【転載】『旅の収穫』:ネパールという国が見えてくるある青年との出逢い+ネパール大使公邸レセプション参加報告

世界の平和省運動と深い関わりのある南アジアのネパールという国は、どういう国なのか。日本人にはあまり馴染みのないこの国のことを、ある旅のエピソードを通じてお話した内容をまとめました。 ※エッセイ形式もあります。 https://t.co/5fk2wOO6 ※参加報告の纏めも文章形式にしました。 http://ow.ly/hiWBE
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平和省プロジェクトJUMP @jump_info

『旅の収穫』「そうなんです。おかげで安い車であふれる社会になり、満足な交通整理もできないままこの状態。環境にも影響が出ています。本当はここの空気、もっと綺麗だったんですよ。知ってました?」

2013-01-30 15:55:17
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『旅の収穫』「うん。飛行機の中からヒマラヤ山脈とネパールの位置を見て、これなら空気はさぞ綺麗なんだろうなあと思って降りたってみたら、なんのことはない。最近行ったハノイや、バンコクとあまり変わらない空気のよどみ具合だった」

2013-01-30 15:55:59
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『旅の収穫』「でしょ?まずは綺麗な空気を取り戻さなきゃ。ネパールの宝ですからね」 「じゃあ君はいったい何を提案するんだい?世界市場に先駆けて電気自動車の導入かい?」

2013-01-30 15:57:25
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『旅の収穫』ここからの彼との一問一答に注目。彼の回答がひじょうに的確で見事。何が必要で何が必要でないかを嗅ぎ分ける力をすでに身につけ始めていることが窺えた。 「いえ、電気自動車はネパールの事情に合いません」 「というと?」

2013-01-30 15:59:35
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『旅の収穫』「みてください。この悪路です。カトマンズ中心地からちょっと離れれば、ほとんどの道が舗装されていません。それに傾斜の高い坂が多い。馬力の弱い電気自動車は実用的じゃないんですよ。それに電気スタンド等を設置しても、そこに供給・蓄積する電力をどうするかという問題もあります」

2013-01-30 15:59:53
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『旅の収穫』なるほどと一発で納得、という顔でいたら、彼は得意気に話を続ける。こういうところは意気揚々な若者らしい。 「それに、電力は自動車のために供給するのではなく、一般家庭に均等に供給するべきです。本来、ネパールは電気と水の豊富な国なんですよ」 「そういや、ときどき停電するね」

2013-01-30 16:01:31
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『旅の収穫』「そうなんです。政府の電力の管理がなっていないからです。だからそこをまずなんとかしないうちに、電気自動車なんかを導入することは考えられないってことです」 君は本当に政治家か何かか!?と思いつつ、今度はちょっと意地悪に聞いてみる。

2013-01-30 16:02:34
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『旅の収穫』(このへんから俺のサド魂が頭をもたげてくる。というより、こういう将来有望そうな人を見つけて、いろいろ聞きたがらないほうが変だとすら思う。それでは、その人に関心がないことの裏返しだから)

2013-01-30 16:02:53
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『旅の収穫』「じゃあ車を減らす一つの手段としてだね、路面電車を引いて、その分車道を狭くするってのはどうだろう。路面電車を使う人が増えれば、車使う人は経るだろうし、車道が狭くなれば、敢えて車使って通り抜けようと考える人も減るでしょ」

2013-01-30 16:04:07
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『旅の収穫』「だめです。ネパールの人たちは、まだ公共交通というものをよくわかっていません。路面電車みたいなものが導入されても、みんなこれまでどおりに振る舞って、下手すれば路面電車に喧嘩を仕掛ける輩までいるかもしれません。ネパール人には公共交通の概念が浸透していないんです。」

2013-01-30 16:04:41
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『旅の収穫』「だから、独自のルールで動くようなものが導入されても、反発するか、無視して好きなようにやり続けるだけで、解決にはなりません」「うーん、そうかあ。そういった路面開発事業だったら、日本はお手のものなんだけどねえ。じゃあ思い切って地下鉄とかは?これも日本のお家芸なんだけど」

2013-01-30 16:06:09
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『旅の収穫』「(苦笑しながら)そういうお行儀のよいものは、まだまだネパール人にはなじまないでしょうね。地下にある乗り物なんて、息苦しく感じるでしょうし・・・とにかく、公共交通を整備するってのは、ネパールでは通用しないんです」

