三人囃子

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

呼応遊び、しています。 ＃三人囃子 メンバーははすむかいさん（@hasmkai )、青峰愁夢さん（@s_shuho )です。 よろしければ、ぜひご覧ください。 ＃深夜ですが ＃Favれよw

はすむかい @hasmkai

上品な甘さが彩るのは 混ざる焙煎が挽いた黒 薫りを愉しみ喉に干し 満足して頂けたはず 安らぐひと時を邪魔しない それが使命と心得て あなたの身体に入ってしまえば あとはこちらのものでしょう? 【人口甘味料1】 #三人囃子

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

臓器に苦味を 私は笑った 安らぎは遠のいてゆく 動悸が 走る 1800mの徒競走 水槽の金魚が 口をあけた （その処方は メンテナンスが 始まる前の） 秋から 冬の夕暮れ ブリッジする 誰もいない海岸で 缶を開けた甘い、アマイ キスに 保存されると思うな【人工甘味料2】＃三人囃子

青峯 愁夢 @star_bow_

濃厚に味わわされた 甘い口付けの後に 訪れる空虚さが狂おしい 臓腑に保存されない虚しさと 口元に漂う小さな安らぎと どちらをも捨てて 焙煎された黒に堕ちていく私を赦して 秋に依存させられた天然の甘味を 人肌淋しい冬に見出せなかった 唇に依存させてね 【人工甘味料3】＃三人囃子

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

舌に残る 甘い残滓が 朝がくるのを拒み まどったままの 目を瞑らせる 香ばしい思い出が やがて雪を積もらせ ポケットの中の 冷たい握り拳を とかしていく ほんとうの唇は 風が吹き込むほどに 隙間だらけで 忍び込んだ 白いミルクの渦が 冬のひだをひろげて 【人工甘味料4】＃三人囃子

はすむかい @hasmkai

薄く震えるドレープに艶 置き去りの甘い唇はまだ乾かない 濃いめに淹れた魔性 留まりたがるミルクの膜 混濁させた秘密を溶かし 舌の感触ばかりリアルな 残留思念に目を閉じる もっと奥まで 隙間なく埋めて いつかの話よりも今 その蜜がもたらす充足を 【人工甘味料5】 #三人囃子

青峯 愁夢 @star_bow_

黄昏に鎮む街の片隅で 気まぐれに解き放たれた物語が 貴方への愛を紡ぐ時 私の唇は渇いて ルージュを引き直す 捨てられた空き缶から零れる 焦げ付いた想いが甘ったるく薫った 吐き出した白さはいまだ溶けきれぬ冬に混じり 容易に与えられた充足は虚空に呑まれた 【人工甘味料6】 #三人囃子

はすむかい @hasmkai

呼応遊びをしています。 #三人囃子 メンバーは、二匹の猫は互いに同時に存在する。 さん(@zwei_katzen)、はすむかい(@hasmkai)、青峯愁夢さん(@s_shuho)です。 よろしければ、ぜひご覧ください。

はすむかい @hasmkai

|ω-)っお題【息継ぎ】　#三人囃子

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

半月を咥えた君の言葉が恋しくて 封じられていく水槽の中に答えを探した ただ艶やかに零れる雫に沈む泡々が 通り過ぎた日々に小さく破裂して 静かさが僕らを包みこみ 映りこむ星々の 束縛されたあまやかな時が したたる しなやかなる溺死が 蘭鋳の尻尾に乗って いま 【息継ぎ1】#三人囃子

青峯 愁夢 @star_bow_

夜半に没む月が満ちても 僕らは答えを見つけ出せず 閉じられた水槽が風を拒み続ける 水草に絡む君の安らかな寝顔が 僕に何かを伝えようとして けれど 巡る泡沫の記憶が 弾けては消えた 今宵 星々は霞んで まんまるの月が僕らを照らした 浅い空気に 深く息を吸った 【息継ぎ2】#三人囃子

はすむかい @hasmkai

震えた薄い皮膚 現の裏側で見守る 迷いは湿った髪を漉き からかう声は封じられ 塩味を舐めた どこへもゆけない旅の途中 逃げのびた月の憐れみ 悲恋のアリア 砂を掻く冷えた指先 閉じた瞼の奥で 味わう柘榴の際立つ赤に 息をするのも忘れて 夜の首筋に噛みつく獣 【息継ぎ3】 #三人囃子

