【転載】『旅の収穫』:ネパールという国が見えてくるある青年との出逢い+ネパール大使公邸レセプション参加報告
アフリカ、シエラレオネでの「平和」
ネパールとは遠く離れた、アフリカの国の人の言葉ですが、こんな発言をNHKの番組で観ました。 「私にとって 平和は安全保障ではりません。経済的に豊かで、肉体的に健康で、社会の健全な一員であること。それが「平和」の意味です」 NGO『WANEP』シエラレオネ支部長
2013-01-30 16:26:28紛争が起こり、国際裁判所の設置により正義がなされているシエラレオネという国。そこで求められる「平和」の意味は、この語録にあるとおり 「飢え」や「貧しさ」のない状態を指します。http://t.co/5p6ATKrc
2013-01-30 16:30:03南アジア、ネパールでの「平和」
一方、平和復興省を設置したネパールにおける平和とは、「和解」によって紛争の傷跡が癒えた社会が成立する状態を指します。それぞれの国、それぞれの事情によって「平和」の概念はこうも違います。その中でひとつの平和の形を求める運動として平和省運動があります。
2013-01-30 16:33:30「平和省と平和の基盤の創設を求めるグローバル・アライアンス」(GAMIP)は、こうした多様な「平和観」を共有した世界中の平和を愛する人間によって成り立つ国際的な運動です。その運動の一つの成果として、ネパールに平和復興省が誕生しました。
2013-01-30 16:35:52明日のネパール大使館でのレセプションでは、「その後」のネパールについて、同国の元副首相や国会議員のお話を聞いてきたいと思います。勿論、あのお話のタクシー運転手の青年がどうなかったも気になりますが、それは間接的にネパール社会の現状を通じて聞いてこようと思います。
2013-01-30 16:39:13そして、参加報告。
レセプションから戻りました。本日招かれたネパール元副首相であるイショール・ポカレル共産党書記長閣下のディナーレセプションで閣下は、恐縮することに私たち平和省プロジェクトJUMPのために特別に時間をとってくださり、他のゲストたちの前で私たちに占有的な懇談の時間をくださりました。
2013-01-31 22:46:00まずは、懇談の時間。
せっかく元副首相閣下に懇談の機会を与えられたので、私たちは最大限にネパール復興平和省の過去・現在と未来について尋ねることにしました。すると閣下は待ってましたとばかりに熱く語ってくださいました。閣下にとって復興平和省は国家、ネパール人の誇りなのでしょう。
2013-01-31 23:01:49×復興平和省○平和復興省ですね。失礼しました。ポカレル閣下はまず平和復興省の成り立ちについて丁寧に話してくださいました。10年間続いた内戦からの復興を第一義に成立したこと。紛争の真実の探求と和解の促進を目的とし、遺族や破壊への補償を統括すること。それが平和復興省の役割でした。
2013-01-31 23:08:11この平和復興省の成り立ちなんですが、当初私たちが想像していた「各省横断的な総合省」ではなく、あくまで紛争からの平和裏の復興を推進することを専任で請け負う省という位置付けでした。そして設立から5年を経て、その仕事は少しずつ減ってきているのが現状であるということもわかりました。
2013-01-31 23:20:55閣下によるご挨拶の時間
ポカレル閣下です。主賓として、そして国家で重責を担うものとして覚悟と決意を述べられていました。ネパールは現在ほぼ無政府状態のまま国家運営がなされており、最大の急務が憲法の制定となっています。ところが各党が譲らないため遅々として進みません。 http://t.co/avz5rqIj
2013-01-31 23:25:17ポカレル閣下は、このような状況の中であっても、民主的プロセスを完徹することが大事だと力説されました。そのような政治的混乱の中にあって、半無政府状態で、復興平和省は十分に機能するのでしょうか。ところが、機能するそうです。なぜか。優秀な官僚がいるからです。
2013-01-31 23:29:07レセプションで東大のネパール研究者の方とお会いし、色々お話を聞きました。すると、このような政治混乱期にあってもネパールは国家として機能しており無政府状態は国家運営に支障を来してないというのです。官僚が優秀な国が、国政が進まなくても大丈夫というのは、どこの国も同じなのですね。
2013-01-31 23:31:39平和復興省の将来は?
現在、ネパールの平和復興省は平和復興兼国土改革担当大臣が統括しています。平和復興だけの役割は年を経るごとに減っているようです。そこで、ポカレル閣下に平和復興省の未来について尋ねてみました。現在の機能を終えた後、省はどうなるのか。発展か、解消かと。
2013-01-31 23:36:16ポカレル閣下の回答は明確でした。「将来的には、地域の平和に関わる問題に取り組む省にできるかもしれない」と仰ったのです。つまり、発展・拡大を見込んでいるのです。これは、平和省プロジェクトJUMPとしても展望していたことでした。むしろ、地域だけでなく世界の平和省を束ねてほしいとすら。
2013-01-31 23:39:08JUMPで行った第一回のワールドカフェで「平和大臣会合」についての話がありました。それは、この問いから生まれました。「あなたが平和大臣だったなら、何をしますか?」https://t.co/Cf5ENYI0 この答えに「平和大臣が集まる国際会議を開く」というものがあったのです。
2013-01-31 23:42:17私たちはポカレル閣下に率直に、「この平和大臣会合をぜひ開いてほしい」とお願いしました。とはいっても、現在、世界には3つしか平和省は実在しません。ネパールと、ソロモン諸島と、コスタリカです。なので、会合を開くには、まず大臣を増やさなければならない=平和省を増やすことになります。
2013-01-31 23:45:33ポカレル閣下は、「まずは地域から取り組まなければならないだろう」と仰いました。ネパールは決して地域大国といえるほどの大国ではありません。しかし、平和復興省を世界に先駆けてつくり、運営した実績とノウハウがあります。地域の平和省設置を促進する力量は十分あるように思えました。
2013-01-31 23:48:17