2013-01-30 16:07:04
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『旅の収穫』「じゃあ君はどうやって、過度なモータリゼーションから発したこの環境汚染を打開するというの?」と詰め寄ると、 「わかりません」 と、ひじょうに潔い。 「でも、それをこれからずっと考え続けます。まだ24ですから。人生の半分も終わってないんですよ、僕」

2013-01-30 16:07:44
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『旅の収穫』いちいち言うことがもっとも過ぎて感心通り越して尊敬してしまった。彼の若さなら、「問題」に対する「答え」などなくてもよいのだ。ただ問題意識があり続け、それにいつか取り組んでやるという意志さえあれば、その問題意識は意味と価値を持つからだ。

2013-01-30 16:09:02
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『旅の収穫』俺も実は答えを期待したわけではなかった。彼がどう答えるかに興味があったのだ。彼がしたり顔で何かを言い切ったら、叩きのめしてやろうかと思ってたんだが・・いい意味で、俺は期待を裏切られた。そして、いつかネパールを代表する政策家となって、日本に来てほしいとすら思った。

2013-01-30 16:09:48
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『旅の収穫』腹痛で集中力が途切れそうになったとき、ホテルが近づいてきた。彼はそのホテルを、野心ありげにみつめる。俺は直感した。ああ、やっぱりこういう若者が、大物になるんだなと。彼はホテルのゲートに入りながら、いつか自分がこういうホテルのオーナーになってやる、と思っていたんだろう。

2013-01-30 16:11:10
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『旅の収穫』目が鋭くどこかを見据えていた。 そんな彼との会話も終わりが近づいてきた。俺はおもむろに、彼に渡す予定で仲間と一緒にこさえておいた400ルピーの束をしまい、自分の財布から新たに500ルピー札を出し、こう彼に言って手渡した。

2013-01-30 16:12:05
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『旅の収穫』「君からは本当にいい話を聞かせてもらった。これはそのお礼として、約束は400だったけど、俺の気持ちだ。受け取ってくれ」 彼は最後まで丁寧に、 「ありがとうございます、サー」と言って、何度も何度も頭を下げた。

2013-01-30 16:12:46
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『旅の収穫』俺は彼に握手を求め、 「頑張ってこの国を変えてください」 と言って、仕事の名刺を彼に渡した。 そうして彼と俺との出会いは、終わった。 わずか30数分の間の出来事だった。 それでも、俺はこの旅最高の収穫だと思って、いま思い返しながらタイの空港でこれを綴っている。

2013-01-30 16:13:54
平和省プロジェクトJUMP @jump_info

『旅の収穫』ありがとう、名もなきでも将来ありき青年よ。俺のほうが目から鱗の経験をさせてもらって、もっと客と運転手の立場を越えて、語らい続けたかったくらい。でも・・・ その後、地獄が俺を襲ったのであった。後は日記を読んでの如し。 (バンコク国際空港にて執筆したままを掲載)【了】

2013-01-30 16:15:27

帰国の途につく機内から撮影

多様な「平和」の概念を包含する平和省運動

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『旅の収穫』いかがでしたでしょうか。以上の内容は、実は執筆者である運営委員のブログで全文をご覧いただけます。(残念ながら日記は、ヤフーのサービスの停止により読めなくなってしまいました。)http://t.co/7UR1lQC7

2013-01-30 16:17:50
平和省プロジェクトJUMP @jump_info

以上のお話は、いまから3年前の2009年当時に、当時議員秘書としてネパールで国際刑事裁判所に関する国際会議に参加していた運営委員の一人が実際に体験したことをありのままに綴ったものです。まさに、百聞は一見にしかずですね。ネパールの国情がよく見えてきたと思います。

2013-01-30 16:20:12
平和省プロジェクトJUMP @jump_info

さて、3年前と3年後の現在では、ネパールはどのように変わり、発展したのでしょうか。そしてこのお話にあるような前途有望な青年は、社会に進出する機会を与えられるようになっているのでしょうか。彼らはいま住む自分の国を「平和」と考えているのでしょうか。

2013-01-30 16:23:05