マケドニア式ファランクスに関する諸々

以前、呟いたマケドニア式ファランクスについて、諸々を纏め中という名のほぼ放置です
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私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

はい、とりあえず、マケドニア式ファランクスが鈍重で正面攻撃力だけが高く、主に前進しかできなくて、柔軟性が無いのは正しいですよ。でも、それって戦車(タンク)を何も援護も無しに一両だけ突出させてやられたのを「戦車って弱いよね」と言うのと同じでして。

2012-07-15 21:02:05
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

うーん、マケドニア軍の強さってマケドニア式ファランクスだけではないわけで。その根幹を成すモノではありましたが。マケドニア式ファランクスがその弱点を無視でき、強さを発揮できるように他の重装歩兵、軽装歩兵、砲兵、重騎兵、軽騎兵の諸兵科連合がかっちりと機能していたから強かったわけで。

2012-07-15 21:07:45
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

マケドニア式ファランクスがローマ軍団に敗れたのは地形的な要素など様々な理由がありますがその一つにマケドニア式ファランクスを援護すべき騎兵や軽装歩兵らが不足しており、マケドニア式ファランクスが側面や突出部から切り込まれ、崩壊したのがあります。

2012-07-15 21:15:46
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

またローマがマケドニアを手に入れた後ではマケドニア式ファランクスはローマによって対処法を編み出されており、以後マケドニア式ファランクスを擁するヘレニズム国家相手の戦争では大抵ローマは勝利を収めている。

2012-07-15 21:18:16
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

例えば対ポントス戦、ミトリダテス戦争ではローマ軍団はポントス側のマケドニア式ファランクスとは極力、白兵戦を避け、軽装歩兵と砲兵、弓兵の射撃と主力重装歩兵のピルム投擲で徹底的に弱め、ファランクス側面を援護する軽装歩兵や騎兵も攻撃して、最後にファランクスをゆっくり料理している。

2012-07-15 21:21:06
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

セレウコス朝シリア相手の戦争では投射兵器が不足していたがセオリー通り、ピルム投擲で弱め、隊列を崩してから白兵戦を挑んでおり、戦線が持ちこたえている間に(紆余曲折あって)側面の騎兵戦で勝利を修め、これもマケドニア式ファランクスの側面から切り込み、勝利をおさめた。

2012-07-15 21:24:59
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

対マケドニア式ファランクス戦で大抵、共通しているのはマケドニア式ファランクスの孤立化(他兵種の援護無効化)や投射兵器による隊列の乱れや弱体化である。また、ヘレニズム諸国側の衰退によるファランクス兵やそれを援護する諸兵科(特に騎兵)の質の低下と諸兵科間の連携が拙さが挙げられる。

2012-07-15 21:29:36
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

ある程度、兵の質やファランクス援護の諸兵科が充実していたエペイロスのピュロス王の頃のマケドニア式軍団相手にはローマ軍団は真っ向から挑んだ場合は大抵、敗北ないし後退させられている。

2012-07-15 21:33:46
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

マケドニア式ファランクスが廃れた要因はそれの強さを発揮するのに必要とする諸兵科の数と質が面倒だったからではないかなぁ。事実、とりらえずファランクス兵だけ揃えた国家は(同じマケドニア式軍団相手でも諸兵科を揃えた相手に)大抵敗北しているわけで。んでローマに敗北して歴史的にも否定された

2012-07-15 21:39:03
六 汁 @rokusiru

@centurio_P 戦術の寿命と、それを支える態勢の寿命が同時に来ていた訳ですね  戦術(及びそれを運用する組織)を更新する国力が無くなると戦術も寿命を迎えますから、これらは同時に来るのが普通なのかもしれませんが

2012-07-15 22:19:36
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

@rokusiru そういうことになりますね。どの戦術も一長一短でその長所を極力生かせる環境が整っているうちは強いわけでマケドニア式ファランクスは長所を活かしていける環境が衰退している中、的確に短所を突いてくる敵に遭遇した感じですか。

