脚本家・尾崎将也の脚本に関するつぶやきを集めてみました
- ozakimasaya
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Fact(事実)とTruth (真実)は別のもの。ドラマは、表面に描かれているのはFactだが、それを描くことを通じてTruth を浮かび上がらせようとする。逆にTruth だけを声高に叫んでも人の心には伝わらない。
2013-01-18 10:49:48プロの脚本家になる前に学んだことと、プロになって仕事をしながら学んだことを比べると、プロになってから学んだことの方がずっと多いし、乗り越えたハードルの数も多いと思う。だとすると、とりあえずプロになるのは楽勝な気もして来るのだが・・・
2013-01-21 11:21:13チェーホフは「物語に拳銃が登場したら、それは必ず発射されなければならない」と言っていたらしい。僕は以前から「主人公が透明人間になったら、必ず女湯を覗かなければならない」と言っていた。偉大な作家と似たようなことを言っていた(微妙に違う?)と思うとちょっと嬉しい。
2013-01-21 12:46:03ブログ更新。「尾崎将也お勧め『名作映画100本ノック』」「脚本の勉強のために見るべき映画を百本教えてやると言っても、教えてくださいと言う生徒はいない」とつぶやいたら「教えてください」というリプライが来たのでリストアップしてみました。 http://t.co/tbyKl7rV
2013-01-26 19:26:24ドラマは「時間」の流れの中に存在している。ドラマが収録されたDVDはただの物体でしかなく、それを画面に再生してドラマが時間の中に流れ出したとき、初めて表現がこの世に存在を始める。脚本の難しさのひとつは、時間の中にあるドラマを文字として表現しなくてはいけないこと。
2013-01-29 10:43:41「父親はどこへ消えたか~映画で語る現代心理分析」(樺沢紫苑著)は、脚本を学ぶ人にとても勉強になる本。「父性」をテーマに、様々な映画をわかりやすく分析している。「映画を分析する」ということや、物語やキャラクターの「型」を理解するのに役立つと思う。
2013-01-30 19:58:42先日、「物語の中では、透明人間になったら女湯を覗かなくてはならない」と書いたが、生徒の作品は、透明人間になっても隣にいるおっさんが見てるエロ本を横から覗くだけだったり、透明人間としてどう生きるか悩むだけだったりする。
2013-02-01 11:18:43教室の生徒が脚本をうまく書けない大きな原因は、無から有を生み出そうとしているからではないかと最近思うようになった。物理学的原則からいってそんなことは無理。まずは自分の脳に何が蓄積されているかというのが出発点。
2013-02-05 10:35:18いい脚本を書くには人生経験がたくさんあるに越したことはないだろうが、教室の生徒で年配の人ほどいい作品を書くという傾向が全くないことからすると、人生経験がないとダメということもないし、あっても脚本には役に立たないということが言えるようだ。
2013-02-11 11:58:15教室の生徒は、自分が書いている脚本がどういう話か把握出来てないことが多い。自分が何を書いているかわかっていないのに面白い作品になることはないのではないか。その把握力を身につけるには、ブログにも書いたように既成の面白い作品を分析して、どんな話か把握する訓練を繰り返すしかないと思う。
2013-02-27 10:14:14脚本の教室の生徒が苦手なことのひとつが、登場人物に本心とは逆のセリフを言わせるとこと。「嫌い」ということで逆に「好き」という気持ちがより伝わることがある。これまでテレビドラマや映画でそういう場面をいくつも見ているはずだが、その事実を言うとなぜかびっくりした顔をする。
2013-03-14 23:00:52昨日のブログ( http://t.co/1xn3sesCfb )を補足すると、初心者はハコ書きをすることをお勧めする。でないと作品が糸の切れた凧のようになる危険性が高い。プロの脚本家がハコ書きをしないという場合も「頭の中でやっている」または「書きながらやっている」のだと思う。
