店員と交流を持たないハンバーガーショップの話

まとめました
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名誉白人 池沼害吉 @gaikitirail

今モスバーガーでコーヒー注文しようと思ったら「コーヒーですね?」だと。顔覚えたんだろうけど気分悪い。もうここには2度と来ない。自分が仕事のできるフリーターになったつもりだろうか。ふざけんな

2012-10-24 20:49:50
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

ちょっとこれから長文を幾つも貼り付けるから、気を付けてね。さっきの店でのオーダーに関する話。

2012-10-24 21:59:02
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

ひどく殺風景な建物がある。全体的に四角い印象で、全く飾りっ気がなく、どこか学校の校舎を思わせた。その建物の入口の上にやけに縦細い明朝体で「ハンバーガーショップ」と書いてある。俺はその下を潜って、店内へと入った。

2012-10-24 21:59:28
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

自動ドアが開くと、合成音声が「いらっしゃいませ」と喋る。どうやら扉と連動しているらしい。店内へ入ると、入口のすぐ目の前に記帳台のようなカウンターが置いてある。その上には、緑色のゴムマットが敷かれていて、紐のついたボールペンと、非常に薄い紙の束が置いてあった。

2012-10-24 22:00:06
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

その紙を取ると、シャラシャラとした触り心地で、3枚綴りの複写式になっていた。それには「購入申請書」という大きな字と、ハンバーガーの種類、サイドメニューが印字されていて、どうやら注文したい物に印を付けろということらしい。俺はハンバーガー、フライドポテトM、コーラの欄に丸を付けた。

2012-10-24 22:01:19
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

記帳台のある場所のすぐ右側の壁に窓口が幾つかあって、その向こう側に暇そうな顔をしている「店員」がいた。窓口のガラス窓の下に穴が開けられていて、そこから向こうにいる店員に申請書を渡すようだ。そこで俺は幾つかある窓口うち、一つだけ空いていた「1番」の窓口へと向かった。

2012-10-24 22:02:25
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

店員は一言「いらっしゃいませ」と言った。その声はガラス窓越しなのにやたら大きく、しかしくぐもって聞こえて来た。成る程、あちらにマイクがあって、窓のサッシにスピーカーが取り付けられているのだ。兎に角その申請書を窓口の下の穴から渡すと、店員は申請書をじろじろと睨み付け始めた。

2012-10-24 22:03:28
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

突然おもむろに店員は顔を上げると、「はい、結構です。ハンバーガーとポテトMサイズ、それにコーラを付けて合計で450円頂きます」と言った。俺が財布から小銭を取り出している間に店員は恐ろしく大きなスタンプを取り出して、ガチャンガチャンと三枚綴りの申請書の三枚ともに押した。

2012-10-24 22:04:18
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

俺は500円玉を取り出して、窓口の淵にぱちんと置いた。すると、店員は500円玉を滑らすように取ると、すぐ横のコインの沢山入ったケースから50円玉を取り出すと、こちらへ寄越した。

2012-10-24 22:05:50
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

お釣りを寄越すと同時に店員は「それではこの申請書を2枚持って、あちらの4番窓口に進んで下さい。そちらで商品のお受け取りとなります」と説明した。返却された2枚の申請書には「注文用」と「お客様控え」と書かれていて、どちらも「代金領収済み」というスタンプが押されていた。

2012-10-24 22:11:48
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

4番窓口は店内の奥まった所にあった。ここの窓口は、先ほどのようなガラス窓の嵌ったものではなく、カウンター型の丸で学食やフードコートの受け取り口のような構造になっていた。俺はそこへ注文用の申請書を出すと、厨房の方から店員が出て来て、それを受け取った。

2012-10-24 22:16:33
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

すると店員は「ハンバーガーとポテトMサイズ、コーラですね。それではそこの待合室でお待ち下さい」と言い、俺に「2」と書かれたプラスチック製の小さな札を渡して、厨房のステンレスの中へ隠れてしまった。

2012-10-24 22:19:02
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

待合室は厨房のすぐ脇にあった。待合室の中には幾つか茶色い人工皮革の貼られたベンチが置いてあって、部屋の隅には小さなブラウン管テレビが置いてあった。テレビは映っているようだが、何故か音声が出ていない。そのお陰かとても静かであった。

2012-10-24 22:22:43
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

ベンチに腰掛けて無音のテレビを眺めること5分、部屋の天井に取り付けられたスピーカーから「2番のお客様、ご注文の商品が出来上がりました。6番窓口へどうぞ」と放送が鳴った。俺は腰を上げると、プラスチックの札を持って、先ほどの4番窓口のすぐ近くの6番窓口へと行った。

2012-10-24 22:26:32
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

さっきの店員がカウンターの前にいて、茶色い紙袋をどさっと置いた。「こちらがハンバーガーとポテトのMサイズ、コーラです」と言ったので、プラスチックの札を引き換えに渡した。俺が紙袋を持って、窓口の前を離れると店員はありがとうございましたと言って、再びステンレスの林の中へと隠れた。

2012-10-24 22:31:46
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

俺が出来上がりを待っている間なのか、いつの間にかまた別の客が来ていて、記帳台で申請書を書いていた。俺はその傍を通り抜けて、外へ出た。自動ドアが空いて、合成音声が「いらっしゃいませ」と何故か喋った。なんとなく薄気味悪かった。

2012-10-24 22:35:58
図書室のyasu🐈 @Library_Yasu

おしまい。長文連投失礼しました

2012-10-24 22:37:13