2012-07-15 22:37:09
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

ヘレニズム諸国の衰退からファランクスと諸兵科の質と数を揃えるのも難しくなってきたっていうのもあるね。そもそも何処の国もギリシャ人兵士の数が足りなくて現地民族から兵士を募ってたし、エジプトはそれで現地民族の反乱が多発して、軍だけでなく国家的にも衰退したし。シリアは慢性的な財政難。

2012-07-15 21:41:20
B2B @umahh

@centurio_P それこそエジプトやインド・グリーク朝とかでは、現地民にマケドニア式ファランクスを導入させてたみたいですけど、効果はあったんでしょうかねぇ。

2012-07-15 21:46:34
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

@umahh エジプトでは被支配層の現地民族(エジプト人農民)にマケドニア式軍制に基づく訓練を受けさせ、主力として用いた結果、何度目かのシリア戦争におけるラフィアの戦いでシリア相手に大勝利したのですがその結果エジプト人達が自信を持ち、反乱が多発したので結果的に衰退が始まってますね

2012-07-15 22:19:37
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

@umahh グレコ・バクトリアはわかっていないことが多くてはっきりとは言えないのですが……そこそこ効果はあったようです。遊牧民らを積極的に雇って騎兵戦力を充実させてもいますし。

2012-07-15 22:20:51
B2B @umahh

@centurio_P アレクサンドロスの率いた遠征軍の第一世代が退いた後、どうやって軍隊を編成してたか気になってるんですが、本土から離れば離れるほど、苦労したんでしょうなぁ・・・

2012-07-15 22:27:51
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

@umahh ギリシャ人らの支配権が確立していた最初の数世代までは上手くいっていたのですがやはり、溶け込んできてギリシャ人ら支配層が埋没してくると、ですね。案外、ギリシャ人比率が少なく、多民族混成が進んでいたグレコ・バクトリア辺りは上手くいっていたみたいです。

2012-07-15 22:42:58
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

あと戦闘と言うレベルでマケドニア式ファランクスとローマ軍団の戦いを見比べてみるとマケドニア式ファランクスは構造上の欠陥が指摘されている。ぎっちり固まって堅固に隊列が整っているとき、大隊(シンタグマ)間でも隙が無い時はマケドニア式ファランクスは正面攻撃力を保ち、切り込める隙が無い

2012-07-15 21:49:00
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

しかし、ピルムを初めとする投槍や合成弓などの投射兵器で執拗に攻撃されたり、地形的要素として起伏のある地形や森林地帯を移動した結果、隊列が乱れたり、大隊(シンタグマ)間にズレや亀裂が生じてくるとそこから切り込まれ、極近接戦になるとまずいことになる。

2012-07-15 21:53:34
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

ローマ軍団の特徴は自立性の高い小部隊ごとの柔軟な機動力である。マケドニア式ファランクスの先述した隊列の亀裂や大隊間のズレからローマ兵達は十人隊、百人隊、中隊単位で切り込み、得意とするグラディウスで次々とサリッサとぎっちりした隊列で身動きの取れないファランクス兵を切り殺していった

2012-07-15 22:00:22
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

マケドニア式ファランクスは長槍(サリッサ)をぎっちり隊列の間に通しているから(特に前列は)極近接戦に意外と弱いのよね……しっかり陣と隊列を整えていなければならない。兵の質が高ければ対応もできたけど。

2012-07-15 22:08:42
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

もちろん正面はその何重にも通したサリッサで接近を防いでいるわけだが。

2012-07-15 22:10:22
Karura MG @KaruraMG

@centurio_P 金床としては超優秀なんですねえ。騎兵のようなハンマー役や相手を崩す散兵が必要ですが。何方も育成がとっても大変ですが。

2012-07-15 22:18:27
私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

要はサリッサは対陣形兵器なわけですよ。

2012-07-15 22:47:40

追加分です。マケドニア式ファランクスについてよく「弓などで集中射すればいいんでない?」と言及される点について。一面的にはそれは正しいのですが、無論、相応の対策もマケドニア式軍団では取られております。その一例。