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フッサール研究の文脈で日本の『改造』誌のタイトルが字義的には「Erneuerung/renewal」と訳せるという見解が独語・英語圏で広まりつつある見たいなんだけど、少なくとも字義通りの訳語としてそれはないよな。
2012-11-09 05:17:42実際、フッサール用語としての「Erneuerung」は「革新」と訳されているわけだし。というか一般的にいって「Erneuerung/renewal」を「改造」と訳すような文脈ってあるのかな。内閣改造って英語やドイツ語だとなんていうんだろう。
2012-11-09 05:18:37英辞郎によると「内閣改造」の訳語としては「cabinet shuffle/reshuffle/shakeup」その他があるようだけど、「renewal」を含むものはない。多分ドイツ語でも同じだろうな。明日アルヒーフの誰かに聞いてみよう。
2012-11-09 05:22:15「Kaizo=Erneuerung/renewal」説は訂正しておいてもいいだろうな。この業界で日本語ネイティヴであることの特権が発揮できる場面というのはほとんどないので、ある意味うれしくて仕方ない。
2012-11-09 05:28:34田中角栄の「日本列島改造論」の「改造」はどうやら「remodel」や「reconstruction」と訳されている模様。http://t.co/m6Jl4swc
2012-11-09 05:45:53と思ったらHua XXVIIの序文に思いっきり「„Kaizo" besagt „Erneuerung"」て書いてあったわ(S. XI)。発信源はここか。でもこれは訂正するか、あるいは少なくとも今後は但し書きをつけるようにすべき。
2012-11-09 06:07:38『改造』誌・改造社・同社社長の山本実彦がらみの文献をすこし検索してみたけど、日本文学史について何も知らないので検索結果をまえに立ち尽くすしかないのだった。とりあえず松原一枝『改造社と山本実彦』(南方新社、2000年)を読んでそこで引かれているあろう文献に移るのがいいのかな。
2012-11-09 17:55:46あと、水島治男『改造社の時代』戦前編&戦中編(図書出版社、1976年)か。年末年始の(ひょっとしたら実益も兼ねるかもしれない)趣味の読書テーマが決まったな。
2012-11-09 17:56:24この辺に関する日本語の研究を手堅くまとめてフッサールの『改造』論文をそこに位置づけるという論文を英語で書いたら、たぶんフッサール倫理学関係の論文で頻繁に引かれるであろう定番論文になると思う。
2012-11-09 17:59:18森村修「フッサールと西田幾多郎の大正・昭和時代」をざっと読み直したら、フッサール自身が日本語の「改造」を「Erneuerung」の意味で受け取っていることがはっきりした。1923年7月28日付シュヴァイツァー宛書簡(cf. BW VII, p. 253)。
2012-11-10 00:42:19この論文はネット上で手に入る。ここに書かれていない情報を手に入れることが当面の課題ということになるかな。http://t.co/nNikkoW2
2012-11-10 00:43:29ちなみに前掲森村論文には、フッサールの当時の収入に関する生々しい説明や「俺はフッサール(Husserl)であって、ラッセル(Russell)じゃないから(金のためだけに)いい加減なことかかないぜ(大意)」を含む1922年12月13日ベル宛書簡が引かれている(注(2))。
2012-11-10 00:52:39このページによると、「当時『改造』に寄稿していた文学者たちが改造社に送った原稿が大量に発見されたというニュースが、最近新聞に掲載されました。2007.04.07」とのこと。フッサールの原稿や訳稿もあるのかなあ。http://t.co/jlrkN0Un
2012-11-10 00:55:36