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

あたたかな絡みつき、私からあなたへと。繋がる透明な唾液がG線の歌をうたい、首輪が遮った距離に想いを馳せた。一枚一枚、剥がされていく。ぬくもりの反芻のしもべとなって、私は胸を上下させる。噛みちぎる勇気もないくせに。見えない鎖の虚ろな音が響き、私は再び潜水する。【息継ぎ4】#三人囃子

青峯 愁夢 @star_bow_

溜め込んだはずの酸素はいつの間にか二酸化炭素に置き換えられて、私の胸を満たした。足りないと開いた口から垂れる唾液が、浮かんでいく窒素と混ざる。私を離さない、残酷な手の温もりに囚われて。あなたの奏でる音だけを聞かされた。首筋に残る所有の証が、息を圧迫していく。【息継ぎ5】#三人囃子

はすむかい @hasmkai

耳許で解かれた秘密を 求めたうるみと一緒に飲みくだす まるで内側から撫でられているような熱 こみあげて駆け巡るもどかしさが 指を伸ばしては落ちて 逆光の隠すその表情が 泣いているのかもしれないと 届く自失の一歩手前で 与えられたそれを思いきり吸いこんで 【息継ぎ6】 #三人囃子

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

その呼吸を欲したのは安らぎを求めていたからで君でなくても構わないという事実にきっと寂しそうな顔をするだろうけれどそもそも君も愛だの恋だのという幻燈を僕に映したんだという共犯意識が事の後ただ沈黙が濡らすシーツを乾かしてくれる嘘なんだね。 ねえ。 キス、してよ。【息継ぎ7】＃三人囃子

青峯 愁夢 @star_bow_

私のことをただボンベのように扱って、楽になったら簡単に捨てるあなたを欲した。余剰分の空気をあなたは悉く奪い尽くし、だらしない口唇に私の隠れぬ欲望を重ねて嗤った。不明瞭な視界で縋りつく私の手を解していく。不完全燃焼に燻り、あなたと一緒に死んでしまいたかった。【息継ぎ8】 #三人囃子

はすむかい @hasmkai

ほんのひと時持たせればなぞ詮無い世迷言にしろ 穴のあいた肺から 果てなくこぼれてゆく砂に 飲まれて今喪った真実は育つ 漏れた嗚咽の先に見たのは 望みを捨て去った唇の笑み あゝ愚かだ 軋む音をたて潰れながら 確かにその献身を喰らい 生かされていたのだと 【息継ぎ9】 #三人囃子

はすむかい @hasmkai

呼応遊びをしています。 #三人囃子 メンバーは、二匹の猫は互いに同時に存在する。 さん(@zwei_katzen)、はすむかい(@hasmkai)、青峯愁夢さん(@s_shuho)です。 最終章のお題は【偽人形】。 よろしければ、ぜひご覧ください。

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

巻きついた絹糸が 影絵のように踊らせる 幕は（あいた（手の）（先に）重く 顔を（見えない（指の）（先に）塗りつぶして あるいは ガムランのたてる属性音が 揺らす 薄っぺらな舞踏の重力が 夕陽を翳して いたたまれなくなるほどに 結び付けられて 続く過去の傷痕 【偽人形1】＃三人囃子

はすむかい @hasmkai

囀るタイミングを計り 決められた因果律の譜面 泳いだ中指の調べは 響き終わらぬ低音を記す 同じ色に染めて 同じ夢を見て 音階をなぞるオートマタ 自由な空に張りめぐらされた 絡む絹糸が奏でる 出逢いの摩擦係数は 背後の闇の緞帳が 意図を見事に隠している 【偽人形2】 #三人囃子

青峯 愁夢 @star_bow_

願われるままに 囚われた肢体は生命線をなぞる （あなたの、望むままに） 硝子玉の瞳が写す世界を 受け入れられないのは汚れているから 新陳代謝を繰り返す身体は 感情線をくるくると巡り 安定しない手の皺に苛立つ 下らない卜占を謳う口を呪い 拾う耳を爛れさせた 【偽人形3】 #三人囃子