激論!アナルコキャピタリストが現在の日本の金融政策を論じるvol.1

KnightLiberty v. typeA 、二人のアナルコ・キャピタリストによる現在の日本の金融政策のあり方についての論争。と、それについてのhicksianさんのコメント。
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@hicksian

@typeA_ac 貨幣価値云々も大事ですが、アダム・スミスじゃないですけども、一国の富は労働生産物なりという点もおさえておきたいところですね。現在では富というとストックのことですが、アダム・スミスの言う富は現在でいうフロー、具体的に実質GDPなんかですね。

2010-08-14 02:16:20
@hicksian

@typeA_ac 実質GDPの成長あるいは実物的な経済活動が円滑に進むよう促すのが貨幣であって、貨幣それ自体はあくまで手段であるという視点も一応おさえておくべきか思いますです。

2010-08-14 02:18:10
@hicksian

@typeA_ac 可能な限り相対価格の構造に歪みを生まないようにすべきである、としても、果たしてその目的に照らしてゼロインフレが最適かどうかも自明ではないかもしれないですね。

2010-08-14 02:21:23
@hicksian

@typeA_ac アカロフ他が自然失業率仮説(or 長期的にはフィリップス曲線は垂直)に疑義を表明する形で論じているところによれば、ほどほどのプラスのインフレ率下においての方が相対価格の調整がスムーズに進む可能性があるかもしれません。

2010-08-14 02:24:19
@hicksian

@typeA_ac 名目賃金の下方硬直性(名目賃金が低下し辛いこと)が存在する状況では、経済部門間における相対賃金の調整はほどほどのインフレ率下においての方がスムーズに進む可能性があると。

2010-08-14 02:27:34
@hicksian

@typeA_ac このあたりの議論はかなり昔にブログでちょっと触れたことがあります。つ http://bit.ly/cHlB4Y

2010-08-14 02:27:46
@hicksian

@typeA_ac ハイエクはかつてデフレーションが名目賃金の下方硬直性を打破する可能性に望みをかけていたことがあるようです。

2010-08-14 02:30:29
@hicksian

@typeA_ac 名目賃金の下方硬直性というのは言ってみれば、価格(この場合名目賃金)が伸縮的に変動しないということですので、デフレーションによる名目賃金の下方硬直性の打破=価格メカニズムの機能向上ってことですね。

2010-08-14 02:31:48
@hicksian

@typeA_ac つまりはデフレーションには先につぶやいた意味で(価格の伸縮性を高めるという意味で)それなりに機能を有しているということですね。ただ、後年ハイエクは意見を変えていますが。

2010-08-14 02:33:07
@hicksian

@typeA_ac 今のハイエクの話はホワイト教授の以下の論文に詳しいですつ Lawrence H. White, "Did Hayek and Robbins Deepen the Great Depression?" < http://bit.ly/aklrJG

2010-08-14 02:35:00
@hicksian

@typeA_ac デフレについてのハイエクの後年の認識はホワイト論文のpp.27~28あたりに書いてあります。

2010-08-14 02:40:42
@hicksian

@typeA_ac 「現在私は、デフレは何らの機能を有しているとは信じていないし、また、デフレのプロセスを支持したりあるいはデフレのプロセスを容認したりすることを正当化する論拠はないと信じている」なんてハイエクの言葉が印象的ですね。

2010-08-14 02:41:01
@hicksian

@typeA_ac ホワイト論文によれば、ハイエクは、中央銀行は名目所得(あるいは名目支出;交換方程式におけるMV)の安定化を指針手して政策運営すべし、との立場のようですね。例えば、貨幣の流動速度(V)が低下するような状況では、中央銀行はMの増加でVの低下を相殺すべし、と。

2010-08-14 02:46:47
@hicksian

@typeA_ac ホワイト論文では、他にも、以前ちょっと話題になったオーストリア学派の景気循環論と真正手形学説との関係(あるいは違い)についても触れられてます。

2010-08-14 02:47:41
@hicksian

@typeA_ac インフレが資産の名目価値を毀損するという点も話題になっているようですが、インフレがだめならデフレもダメとするのが首尾一貫した立場でしょうね。デフレは資産の名目価値を高めるからよし、とするのは、憎き政府が施しをくれるのはOKってことですからね。

2010-08-14 02:51:13
@hicksian

@typeA_ac 名目じゃなくて実質でした。インフレ→資産の実質的な価値の棄損、デフレ→資産の実質的な価値の上昇。

2010-08-14 02:52:44
@hicksian

@typeA_ac (インフレで)資産を勝手に奪うのがだめなら(デフレで)資産を勝手に追加してくれるのもダメ、とすべきでしょうね、信条に忠実であろうとするなら。

2010-08-14 02:55:16
@hicksian

@typeA_ac あとヘリコプターマネーじゃないですが、国民一人当たり定額の新規貨幣を供給するのはありなんでしょうかね? このケースだと貨幣入手のタイミングにズレは生じないですから。

2010-08-14 02:57:48
@hicksian

@typeA_ac あとインフレ・デフレが既存資産の実質価値に与える影響も重要ですが、新たな資産形成という点にも目を向けると、インフレ・デフレと実質的な経済活動との関係も見過ごせないでしょうね。

2010-08-14 03:01:13
@hicksian

@typeA_ac インフレによって既存資産の実質価値が毀損されるとしても、脱デフレによって経済活動に活況が取り戻されれば(所得の上昇を通じて)それ以前よりも貯蓄する余裕が生まれますので、新たな資産の蓄積が可能になりますね。

2010-08-14 03:02:58
@hicksian

@typeA_ac 言い換えれば、脱デフレによって労働の機会が好転するとすれば、新たに資産を形成する機会が開かれるということですね。人的資産(労働から得られる将来所得の割引現在価値)の上昇につながるとも言えますが。

2010-08-14 03:05:54
@hicksian

@typeA_ac 激論の様子を拝見してイレギュラーな経済学徒が感じたところはこんなところでございます。あっちこっち話が飛んですんませんです。

2010-08-14 03:08:20
@hicksian

どうでもいいけど、いやどうでもよくないけど、ホワイト論文では若田部先生の論文が参考文献に掲げられとるね。

2010-08-14 03:24:33