医学者は公害事件で何をしてきたのか

coolくんによる書き起こし 津田 敏秀 著「医学者は公害事件で何をしてきたのか」 (現在、絶版につき図書館での貸借を推奨致します。)
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coolflat @coolflat

続き)(略)たとえ工場廃水が魚介類の有毒化の原因だと分かって排水を止めたとしても、魚介類を食べることを継続していれば、患者の新規の発生はそんなに即座には止まらないであろう。なぜなら、魚介類はすでに有毒化してしまっているからである。 http://t.co/SeBBJzLb

2013-01-11 00:03:48
coolflat @coolflat

対策を念頭に置けば、水俣病の「原因」はメチル水銀と考えるべきでなく、「水俣産の魚介類の摂食」であると考えなければならないのだ。不思議なことに、このことが水俣病問題においてはほとんど論じられてこなかった。(続く

2013-01-11 00:12:01
coolflat @coolflat

続き)しかし、少なくとも、1950年代の事件当初は、熊本県内部や熊本大学医学部においてはすでに議論されていた。 『医学者は公害事件で何をしてきたのか』より http://t.co/SeBBJzLb

2013-01-11 00:12:09
coolflat @coolflat

本来、水俣病事件は、医薬品および医薬部外品を除く全ての飲食物を対象としている(食品衛生法第二条)食品衛生法によって迅速に処理されなければならなかった。保健所が通常の集団食中毒事件として同法の第二十七条に基づいた調査・報告を行っていれば、被害は最小限に抑えられたと考えられる。(続く

2013-01-11 00:26:35
coolflat @coolflat

続)(略)水俣病事件で通常の食中毒事件としての処理を行わなかった事が次の大事件を引き起こす事となる。カネミ油性事件である。この2つの大食中毒事件は食品衛生法に基づいた届け出と処理を怠った学者と行政が大事件に育て上げたものであると断言できる。http://t.co/SeBBJzLb

2013-01-11 00:27:00
coolflat @coolflat

食品衛生法を適用する際に、病因物質の判明は必要条件ではない。もし病因物質の判明を必要条件としてしまうと、水俣病事件のような未知の病因物質による食中毒の際に、たとえ原因食品もしくは原因施設が明らかで対策可能であっても、対策がとれなくなってしまうからだ。(続く

2013-01-11 00:34:36
coolflat @coolflat

続き)これは水俣病のような悲劇につながる。またたとえ既知の病院物質であっても、それを分析し検出している時間が長くなればなるほど、対策が遅れてしまい、それだけ患者の発生数は増加することになる。これは食中毒事件対策において致命的な遅れにつながるhttp://t.co/SeBBJzLb

2013-01-11 00:34:47
coolflat @coolflat

熊本県は、昭和34年(1959年)10月に、マル秘と記した「熊本県水俣湾産魚介類を多量摂取することによって起こる食中毒について」という資料を作成している。また、熊本県衛生部は、1986年9月に、同じ題の資料を作成している。水俣病事件が食中毒事件であったこと、(続く

2013-01-12 19:50:58
coolflat @coolflat

続き)原因食品が明らかであったことを、当時熊本県が明瞭に認識していたことが、資料の表題から分かる。ところが熊本県は通常の食中毒事件で行われる措置を全くとっていない。全国食中毒事件録にも熊本県からの報告はない。(続く http://t.co/SeBBJzLb

2013-01-12 19:51:10
coolflat @coolflat

続き)一方、熊本県の隣の鹿児島県は、出水市米ノ津の事件として昭和35年(1960年)の全国食中毒事件録に水俣病三例(うち死者一例)を報告している。こうしていくと、熊本県が、意識的に水俣病を食中毒事件としては処理しないようにしていたとしか思えない。

2013-01-12 19:51:20
coolflat @coolflat

ところで後に、1959年9月の日本化学工業協会理事による悪名高い「海中爆薬説」や、1960年代にはいって東京工業大学の清浦雷作教授と東邦大学の戸木田菊次教授が主張した魚介類のアミン賀何らかの原因で有毒に変質したのではないかという「有毒アミン説」が、大いに批判の対象となった。(続く

2013-01-12 19:55:48
coolflat @coolflat

続き)しかし、このどちらの説も水俣湾の魚介類の摂取が水俣病の原因であることを前提にしているのである。これらの説が登場しても、そして否定されても、魚介類の喫食が規制されることも、工場廃水が止まることもなかったことは、よく知られるところである。http://t.co/SeBBJzLb

