保坂健二朗さんと鈴木俊晴さんによる、フランシス・ベーコン展をめぐるツイート

2013年に開催されるフランシス・ベーコン展をご担当される、保坂健二朗さん(東京国立近代美術館主任研究員)のツイートを中心にまとめています。 また、豊田市美術館で開催される愛知展では、鈴木俊晴さん( @harerus 豊田市美術館学芸員)のツイートも追加していきます。 日程、場所(東京国立近代美術館・豊田市美術館)、内容など詳細については公式サイトをご覧下さい。 フランシス・ベーコン展 公式サイト 続きを読む
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ベーコンとダンス

kenjiro hosaka @kenjirohosaka

3月からのフランシス・ベーコン展は身体をテーマにしているので、ダンスも視野に入る。で、出品されるわけでじゃないけどこんな作品も世の中にはある。英国の振付家ウェイン・マクレガーにパリ・オペラ座が委嘱した作品。美術は建築家のジョン・ポーソン。 http://t.co/URABKEmd

2012-12-26 22:56:21

『肉への慈悲』をめぐる問題

kenjiro hosaka @kenjirohosaka

ベーコン展の情報が広まりつつあって嬉しい。『肉への慈悲』の復刊希望のツイートもあるようだが、あの本は、原著も日本語訳もいろいろ問題があるのでややこしい。原著の問題は、ベーコンの本質にかかわる。最初のインタビューは1962年で刊行は1975年。ベーコンが生まれたのは1909年。

2013-01-04 07:27:58
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

(承前)つまりそこに収められているのは、ベーコンが53歳から65歳までの言葉。すでにテート、グランパレ、メットで個展をやったアーティストの。当然、「編集」が(あるいは「戦略」)が相当入っている。その言葉をそのまま信じ込むのはとっても危険(といってもとても魅力的な言葉なんだが)。

2013-01-04 07:30:35
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

(承前)しかし、とりわけ「影響」関係については、言及されていない(「抹殺」された)アーティストが多い。そのうちのひとりが、イギリスのリアリズムを代表するウォルター・シッカートWalter Sickert。この人の絵は相当面白い。いつか日本で展覧会をやってみたいが、無理だろうなあ。

2013-01-04 07:32:21
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

(承前)『肉への慈悲』の日本語版の問題点は、その訳語にある。大意を掴むことに問題はないが、芸術額を学んできた者としては看過できない間違いがあったりする。たとえばpaintを絵画と訳している箇所があったりするなど。なので、ベーコンそして絵画に興味を持つ人は原著も手に入れてください!

2013-01-04 07:36:27
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

(承前)だからもし今『肉への慈悲』が復刊されるとしたら、それは充分な訳注をつける形で新訳される必要があるわけです。ちなみにインタビューをしたシルヴェスターは、プライベートな場では、晩年のベーコンについて「偉大な人物だけれど二流a secondary」と述べていたとのこと(苦笑)

2013-01-04 07:44:12

(参考)

肉への慈悲―フランシス・ベイコン・インタヴュー

デイヴィッド シルヴェスター,フランシス ベイコン

kenjiro hosaka @kenjirohosaka

3月までベーコン展を待てない!という人はシドニーで開催中のベーコン展を訪れてみては。 http://t.co/l2t4D7j6 日本展と共通しているのは約10点。ブリスベンではAPTもやってますし、この季節のオーストラリアは本当にお薦め。 http://t.co/K8iGhmUt

2013-01-04 07:50:47
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

(承前)補足しておくと、80年代から亡くなるまでのベーコンの作品は、かつては自己引用の多いマンネリズムとしてやや否定的に語られていました。しかし最近では、そうした自己引用を方法論として評価するようになっています。(見る)時代によって見方が変わるのもベーコンの面白いところ。

2013-01-04 08:01:17
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

画家のフランシス・ベーコンは読書家でもありました。アイスキュロス、エリオット、イエイツ、等々。そんな彼にとって重要だったとされる本のひとつに、コンラッドの『闇の奥』があります。そう、あの、コッポラの映画「地獄の黙示録」の原作として「も」知られる小説です。(続く)

