MOT美術館講座「“共感覚”の魅力~なぜ芸術家、教育者、心理学者は惹きつけられてきたのか-二つの世紀転換期におけるいくつかの事例を中心に-」

【東京都現代美術館】 「アートと音楽-新たな共感覚をもとめて」 関連講演会(第46回MOT美術館講座) 「“共感覚”の魅力~なぜ芸術家、教育者、心理学者は惹きつけられてきたのか-二つの世紀転換期におけるいくつかの事例を中心に-」 2012年12月15日(土)15:00~ 続きを読む
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高橋 裕人 @seibishou

ヴェルナーは共感覚に関して、単に聞くという事態でなく一体化する聞き方である感受を指し、諸感覚の共同母体という表現をしました。

2012-12-16 12:22:21
高橋 裕人 @seibishou

同じくハンブルク大学にいたカッシーラーは、それを「シンボルの受胎」と言っています。シンボルとは、何かを暗示している物質体とのこと。

2012-12-16 12:25:35
高橋 裕人 @seibishou

「シンボルの受胎」において音の強度の影響は大きく、タキストスコープを使った共感覚実験では、色の明るさの感じ方に違いが出ました。

2012-12-16 12:27:38
高橋 裕人 @seibishou

タキストスコープで瞬間的に色彩をスクリーンに投影、例えば低温を聞いた時は暗い赤、高音の時は黄っぽい赤だったといいます。

2012-12-16 12:32:16
高橋 裕人 @seibishou

ヴェルナーは色彩体験を純粋な感受としてとらえ「断片化」という言葉を使います。それは入力刺激が断片化されるほど明瞭化されてきます。ゆえにクレーも技法として断片化を行ったのでは。

2012-12-16 12:38:39
高橋 裕人 @seibishou

次に事例紹介された土地はベルンです。

2012-12-16 12:40:53
高橋 裕人 @seibishou

パウル・クレーセンターにはクレアヴィーヴァ、簡単に言ってしまうと子どもミュージアムがあります。

2012-12-16 12:45:39
高橋 裕人 @seibishou

子どもの絵を芸術活動のひとつとしてとらえ、アートすなわち探求する「技」を考える機関です。

2012-12-16 12:47:46
高橋 裕人 @seibishou

From Impression To Expression、つまり感受から表現へ。世界を感じる私に「積極的受動態」のモードで向き合うことを是とします。

2012-12-16 12:51:02
高橋 裕人 @seibishou

芸術家は新たな制作活動として、心理学者は知覚の基礎研究として、教育者は創造性の育成として、共感覚に関心を持ってきました。

2012-12-16 13:24:43
高橋 裕人 @seibishou

しかしこれまで見てきたように、それらは単なる現象への関心にとどまりません。

2012-12-16 13:26:19
高橋 裕人 @seibishou

時代の転換期において、新しく世界を切り取ってくる方法をどのように体験したらよいのか、子どもならたやすくできる新しいシンボルの発見を探っているということでしょう。

2012-12-16 13:28:22
高橋 裕人 @seibishou

そこにおいて共感覚は、あいだの世界(ポテンシャルの世界)でなされる「事物との未知の遊び」(クレー)において生成してくる「創造的知覚」(ヴェルナー)であり「シンボルの受胎」(カッシーラー)の経験なのです。

2012-12-16 13:31:23
高橋 裕人 @seibishou

大人には既成のシンボル体系への作為的暴力(=異化)が必要となる中、偶然性の受容とともに、人間のシンボル活動としての共感覚が重要な視点となります。

2012-12-16 13:39:18