2013-04-09 10:56:57ドラマの中の大事な出来事は、極力主人公自身が起こすか、主人公の身に降りかかるようにするか、主人公が見ている前で起こるようにすべき(あえて主人公から隠す意図がない限りは)。こういうことはプロはほとんど無意識にやっているが、生徒は意識してやらないと主人公が物語から外れて行ってしまう。
2013-04-10 17:57:46脚本の勉強のために映画やテレビドラマを分析するとき、最初から理屈で考える「お勉強モード」で入ってはいけない。まずはその作品を見て面白がったり、感動したり、つまらないと思ったりしている普通の観客の自分がいて、なぜ自分はそう感じるのかを考えるところから分析が始まる。
2013-04-10 18:58:37何かを習得するには二つのパターンがある。(1)コツを教われば、すぐに出来るようになる。(2)長い間試行錯誤しながら訓練して、やっとつかめる。人はつい(1)を期待してしまうが(その方が楽だから)、大切なことは(2)である場合が多い。脚本の勉強もほとんどが(2)だ。
2013-04-11 16:46:04ストーリーがどうも面白くならないなあと悩むうち、段取りや整合性に気を取られて、カセや葛藤が弱いままだったことに気づいて慌てて考え直すというようなことが、今でもしばしば起こる。なんでもっと早く気づかないのだろうと思うが、かろうじて気づくのでプロとしてやっていられるのかも知れない。
2013-04-12 11:33:17昔、山田太一先生が教室の授業で、「いくらたくさんドラマを書いても、新しいドラマを書くたびに新しい人物や新しい物語と取り組むことになるので、書くことが楽になるわけではない」という意味のことをおっしゃっていた。その言葉を思い出すと少し癒される。
2013-04-26 14:56:06物語に関係なく登場人物たちがうだうだと雑談している会話を試しに書いたとして、その会話がイキイキとした面白いものになるなら、脚本家がその人物たちのキャラを把握しており、さらにそのキャラが魅力的であるということが言えるのではないだろうか。
2013-07-09 14:12:40「脚本の初心者はよく知っている身近なことを題材にした方がいい」と言うと、「そこにあるのはただの日常で、ドラマになるようなことは何もない」という矛盾した状況が起こってしまう。その一見何もない日常の中に「もしこんなことが起こったら」という「フィクション」を持ち込む発想が必要となる。
2013-07-10 23:03:13「ストーリーを思いつく」のと、「キャラクターが動き出す」のとは、別のことだ。キャラが動き出して自然とストーリーになって行く方が、ストーリーを思いつくより書いてて楽しい。
2013-07-15 15:16:27脚本の勉強と学校の勉強を比べると、「答えがひとつではない」「点数で計れない」「努力の結果がすぐに出ない」「全人格が関わる」など、違う点が多々ある。学校で優等生だった人が「努力すれば結果は出るはず」と思って脚本の勉強を始めると、あてが外れるだろう。別物と思って取り組むことが必要。
2013-07-27 10:11:38物語がうまく作れない生徒の共通点として、「この話は次にどうなるの?」と質問すると「ああで、こうで、こんな感じで」と全体像をごちゃごちゃと話そうとする。「次どうなる」という質問には「次こうなる」という一行の答えがあるはず。物語は「次こうなる」の連続で形作られて行く。
2013-08-08 14:44:23脚本では「説明はよくない」とよく言われる。でも作業としては、とりあえず説明的に書いて、書きたい内容を特定して、次にどうすれば表現に転換出来るかを考えるという順番でもいいと思う。
2013-08-19 10:08:41映画やテレビドラマを分析することは、その作品の作者の脳の中にあること(知識やテクニックやノウハウや感性)を自分に脳に移動させようとする作業。
2013-08-22 16:50:25人物AとBの会話を書いていて、Aが一般論しか言ってないと感じたので、Bに「それはただの一般論でしょ」と突っ込ませたら、Aは困ったあげく、面白いことを言い始めた。
2013-08-26 15:43:52