「パターン4.0」という構想

井庭先生が「パターン4.0」という構想を語ってくれたので、忘れないように、まとめておきました。
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井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

これまで、井庭研で作成してきたものは、人間行為(human action)のパターン・ランゲージだった。学び、プレゼン、コラボレーション、いきいきと美しく生きる、社会変革などなど。これらのパターン・ランゲージを、僕は「パターン・ランゲージ3.0」と呼んできた。

2013-01-23 09:23:41
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

パターン・ランゲージ3.0の「3.0」としたのは、それ以前の「1.0」と「2.0」と僕が呼ぶものとの対比を明確するためであった。1.0は、アレグザンダーたちの建築のパターン・ランゲージ、2.0は、ソフトウェアや組織のパターン・ランゲージである。

2013-01-23 09:25:13
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

これまで僕は、パターン・ランゲージを、1.0 + 2.0 + 3.0というかたちで捉えてきたが、これに、新たに 4.0 を加えたいと思う。「パターン・ランゲージ4.0」は、社会・コミュニティのデザインについてのパターン・ランゲージである。

2013-01-23 09:26:46
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

「パターン・ランゲージ4.0」では、不特定多数の人が関わる「社会」や、組織よりも境界があいまいな「コミュニティ」をどのようにつくるのかに関するパターン・ランゲージである。

2013-01-23 09:28:16
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

もちろん、これまでのパターン・ランゲージ、例えばアレグザンダーの建築のパターンも、いきいきとした社会やコミュニティを実現するためのパターン・ランゲージであったが、デザインの対象は建築であった。パターン・ランゲージ4.0では、デザインの対象が社会やコミュニティそのものになる。

2013-01-23 09:29:34
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

社会やコミュニティは、自生的に形成されるため、「デザイン」するといっても、すべてをつくるという意味でのデザインではない。そうでなく、社会の自生的な側面をい考慮にいれた意味での「デザイン」ということになる。

2013-01-23 09:34:20
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

その意味で、1.0→2.0→3.0の流れのなかで「デザイン」の特徴が変わってきたように、4.0でも新しい特徴が加わってくる。他者と未来(の成長)に開かれたかたちのデザインとなる。

2013-01-23 09:35:43
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

個々のパターンには、社会の仕組みについての認識・発想が「状況」「問題」「解決」の形式で書かれる。そして、それが社会・コミュニティの仕組みについてのひとつの発想の表明として用いられることになる。そのため、複数のパターンのなかで相矛盾する認識・発想が書かれることがあり得ることになる。

2013-01-23 09:42:11
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

パターン・ランゲージの目的・使い方も、これまでとは異なるということだ。これまでのパターン・ランゲージは、ひとつのランゲージでは理想とされるひとつの方向性をもち、閉じていた。パターン・ランゲージ4.0では、相互に重なり合う体系としてのランゲージ群が形成される。

2013-01-23 09:44:29
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

そのようなランゲージ群を用いて、どのような社会・コミュニティをつくるのかの対話をし、議論をし、つくり込みをしていく。そのような目的で、パターン・ランゲージ4.0は使われることになるだろう。

2013-01-23 09:45:16
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

パターン・ランゲージのつくられ方も、変わってくるだろう。一部の人が書くというよりも、多様な主体が関わり、書かれ、評価され、議論され、修正されていく。3.0までは、つくり手はあるグループに閉じられていたが、4.0では開かれたプロセスで、あちこちでつくられていくイメージ。

2013-01-23 09:48:55
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

(本当は3.0で止めておくのが、3分類という意味では美しいのだが、4.0が必要だと感じる。ここまで来たら、おそらく後には5.0も出てくるかもしれない。自然とか宇宙とかの世界との関わり方かな。)

2013-01-23 09:50:39
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

パターン・ランゲージ4.0は、井庭研の新しいプロジェクトでは、"good old future"(なつかしい未来)プロジェクトや、政策言語プロジェクトなどが、これにあたるだろう。このあたりの探究・実践を通じて、考えを深めていきたい。

2013-01-23 09:51:44