イスラーム地域研究、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の@masanorinaito 氏による「アルジェリア人質事件」の背景と本質、日本の偏向報道について(18日~22日までのツイートより)

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masanorinaito @masanorinaito

前にも書いたが、ネルソン・マンデラはテロリスト扱いされなかったか?ヤセル・アラファトはテロリスト扱いされなかったか?毛沢東(ただし抗日運動当時の)もテロリスト扱いされなかったか? むろん、彼らの当時「テロリスト」という表現は使わなかったが、扱いとしては同じようなものだったはず

2013-01-21 13:13:36
masanorinaito @masanorinaito

なにが公正であり、なにが不公正であるかは、ごくふつうの市民の感覚でさえ、十分にわかる。それを越えた専門家でないと理解できない公正と不公正など、それは議論に値しない。

2013-01-21 13:15:08
masanorinaito @masanorinaito

犠牲者が確認されたとの報に、沙漠のなかで無念の最期を迎えた人々に哀悼の意を表したい。

2013-01-22 01:11:42
masanorinaito @masanorinaito

アルジェリアの事件について、腑に落ちないことがある。アルジェリア政府は、直近の発表で、武装勢力がマリから侵入したという見解を示したが、当初はリビアからとみられていたし、犯行グループのアラビア語のなまりについては多様だという話が伝えられていた。

2013-01-22 01:15:09
masanorinaito @masanorinaito

もちろん、マリから侵入したという説を否定する根拠はないが、私が胡散臭く感じるのは、事件が終結にむかうにつれ、フランスに都合の良い方向に話が収斂している点である。

2013-01-22 01:16:04
masanorinaito @masanorinaito

フランス政府は、アルジェリア軍の強行突入を知っていたかどうか明言しなかった。イギリス政府はキャメロン首相が事前通告がなかったことに不快感を示していたから、知らされていなかった可能性はある。

2013-01-22 01:17:12
masanorinaito @masanorinaito

隣国マリでの軍事侵攻をしているフランスは、作戦用航空機の領空通過の許可をアルジェリア政府から得ていた。一連の、つまりフランスのマリ侵攻とアルジェリアの事件は、むろん無関係であるはずがないから、フランス政府がアルジェリア政府と人質事件について情報共有をしていないことなど想定できない

2013-01-22 01:19:06
masanorinaito @masanorinaito

最期の段階に来て、アルジェリア政府が犯行グループがマリから侵入したと発表したことによって、フランスのマリ侵攻は、一段と正当化されたことになる。

2013-01-22 01:20:25
masanorinaito @masanorinaito

その前の段階でも、イギリス政府、米政府ともに、アルジェリア政府の強硬策を支持に回った。支持に変わったと言ってもいい。なぜなら、この事件が「テロリスト=アルカイダとの戦い」とされたからである。凶暴そうなベルモフタルの顔が何度も何度もメディアに登場するうちに、欧米の態度は決まった

2013-01-22 01:22:00
masanorinaito @masanorinaito

だが、彼と今回の事件とが結びついているかどうかも定かではない。これは、ビン・ラディンと9/11実行犯が直接結びつくかどうかが判明しないうちに、アメリカと同盟国が、いきなりアフガニスタンに侵攻し、当時のタリバン政権を力づくで崩壊させたプロセスとよく似ている。

2013-01-22 01:23:17
masanorinaito @masanorinaito

ターゲットにロックオンしてしまえば、あとは自動的に「テロとの戦い」として正当化され、そこで何が行われようと、一切の検証は不可能になってしまうのである。

2013-01-22 01:23:58
masanorinaito @masanorinaito

解放されたアルジェリア人の人質が、犯行グループが日本人をはじめ外国人人質を殺害したと語っていたが、あの国で、政府に不都合な発言などテレビの前でする人はいない。もし、すれば消されてしまうはずである。

2013-01-22 01:24:58
masanorinaito @masanorinaito

この数日間で、国際間で巨大な情報操作が行われているようにも思える。フランスによるマリ侵攻を正当化するために、次々に、必要な証拠が挙がってくる。マリの隣国アルジェリアでの人質事件は、結果として、マリ侵攻のみならず北アフリカ、西アフリカ地域での欧米の介入を呼び寄せている。

2013-01-22 01:26:55
masanorinaito @masanorinaito

これは根拠があって言うのではないけれど、フランス軍と政府は、アルジェリアで事件が起きることを、予測していなかったのだろうか?そんなことがあるだろうか?

