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空想の未来世界
オービタルリング
地球の静止軌道上に設置された太陽光発電衛星は徐々にその数を増やしていった。やがてそれは、地球を完全に取り囲み、初期のオービタルリングを構成した。
2012-10-21 12:59:44太陽光発電衛星の内側には様々な施設が造られていった。工場、研究所、そして居住施設も。時を重ねるごとにこれらの施設は拡張され、リングは厚みを増していった。
2012-10-21 13:00:01リングが拡張されるにつれ、人々は徐々にオービタルリングに居を構えるようになっていった。かつて、一般人はほとんど観光でしか使うことのなかった六本の軌道エレベータは、移住のための交通手段として活躍した。
2012-10-21 13:00:18人口の増加に伴い、リングはその厚みだけでなく、幅も広げていった。リングの拡張につれて地上の日照量は減り、寒冷化への道を辿った。このことは人々のリングへの移住を加速させることとなった。
2012-10-21 13:00:34今ではリングは地球の直径のおよそ半分にまで拡張され、人々はリングの中で生活し、世代を重ねていった。今では軌道エレベータを使うものもなく、リングで発電した電力の送電設備も、その機能を停止している。
2012-10-21 13:00:49地上
陽光がほぼ完全に遮られた地上にも、人は生きていた。産まれた土地から離れられなかった人々の子どもたち、そして、なんらかの理由でオービタルリングから追放された、あるいは逃亡してきた人々・・・
2012-10-21 13:01:08すでにほとんどの化石燃料は枯渇したそこで、地中深く埋められた放射性廃棄物を掘り起こし、抽出したプルトニウムをエネルギー源として利用している。
2012-10-21 13:01:23かつて製造されたものの、普及することなく消えていったウラニウムの崩壊熱で発電する小型の発電機が、プルトニウム用に調整されて使われている。
2012-10-21 13:01:38放射性廃棄物の廃棄場は一大鉱山と化し、周辺にはエネルギー源を求めて人々が集まり、この時代の都市を築いている。太陽の光を閉ざされ、環境の激変した地上にも、人は生きている。
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