2012-12-12 権力

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

今朝の事件のこともあるし、政治や選挙を考えるうえですこしフーコーの権力について話を解説しておいた方がよいかと思うので、一点書いておく。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

フーコーは、権力には意図はないが、戦略はある、と言っている（『性の歴史1』）。どういうことか。我々はしばしば権力の動きの背後に悪者を想定していまう。そいつの意図で政治や社会が動かされていると考えてしまう。しかし、そういう意図をもった奴はいなくても、権力は戦略的に作動する。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

だから陰謀論的に悪者を想定するのは間違うことが多いが、しかし、だからと言って権力が全く無秩序に作動していると考えるのも間違いである。

縮限 @contractio

「意図はない」については敷衍してるのに、「戦略的に」のほうについては敷衍してないなぁ。 RT @lethal_notion:…。我々はしばしば権力の動きの背後に悪者を想定していまう。…。しかし、そういう意図をもった奴はいなくても、権力は戦略的に作動する。

縮限 @contractio

「あるものが秩序あるしかたで行使されている・存在している」ということは、 「それが或る意図のもとに制御されている」ということを意味しない。 とだけいえば、「戦略」という言葉は必要なくなるわね。 使われた「意図、戦略、秩序」という語彙のうち、ひとつ消せた。

縮限 @contractio

しかし「権力」という語を フーコーぐらいにウルトラに拡張して使ってしまうのならば、そもそも「秩序」という言葉だって必要ないはずではないか、とは思料されるところである。

縮限 @contractio

「知」はきっと、「権力の contractio」なんですよね。わかります。 RT @yow_: 知も権力だとか何とか RT しかし「権力」という語を フーコーぐらいにウルトラに拡張して使ってしまうのならば、…

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

文字通り、複数の手段を利用しながら目的達成に向けて作動するということですよ。しかし、意図はないのだ、と。ここまで丁寧に説明すれぼ分かる？ @contractio: 「意図はない」については敷衍してるのに、「戦略的に」のほうについては敷衍してないなぁ@lethal_notion

縮限 @contractio

@lethal_notion 「意図」と「目的」は違う言葉なのだ、というところまではわかりました。

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

@contractio 意図には意図する主体がある。権力にはそれがない、とフーコーは言ってるんです。ただ、俺はフーコーの権力論には必ずしも同意はしない。とはいえ、一定の範囲では役に立つと思い、今朝、紹介しました。同意しない点については次のドゥルーズ論連載にちょうど書きます。

縮限 @contractio

@lethal_notion なるほど。そういうことでしたらよくわかります。解説ありがとうございました。 ＜意図には意図する主体がある。権力にはそれがない

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

『表象』という雑誌の四号だったかに、僕が「欲望と権力」という文書を載せていて、あれを読むとフーコー権力論もその問題点もどちらも分かります。@contractio

縮限 @contractio

ご紹介ありがとうございます。探してみますね。 RT @lethal_notion: 『表象』という雑誌の四号だったかに、僕が「欲望と権力」という文書を載せていて、あれを読むとフーコー権力論もその問題点もどちらも分かります。

縮限 @contractio

[philosophy][Foucault] これか。國分功一郎（2010）「欲望と権力──ドゥルーズの「逆説的保守主義」を巡って」 / “『表象』04｜学会誌『表象』｜Publications｜表象文化論学会” http://t.co/1zEur3db

KoichiroKOKUBUN國分功一郎 @lethal_notion

でも、もっとまとめたものを『思想』の連載の最終回に載せます @yuka_aizawa_: しぇあ！@lethal_notion 『表象』という雑誌の四号…に僕が「欲望と権力」という文書を載せていて、あれを読むとフーコー権力論もその問題点もどちらも分かります。@contractio

縮限 @contractio

[philosophy][Foucault] 学会誌だけどアマゾンで売ってた。でも売り切れてた。／國分功一郎（2010）「欲望と権力──ドゥルーズの「逆説的保守主義」を巡って」 / “Amazon： 表象 04　特集 パフォーマンスの…” http://t.co/g2a4EpR7

縮限 @contractio

「意図には、それを意図する主体がある」。 「権力には、意図を持ちうる主体がない（ので意図もない）」。 ところで「権力には、戦略は（～目的は）ある」。 ここまでわかりました。

縮限 @contractio

あとは「権力は目的を持つ」という文の意味がわかれば、それで一応論点１セットでしょうかね。 RT「意図には、それを意図する主体がある」。 「権力には、意図を持ちうる主体がない（ので意図もない）」。 ところで「権力には、戦略は（～目的は）ある」。 ここまでわかりました。

縮限 @contractio

國分功一郎（2010）「欲望と権力──ドゥルーズの「逆説的保守主義」を巡って」 / 表象 04 http://t.co/g2a4EpR7 チラ見。 論文ではなくて報告書なのだな。

縮限 @contractio

著者はドゥルーズについて 「逆説的保守主義」という評価を（引用・）使用しているのだが、どこに「逆説」があるのだろう。 （単に「ドゥルーズの保守主義」と評するのではいかんのでしょうか。）

縮限 @contractio

〈言説的編成／非言説的環境〉区別キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

縮限 @contractio

著者による『監獄の誕生』要約に従うなら、〈言説的編成／非言説的環境〉という区別は、〈学者たちが述べたこと／その他〉ということになりそうだ。 これは──術語というよりは──常識的な区別に 改めて名前を充てたものであるように思われる。

縮限 @contractio

「学者」で不十分なら、「偉いひと」でもよい。

縮限 @contractio

「権力と知は協働する」というテーゼは、「権力は知ではない」を含意しているように思われるのだが、なぜ反対の主張（権力は、権力と知に二元論化されている）が行われているのだろうか。 ・・・はっ！ さては流出論？