2013-01-12 19:56:01
coolflat @coolflat

水俣病事件が食中毒事件である事が忘れ去られた為に認定問題や認定制度、認定申請という様な不必要な制度が生まれた。更に認定制度がある為に申請患者は一週間に渡る数十種類の検査に耐えその後認定の決定がおりるまでに少なくとも数年の待ち時間を必要としたhttp://t.co/SeBBJzLb

2013-01-12 22:58:31
coolflat @coolflat

1995年から1996年にかけての「政治解決」の際に、「ニュースステーション」のキャスター久米宏さんが、「何で被害者が認定をしてくださいとお願いして申請をしなければならないのか不思議だ」とおっしゃっていたが、これは鋭い意見だと思う。その通りである。(続く

2013-01-12 23:01:30
coolflat @coolflat

続き)そもそも食中毒事件においては「認定申請」などいらない。申請などしていなくても原因食品を食べた可能性があれば、自宅にいても保健所の職員が調査に来てくれる。 『医学者は公害事件で何をしてきたのか』より http://t.co/SeBBJzLb

2013-01-12 23:01:42
coolflat @coolflat

1水俣湾産の魚介類が原因食品と分かっていながら「全て(魚介類)が有毒しているという明らかな根拠が認められないので」食品衛生法を適用しなかったし魚介類の摂取、流通、摂食等の本来緊急で行われるべき基本的対策が全くなされなかった2何ら現地の調査が行われなかったこれだけで歴史的犯罪である

2013-01-12 23:06:44
coolflat @coolflat

3その後論点を病因物質(原因物質と呼んでいた)にずらして、国は責任逃れを続けてきた。 4食品衛生に関して根本的な知識が不足していた学者は、自らの役割を病因物質判明の時期を可能な限り後にずらすことであると認識しそれを裁判での証言で行っていた。http://t.co/SeBBJzLb

2013-01-12 23:06:56
coolflat @coolflat

「父は震災で石綿吸ったのかも」藤本義一さんの長女語る 「父は阪神大震災のときに石綿を吸ったのかもしれない。その怖さを多くの人に知ってほしい」と訴えた。藤本さんの病気がわかったのは一昨年春。「よくもって2年」と宣告された。http://t.co/UIktuWj5

2013-01-13 22:25:10
coolflat @coolflat

診断を正確にするという名目で、申請患者は仕事も休んで一週間にわたる検査を受け、さらに認定されているか否かを知るために少なくとも数年は待たされた。この間何の援助もないので、「待たせ賃」を要求する裁判も起きたくらいである。こんなことは食中毒事件では聞いたことがない。(続く

2013-01-14 00:03:46
coolflat @coolflat

続き)診断を正確にするためにはいくらお金をかけても構わないというふうに思っていたのかどうかは分からないが、中央公害対策審議会環境保険部水俣病専門委員会の議事録によると、申請患者一人あたり約30万円もかかっていた。これらの検査費用は税金からの拠出である。(続く

2013-01-14 00:04:09
coolflat @coolflat

続き)おそらく食中毒患者一人を数え上げるコストでは、飛びぬけて史上最高の額であろう。累積申請患者数は軽く一万人を超えるので、低く見積もっても患者の数を数え上げる際にこれだけの費用をかけることはあり得ない。 『医学者は公害事件で何をしてきたのか』より

2013-01-14 00:04:22
coolflat @coolflat

一方申請患者にとっては、ここまで努力を払っても認定される確率は低い。すなわち大多数は認定されずに、「保留」か「棄却」となるわけである。「保留」といっても認定されない限り、実際は「棄却」と同じ扱いである。(続く http://t.co/SeBBJzLb

2013-01-14 00:07:02
coolflat @coolflat

続き)たとえ認定の割合が低いとしても、棄却に論理的な根拠があると分かれば、誰しも納得がいくだろう。しかし、この認定審査作業は非公開なので、結果しか知らせてもらえない。棄却・保留とされた患者に魚の喫食歴があり関連する症状もあるのに、これでは納得できない。

2013-01-14 00:07:21
coolflat @coolflat

1990年代になって、実際の認定作業が国の認定基準(昭和52年判断条件)に基づいて行われていたかどうかを検証する論文が発表された。(略)判断条件に基づけば認定されるはずの患者約900人のうち、認定されたのは約200人であった。(続く

2013-01-14 00:13:17
coolflat @coolflat

続き)医学的根拠のなく狭すぎるという国の認定基準でさえ、認定審査会は守っていなかったのである。このような非論理的作業をごまかすためにも学者は一役買うことになる。(続く

2013-01-14 00:13:28
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