茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【白洲信哉に骨董につれていかれて、知恵熱が出た】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第８４３回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、感想系、むむむ系ツイート。

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しち（１）白洲信哉（@ssbasara）が、このほど、骨董、古美術の専門誌『目の眼』の編集長になるという。それはめでたいのだが、骨董の「こ」の字も知らない私に、連載をしろという。代表的な骨董屋さんに行って、ルポを書けという。困ったな、と思ったけど、他ならぬ信哉のことなので受けた。

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しち（２）最初のお店は、壺中居（http://t.co/jxlII6E9）。この店で、小林秀雄さんが、青山二郎さんと骨董を見ている有名な写真がある。http://t.co/29mjr2u1　約束の時間に歩いていると、後ろから、信哉が、「よろしくねっ！」と来た。

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しち（３）壺中居で何を見たのか、詳細は、『目の眼』で始まる連載で読んでいただくことにして、（http://t.co/Rv3nNNG9）←白洲編集長、オンラインの講読申し込み、もっとやりやすいようにしてね　一生懸命見ているうちに、本当に、へたばってきた。

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しち（４）聞くところによると、小林秀雄さんも、青山二郎さんに連れられて骨董を見ていて、最初はつまらなそうにしていたのが、ある時突然狐がついたそうだ。信哉に「どれくらいかかったのか」と聞いたら、「１０年くらいかな」と言う。私は、地平線に狐も見えない状態。

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しち（５）それなのに、一生懸命見せられる。「おお！」とか、「これは！」とか、信哉を始め、「目の眼」の骨董オタクたちが嘆息するが、何がなんなのか、出てくるテクニカルタームを含め、右も左もわからない。ついに、私は、「こりゃ、素粒子物理学よりも難しいわい」とつぶやいた。

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しち（６）取材は、一回で二月分やるのだという。次に、てくてく歩いて、繭山龍泉堂（http://t.co/gRDnqETb）を訪問。ここも凄かった。特にびっくりしたのが、青銅器。間近でしみじみ見た。紀元前２世紀だそうだ。値段を聞いて、またびっくり！

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しち（７）新編集長、白洲信哉のおかげで、いろいろ勉強になったのだが、何しろ集中してずっと見ていたので、息も絶え絶えになった。信哉が見つけたというお店で打ち上げしたが、どうも寒い。熱も出て来た。風邪を引いたのかもしれない。あわてて、一枚重ね着したが、もう遅い。

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しち（８）「どうも寒い」「熱が出てきた」「これはひょっとすると、骨董をたくさん見たから、知恵熱かもしれぬ」といいながらお酒を呑んでいると、突然、「そうだ、ダイオウイカだ！」と思った。それで、意味もなく、「ダイオウイカシュウマイ！」とつぶやいたら、だいぶ気持ちがすっきりした。

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しち（９）それからは、ダイオウイカ祭り。「ダイオウイカソウメン！」、「ダイオウイカの、踊り食い！」、「ダイオウイカの、姿造り！」などとつぶやいていたら、ようやく骨董でバランスを崩した心身が戻ってきた。目の前で、信哉が、「バカだなあ」と笑っている。新編集長、日本の骨董界に新風を！

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以上、連続ツイート第８４３回「白洲信哉に骨董につれていかれて、知恵熱が出た」でした。