嫌いか」視線を七輪に戻し、もう一本の串を取る。こっちには少しレモンを垂らしてさっぱりと頂く。これも美味い。彼女はただ恐怖と嫌悪感の満ちた瞳でこちらの様子をうかがっている。「君は天使だね。なんたって自らの身体を糧として僕に与えてくれるんだから」

2012-10-08 22:01:29