2013-01-22 01:28:00
masanorinaito @masanorinaito

山岳が入り組んでいるアフガニスタンと違って、砂漠地帯での集団の移動は(ただし晴れていればだが)、衛星からいくらでも捕捉できる。犯行グループが40人もいたのならば、治安上重要なイナメナスに向かう途中で捕捉されないとは考えにくい。

2013-01-22 01:30:15
masanorinaito @masanorinaito

少なくとも、フランスの諜報機関が、把握できないほど無能だとも思えない。そうだとすれば、フランスは、アルジェリアで何らかの襲撃が起きうることぐらいは、当然、情報としてつかんでいたはずである。

2013-01-22 01:31:20
masanorinaito @masanorinaito

単なる想像だが、それを見越してマリ侵攻を急いだのではないのか?

2013-01-22 01:31:45
masanorinaito @masanorinaito

もし、武装集団が思惑通りに人質を分散させて確保してしまうと、事件は長期化するにつれて、各国とも自国民の人命尊重と慎重な行動を求める。それがアルジェリア政府にとって不都合なのはもちろんのことだが、同様に、マリ侵攻を準備していたフランス政府にとっても不都合だったはずである。

2013-01-22 01:33:36
masanorinaito @masanorinaito

陰謀論には一切興味がないが、国際世論が、徐々にアルジェリア政府の強硬策を支持する方向に傾斜し、さらにはフランス政府のマリへの軍事介入を支持する方向に傾斜していることに危惧の念を抱く。

2013-01-22 01:35:05
masanorinaito @masanorinaito

日本企業のなかで、イギリス、フランス、アメリカの企業との合弁事業に参加しているところはリスクが高まったと言えるだろう。ただし、日本企業がイスラーム主義勢力に狙われる直接的な理由はない。

2013-01-22 01:36:30
masanorinaito @masanorinaito

犠牲者のなかにマレーシアの人も含まれているようだ。彼らがマレー系のムスリムであったか、異なる民族であったかはわからないが、武装勢力は、単にアラビア語を話したアルジェリア人以外の人たちを人質にとる、もしくは危害を加える対象としたように思える。

2013-01-22 01:39:33
masanorinaito @masanorinaito

そうだとすると、武装集団は、イスラーム主義者としては酷く質が悪い集団であったか、アルジェリア政府の権益を損なうために、金目当てで犯行に及んだ野盗の類である可能性も否定できない。

2013-01-22 01:41:09
masanorinaito @masanorinaito

かつて留学中に自分が射殺されそうになったときに、つくづく思い知ったのだが、実際に銃口を向けてくる兵士というのは、「話せばわかる」というような人物ではない。向こうも、何が何だかわからないが、眼の前の外国人はスパイかもしれない。

2013-01-22 01:47:17
masanorinaito @masanorinaito

それなら射殺しなければならない、だが撃ってもいいのだろうか、というような窮迫的な逡巡を顔に浮かべる。だが、こちらが少しでも身動きすると、引き金にかけた指に力が入るのがわかる。万策尽きたと思った時に、上官がやってきて、兵士は銃口を下げた。上官が来なければ、いま生きていない。

2013-01-22 01:49:37
masanorinaito @masanorinaito

繰り返しになるが、フランスのマリ侵攻はきわめて危険な侵略行為である。過激なイスラーム主義者が跳梁跋扈する事態を解決するなどと本気で信じているのなら、失敗に終わることは間違いない。

2013-01-22 02:01:59
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