そこでは、箔を持たせるために独特な理論ができたり、当事者が勉強をしたり、自らの偏った認識や経験の中から独自の理論を作ったり、またいろんな医師が治療に携わり様々な治療法を模索する中で独自の理論が出来たりして、"ニセ科学"が作られます。
2013-01-12 05:26:48他の人に広めるというときには、これは良く効きます。"独自の理論"をきいた当事者は、"○○だから効くだろう"と、期待を持つことができるんですよね。つまり、効かないことを否定できないし、効くならつかってみたい。効いたら他の人にも知ってもらいたい。そういうものです。
2013-01-12 05:29:14結果、一部で、"これが特に効くから。それは効かないし逆効果だよ"と、"飽くまで数少ないケースに基づいた話"なのに、それが良いかのような神話が産まれます。こうしてやや急進的になっていき、ニセ科学が広がって行きます。
2013-01-12 05:30:56他に、例えばホメオパシーだと、多くの場合、"従来の医療が信用できないから、ホメオパシーに頼る"とか"従来の医療には不充分な点も多いから、ホメオパシーを試す"ということになります。
2013-01-12 05:33:41おそらくは、従来の医療では充分治療できなかったり、至らない点があったりしたことをみて、(昔からある代替医療だった)ホメオパシー関係者がなんとかできないか、と考えたのが、急進化するきっかけだったのでしょう。
2013-01-12 05:35:20原発事故関連でいろいろあったのは、"政府や、不満不安をうまく受け止めてくれない医師や周りの人たち"、"今までにない事態に対する恐怖"、それに対して"○○が効くかも"といういい加減なことを吹き込んだ人、たぶんどこかで"独自の理論"ができてきて、なんとなく信用されてしまうのですね
2013-01-12 05:37:41注目してほしいのは、不安不満に思う方々の、その不安・不満になんらかの形で答えていて、不安不満に思う方々の受け皿になっている事実です。
2013-01-12 05:38:54様々な猜疑心の中で、これに頼ってみよう、となっているので、幾ら"科学や医療といった権威が説得しても、誰も信じません"。
2013-01-12 05:39:42当事者団体ができると、不満・不安について相談できるし、そういう辛い経験を共有できます。拠り所になるんですよね。またカリスマな人たちが"それは辛かったですね"などというと、それもなんだか安心してしまったりするものです。更に"それは○○だからなんです。こうするといいよ"といえば完璧。
2013-01-12 05:42:14このカリスマのある方が、権威的な、つまり充分な知識経験のある専門医師であって、およそ正しいだろう理論や治療を伝えたならば、問題ないのですが、そうじゃないから、問題があります。
2013-01-12 05:43:16このようにみてみると、ニセ科学が産まれ広がるのは、"いい加減なことを言う人がいるから"とか"間違った知識があるから"といった単純な話ではなく、大変に複雑な、そしていかにも人間らしい事情によるものなのです
2013-01-12 05:44:59なので、そのようにニセ科学を単純に批判するのは、それ自体がニセ科学とにた素地をもってるんですよね。科学的でないのですよ。陰謀論に似たところがあるんですよ。
2013-01-12 05:46:05ただ一つ、ニセ科学に対して有効なのは、"権威による不断の努力"しかありません。不安・不満の原因にひたすら誠実に応えようとするだけ。そこには、様々に当事者に寄り添う態度も必要です。ほんと地味で大変なことだと思います。
2013-01-12 05:48:00けれどそれでもどうしてもニセ科学は産まれるし、根絶できるものではないですね。啓蒙でどうにかなるものでは絶対にありません。それが有効なのは、権威によるものが信用できるかも、と思い始めた人に対してのみです。
2013-01-12 05:49:0301/13追加
ここで疑似科学との関連で話が少しあるけど…→ 科学・科学者とは? 科学者に期待される役割は? (2013-01-12) http://t.co/qxEPnOJI
2013-01-13 01:45:57ところが、科学的であるということは、実はすごく難しい。たぶん訓練が必要なレベルだと思う。なので、端的に言って初等教育で知的エリートを全員育てようとするレベルでやらないと難しいのでは、と思う。
2013-01-13 01:47:08ただ、学問を魅力あるものかっこいいものに見せること、というのは正しいし、その意味でサイエンスライターさんの活躍の場はもっと増えていいし、ニュートンや日経サイエンスがもっと売れていい。
2013-01-13 01:50:18