2013-01-05 23:18:06
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

(続き)聴衆の反応も含めてまるごと再現・再演する、楽譜ではなくライブ録音として聴くべきものなのだ」ほかにも「このときあばきだされるのは、読み手の無意識のなかにある「ゲーム性への期待」だ」という特性もまた、ベーコン的である。ベーコンもまた、「ゲーム」という言葉を使っていました。

2013-01-05 23:29:35
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

今日は何の日?ベーコン展まで後2ヶ月の日!(ヴェルニサージュは7日)。ということでカタログのテキストも大詰、地獄です。欧州の研究者には常識ということなのか、ベーコンが最後の磔刑図を描いた時期と第二ヴァチカン公会議の時期がほぼ重なるのに言及されたことが私見の限りないのが気になってる

2013-01-07 22:37:19
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

ベーコンは教皇のみならず枢機卿の肖像も描いていた。インノケンティウスX世(ベラスケス)だけでなく、Pope John XXIII(1881-1963)やPope John Paul II(1920-2005)など同時代の教皇の写真も切り抜いてた。権力/人間/宗教が大きな問題だった

2013-01-07 22:42:24
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

ベーコン展のテキストをほぼ書き上げる。最近の研究を反映した日本語で読める概説書がなく、かつまた誤解曲解の多い人なので、とにかく丁寧に書いてみた。でも日本にベーコン研究はないのかと思われたくはなく、力の配分が難しかった。で、気分転換を兼ねて、巻末に収めるアンソロジーの翻訳も進める。

2013-01-14 00:44:32
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

ベーコン展。カタログももちろん買ってほしいが、ぜひともそれまでは節約していただき、同時期に発行されるベーコン特集も買ってほしい。少なくとも美術手帖と某雑誌は巻頭の特集を組みます。僕もどちらにも全面的にかかわっている。つまり内容はできる限り重複しないように関係者一同尽力しております

2013-01-16 18:59:55

ベーコン展と同時期に開催されるのは・・・

kenjiro hosaka @kenjirohosaka

ふむ。ベーコン展と同時期に、ラファエロ展とエル・グレコ展とミュシャ展と円空展が見られるわけですね。すごいね東京。いっそガチで(担当者の?)公開対決トークとかやったら面白いかもね。身体のディストーションの問題とか(エル/グレコ)。(続く)

2013-01-17 20:58:37
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

(続き)ルネサンスVSバロックとか(ベーコンをバロック的という研究者もあり)。ミュシャと円空はレリーフの問題かなあ(ベーコンの空間 感覚をレリーフ的という人もあり)。競合するのではなくて共闘?するのも大事かな、と。なんてったって、「美術」なんだし。と難しいのを承知で言ってみる

2013-01-17 21:01:37
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

@mrmottmasako  冷静に考えて広報的な意味で得をするのはベーコン展なわけです(僕としては哀しいけれど知名度で言えばしょうがない)。だから実現にはある程度の困難が予想される。けれど芸術学の立場からしたら(と研究者ぶらなくても)この機会ってちょっとすごくないかと思うのです

2013-01-17 21:21:54

映画「愛の悪魔」

♪akira @suttokobucho

東京国立近代美術館でフランシス・ベーコン展やるので、『愛の悪魔』(98/英)再上映しないですかね~。http://t.co/tbJirW7N 当時私はデレク・ジャコビのベーコン観たさに行ったので全裸彼氏(ダニエル・クレイグ)は全然覚えてないんですけどw

2013-01-17 17:20:37
kenjiro hosaka @kenjirohosaka

@suttokobucho  フィルムによる上映ではないですけれど、美術館でも二回だけ上映します。ちょっと「偏った」伝記に基づいているということもあり(でもってせっかく「美術館」でやる上映ということもあり)、担当者が「前座」を務めます(ミニレクチャーをします)。よかったらぜひ。

2013-01-17 21:49:36
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