「社長を守る会」竹内社労士の新刊『ユニオン対策が2時間でわかる本』の問題点

「社長を守る会」(http://www.e-shacho.net/shacho/index.htm)の竹内睦・特定社労士の最新刊『ユニオン対策が2時間でわかる本』から抜粋しコメントを付けました。 http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%8C2%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%A7%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E7%AB%B9%E5%86%85-%E7%9D%A6/dp/4426114500
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NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(1)「社長を守る会」(http://t.co/cVTIf6Vf)の発足者である竹内睦・特定社労士が今年7月に刊行した『ユニオン対策が2時間でわかる本』(自由国民社)がおもしろいので引用に短いコメントを添えて紹介します。全14ツイート。 http://t.co/8y1VKMHR

2012-11-14 21:33:24
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(2)「経営三権(注:業務命令権、人事権、施設管理権)に関する事項については、労働組合と交渉すら行う義務は微塵もありません」(p.28)。最初からかなりぶっとばしています。実際に団体交渉の現場でも相手方でよく出てくる人物ですから実際に交渉してるはずなのですが…。

2012-11-14 21:35:55
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(3)別の所では、強面の人が彼の事務所に同しただけで「警察を呼んだ方がいいんじゃないか」「何か武器になるようなものを探しておこう」とあわてふためく事務所の様子が描かれています(p.36)。労使紛争に介入するにしては頼りない姿を描いているだけのような。っていうか武器はダメでしょ。

2012-11-14 21:36:11
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(4)「一般人がやれば犯罪で罰を科されるにもかかわらず、組合員がやった場合は、本来だったら犯罪なんだけれども、違法性が阻却されて罪にならないということがあるわけです」(p.41)。医師の手術と同じ正当行為なので「本来だったら犯罪」は誤り。自分で犯罪の定義を書いているんですが…。

2012-11-14 21:37:51
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(5)「自分達が仕事をしないで、自分達の働く会社に打撃を与えるという武器まで持ち出して、対等な交渉をしようとする行為すら認めてしまう、そういう一方的なシステムになっているわけです」(p.44)。労働組合の存在が認められることじたいが、一方的な仕組みなんでしょう。彼にとっては。

2012-11-14 21:38:02
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(6)「団体交渉を粘り強く継続していけば、組合員が自ら諦めてしまうケースというのも、結構あるのです」(p.58)。ここは本の中でもいちばん重要。つまり、諦めさせるために団体交渉を長引かせるということが戦略の一つになるわけです。我々が最も苦労するのは確かにそういう手口です。

2012-11-14 21:38:13
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(7)「団体交渉は、組合員の労働条件などを改善するための交渉ですから、たった1人の労働者(組合員)の問題を、しかも会社と無関係の外部のユニオンが取り扱うのは、かなりおかしなことと言えます」(p.60)。言えませんとしか言えません。

2012-11-14 21:38:40
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(8)「労務トラブルのきっかけとなるパターンとして多いのは、次の4類型です。当該従業員が、①協調性がなく、勤務態度不良で指揮命令に従わない等の問題行動を起こしている。②能力不足で教育指導をしたが一向に改善しないので、そのまま放置している。(続)

2012-11-14 21:38:50
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(9)(承前)③身体だけでなく心の部分で健康上の問題が発生したが、その処遇で迷っている。④日常生活、私生活上のトラブルを抱えている」(p.64)。ということで、企業発の労務トラブルは全く想定されていません。だから労組が介入してきて交渉に持ち込まれると「一方的」に見えるわけです。

2012-11-14 21:39:22
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(10)「話を大きく膨らませて、組合に加入させる。そして、団体交渉で激しくやり合えば、きついことを会社が言ってくれる。……それを後で組合員を説得する材料にして、ある程度のところで決着させる」(pp.100-101)。これを労組のビジネスモデルと紹介。社員も騙されているんだ、と。

2012-11-14 21:39:33
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(11)「不当労働行為の救済申し立てというのは、……会社を退職してから駆け込んで組合員になったような場合は、その理屈は使えません」(p.108)。まぁ団交拒否が不当労働行為に当たるのはさすがに理解しているようなので、自分が何を書いているのかが理解できていないのでしょう。

2012-11-14 21:39:49
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(12)「組合員を解雇して不当労働行為が認められるとこんなに痛い!」という一節には、「ユニオンが介入してきて、初期の対応を見誤ると、もう、このようにぐちゃぐちゃな状態になってしまう可能性もある」(p.114)とあります。原因は不当労働行為であって労組ではないんですが。勝手な理屈。

2012-11-14 21:40:26
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(13)「労働事件は、ほとんどが和解で終わります。……従業員がお金を払って和解するなどということはあり得ません。和解の場合は、会社がなにがしかのお金を払って終わるしかないのです。まったく酷い話です」(p.119)。紛争の原因が会社にあることを想定しないので必然的にこういう主張に。

2012-11-14 21:40:38
NPO法人POSSE事務局長/川村遼平 @kwmr_posse

(14)「ふざけた社員に金を払うくらいだったら、とっとと会社を畳んで、残った資金は自分の退職金として受け取りたい」(p.128)と決心した社長が300万円以上の残業代請求を蹴って解雇予告手当だけで済ませたという話も出てきます。労組の力不足もあったと思いますが、ふざけた話です。 終

2012-11-14 21:41:08