奥出直人氏によるデザインの精神性とモダニズムから考えるデザイン思考とイノベーションの組織的実践について

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Naohito Okude @NaohitoOkude

デザイン思考はGEやP&Gではリスクをポルトフォリオ管理して会計やマネージメントを徹底すると縮小再生産する組織を活性化させる方法である。だがコンサルタントレベルだと、これ一発で会社の業績回復とか国の政策だと、イノベーションをして次のリーディング産業を育成になるとなる。あり得ない。

2010-08-04 10:02:08
Naohito Okude @NaohitoOkude

デザイン思考はその手法に熟練した人間が不確実性に対して実践的に挑戦する方法である。複数の活動を行い、その結果ポルトフォリオとして成果が出てくる。儲かることもリスクだからね。実践的能力を持っていることが大事。これは個人の成果主義ではない、ということにもなる。

2010-08-04 10:05:35
Naohito Okude @NaohitoOkude

話のリーチが大分長くなった。ちょっとまとめておこう。グローバル化は世界の均質化を生まずに、各地で資本主義と民主主義への胎動を生み出している。この動きはさまざまなモダニズムデザインを生み出していく。なぜならあれもこれも欲しいという欲望に答えるのがモダニズムデザインだからだ。

2010-08-04 10:08:31
Naohito Okude @NaohitoOkude

この欲望なしに民主的な社会の実現は不可能だ。身分の区別なくこれが欲しいという気持ちが貧困からの脱出を可能にする。松下幸之助の水道哲学だ。20世紀インダストリアルデザインはこのダイナミズムへの回答でもあった。だがそれは機械というシステムへの服従でもあった。社会主義を内在させていた。

2010-08-04 10:10:43
Naohito Okude @NaohitoOkude

だが、欲望経済は身分ではなく富の偏在を生み出す。この問題の解決が社会主義だったのが20世紀だ。一方社会主義はリスクを否定する官僚制度でもある。そして、リスクのないシステムは内部崩壊する。なので、実は社会主義は大企業の中にもある。リスクをとれない人たちが決定権を持っているからだ。

2010-08-04 10:16:39
Naohito Okude @NaohitoOkude

新しい表現や仕組みを作りだしていくことはリスクを拡大つまり不確実性を拡大させることである。だが、そのなかから新しいコンテキストを自ら引き寄せて、魅力的な形にあるいは仕組みに変化するものが出てくる。それは不確実性なので予言は出来ないのである。ここに挑戦するのがイノベーションだ。

2010-08-04 10:19:57
Naohito Okude @NaohitoOkude

イノベーションを実践する人は自分に自信があり創造性を持っていると自負しているくらいでないと使い物にならない。だがリスクを取っているので成功の保証はない。失敗のリスクを回避する方法を意識させると成功の確率も下がる。あわせて判断するポルトフォリオの世界だからだ。

2010-08-04 10:34:03
Naohito Okude @NaohitoOkude

さて、こうした状況の中でイノベーションで生き残っていくために組織論の視点から積極的に発言し、また影響力があるのがクリスチャンセンだ。彼の行っていることは様々な現象を見ていると正しい。イノベーション戦略としてすぐれているが、それを実践する方法はどうなのか?その解がデザイン思考だ。

2010-08-04 10:36:33
Naohito Okude @NaohitoOkude

それは創造性を拡大させる発想法の視点と、イノベーションを形にしていく、つまり作っては考えていく方法が組み合わさったものだ。この作業を外部世界に関わり合いながら行っていく。この手法をとることで、イノベーションリスクポルトフォリオの質が圧倒的に向上する。

2010-08-04 10:39:58
Naohito Okude @NaohitoOkude

以上のように書くと大げさだが、デザイン思考の授業で10をこえる最終発表を見たが、3つ以上はかなりいける。この段階で選考して第二段階に進めていく、という方法を採っていけば答えはでてくる。多様な経験を分析し、要素を抽出して、組み立て直す。このイノベーションプロセスがまずは大事だ。

2010-08-04 10:45:06
Naohito Okude @NaohitoOkude

このとき、確立したデザイナーは「そんなことをしても良い物は出来ない」と必ず答える。確実性を考えればそうだ。だが確実なことをしていては組織は息絶える、というのがイノベーションの出発点なので、創造性を人依存、外部依存しては駄目だ。で、話はようやくモダニズム表現に戻る。

2010-08-04 10:47:05
Naohito Okude @NaohitoOkude

成功するかどうかわからない不確実なイノベーション作業をなぜ好む人がいるのか。合理的なあるいは功利主義的な活動ではないにもかかわらず、人はそれを好むのは何故か。僕はそこに人間の本質的な欲求を満たす要素があるからだと考えている。イノベーションする、創造的な活動をすることは楽しい。

2010-08-04 11:02:26
Naohito Okude @NaohitoOkude

楽しいことをするホビースト達。無数にいたコンピュータホービーストから何名かが企業家として20世紀後半を飾った。楽しさを伝導するのがCEOの仕事だった。こんな楽しいことから生まれてきた産業だ。エネルギーがないはずはない。だが、この世界にいまはイノベーションの領域は少ない。

2010-08-04 11:05:40
Naohito Okude @NaohitoOkude

いま人々が夢中になっているのはMakeの世界だ。手作りの手芸から電子工作まで。数年前からこの動きがあり、とまらない。パーソナルファブリケーションとユビキタスコンピューティングという大きな技術的なブレークスルーがあった領域である。できるだけ多くの人が夢中になっている分野が大切。

2010-08-04 11:46:04