「葬室からの励と責～イット・カムズ・レイド」 #2

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→→→→→→→　13:00再開 →→→→

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エバ・ラスティング・アロー　ミストルティン編　予告 http://t.co/uDmD0JpB #evlst

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ミストルティン編　第三話　葬室からの励と責～イット・カムズ・レイド～ #1 http://t.co/jtsUBT7J　#evlst

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勇矢にとっては全く良く分からないが、どうやら既に何らかの確執が出来ているらしいということは流石に理解できた。「まあ、そんな気にしないでよ…む…むら……さき…？」「！」「紫…紫堂…？紺？…あー！！…気にするな！ツインテールの人！！」うろ覚えにしても余りに失礼極まりなかった。 74

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「……ごめん、確かに気を使わなくていいかも」「でしょう？」呆れと疲れの混ざった表情で湊が言う。「だが…糸…何とか？」「この伊都谷に何か？」「君は見？……部長チームが勝つと確信している訳だ」「勿論です。私の…王子様ですから」まさかの王子発言に部員達がざわめく！ 75

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「王子様！？」「王子様…」「王子だと！」「恋人とか彼氏ではないのか！？」「乙女！」「僕王族なんだ……」「…だから俺が動かすんだと言うのに」だが湊は動じていない。彼女の本心だ！！むしろ智明へのダメージが大きい。赤くなりうずくまっている！中一男子には無理もない！ 76

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「で、だ。彼が絶対勝つと思っている訳だ」「ええ？」「ならば賭けをしても問題ないよね」「賭け」「僕が勝ったら…」「万一勝てたら」「いや何言ってんの！勝ち負けでやるんじゃないんだから！」智明が止める。「君の…ふとももを撫でさせて頂く」「……」害虫を見るような湊の目！ご褒美！ 77

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「ふとももだと！？」「うわっ…」「ひっ…キモい…」「…」「胸じゃないんだ…」「いや、直人、そもそも伊都谷に胸は無…頭頂部グワーッ！？」非礼発言をした起矢の頭上に金ダライが落下！天井に開いた穴からのようだ。湊の胸は平坦であった。そして彼を向いたその目は冷淡であった。 78

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「…良いでしょう」「湊！？」湊のまさかの許諾に智明が驚愕する。「その代り貴方が負けたら…智明さん？どうしましょう？」可愛らしい声と首をちょこんと傾ける仕草で彼に問いかける。「殺す…もとい…死んでもらう」「え」「僕に負けたら…死んでもらう」「え」「死んでもらう」「え」 79

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「いやあの」流石に戸惑って見える勇矢。「どうせ死ぬんだろ？」「！？」「いやまだ死ぬと決まったわけじゃ」昨日の発言の件を持ち出され更に戸惑う。「ならば今この場で引導を渡す…そうそこの窓から飛び降りて死んでもらう」智明は勇矢を見据えたまま、指だけで窓を指す。 80

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「待て待て待て。死ぬのは良いとして」「ユウ！？」勇矢と同校にして、幼馴染でもある七橋裕岐の驚愕は無視される。「飛び降りて死ねって…ここ１階ですよ」「頑張れ」「頑張れって…ミ…サ…み？…黒井…」「観崎智明だ。頑張って死ね」先の湊以上に冷淡な目と声。 81

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「そんな日本事件史史上に残りそうなマヌケな死に様に全力を尽くせと！？」「湊の、あの、犯罪的に、エロい、ふとももに、接触する、チャンスを得られたんだ。その程度、安いリスクだろ？」智明が問いかける。生きている理由を問いかけてくる光の様に。言われた勇矢は暫し考える素振りを見せた。 82

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「………………安いな。実際安い。あ！…安い～♪安い～実際安い～♪……安過ぎて逆に申し訳ないな…」まさかの納得。「そうだ…だからもし触れても…その後で死ね」「おつけい！」快諾！だがそれはつまり勝敗に寄らず死ねと言うことだ。「ただし１分は触りまわすぞ」「長い！１秒！」 83

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「短すぎるわ！５０秒！」「２秒！」「４０秒！」「３秒！」「み…部長お前、１０秒単位とは言わんがせめて５秒単位づつ譲歩しろやぁっ！」「よ…まだ長い！」「３５秒！」「長いっ！」「せめて１秒ずつだろ！？」「長い長い！」「この茶番が長いわ！」スパパァン！！二人の脳天に紙ハリセン! 84

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叩きつけたのは、島田延生だった。「…いつまで待たせる気だ」「「すみませんでした」」痛くは無かったが、正論極まりなかったので二人は素直に頭を下げた。「持っていて正解だったな。俺達大阪人必携のアイテム、ハリセン」「違う。延生は京都」氷堂蘭花が訂正した。 85

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「…だが４０秒ほど触るからな」「５秒延ばした！このクズが！」言われた側から茶番を再開させる二人。パンパン！手を打ち鳴らしつつ湊が制しに入る。「智明さん。…操縦ブースへ」「…はい」気圧され、素直に歩いていく。「浅空さん」「はい」「両脚触って良いですよ」「え、マジで！？」天使！ 86

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「その代わり１５秒で」「……」熟考する勇矢。「負けても５秒だけなら良いですよ」「……乗った！」「じゃ、操縦席へ」「はい」勇矢も大人しく従う。既に16：30。これでいい加減に始まるかと思われたが、ここで部員達をかき分けて勇矢に寄ってきた者がいた。七橋裕岐だ。 87

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「おい！ユウ！」「七橋さん…何です？」「死ぬって何だよ！？」「…え？」湊は勿論、部員達も呆然となる。何を言っているのだ？彼を除けばこの中の誰一人として、「死ね」発言を本気になどしていない。智明達の殺意は本物だが…その彼らにしても本気で勇矢を死に追いやろうとは思っていない。 88

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それなのに彼は何故本気にしているのか？いや本気の者がもう一人だけいた。「死ぬってのは…生命活動を停止するってことだよ七橋」「おい、今からでも嘘だって言ってくれよ？」「浅空勇矢は滅多に嘘をつかぬ…つけぬ」何故か非人間的な発音で否定する勇矢。「そこを何とか！」 89

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「では滅多に嘘をつけ」何故か起矢が言う。「そうだユウ！」「え…ネタに乗っただけなのにまさか拾うとは…」ネタをネタで受けただけのつもりだった起矢が驚愕する。「ネタじゃ無い！ふざけるなよ！」裕岐が怒る。「す…すいません…」「あの…七橋君は何を言ってるの？」早紀が問う。 90

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「だからユウは嘘をつかないんだって！」「いやごく稀にはつくよ」「じゃあ今嘘だって言ってくれよ！」「まあ落ち着け。ビールでも飲んでリラックスしな。娘の面倒はしっかり見ててくれよ」あくまでも軽いノリの勇矢。 91

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「そうそう、だからすっこんでてくれ…カッコいいとこ、見せましょう？」「ユウ！」「ああも～誰かそっち連れてってくれ」あくまでも食い下がる裕岐を業を煮やした興基と延生が両腕を掴んで引き摺って行く。「放してくれ！」その姿は『捕まった宇宙人』のようだった。時刻は16：35。 93

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既に開始予定より１５分遅れていた。予定では５０分に試合を終えて１０分間の休憩と片付け。その後１８時までミーティングのつもりだった。「こんなに遅れたら仕方ありませんね…」時計を見ながら溜息をつく湊。会議を５分縮めて今から２０分間、５５分までの試合にしますが…宜しいですか？」 94

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「異議なし」と勇矢。「仕方ないね。そうしよう」と智明。隆光も無言で頷く。彼のパイロットスーツは着ているだけでもそれなりに疲れるのだ。勇矢も帰りを急ぐ。両者とも湊の提案に賛同した。部員達からも意義は出なかった。どちらが勝つにしろ、長引かないと思っていた。 95