赤司征十郎の独白2

『赤司征十郎の独白』におけるシナリオ部分、及び本編とは直接関係しないもののやや本編の要素を含んでいると思われる部分を抽出したものです。
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再び廻る世界

赤司征十郎の独白 @aksryouki

ただいま。もう1月も末か。時が経つのは早いな。寒さ対策に手袋を…と言い続けてきたが後一ヶ月もすれば春が来るのかと思ったらもう少し我慢すれば冬を乗り越える事が出来る気がした。悴むような寒さが過ぎれば花芽吹く暖かさが、そして肌焼く暑さが来て木の葉舞う涼しさが来る。何も変わらない一年。

2013-01-29 22:15:11
赤司征十郎の独白 @aksryouki

カレンダーに視線を向ける。其処に記された年を示す数字は塗り潰されている。僕の世界に於いて、「何年」という概念は無い。同じ年を何度も繰り返しているからだ。……ループは初めてでは無い。決まった期間も無い。ある日ふと世界が狂い始めて、その週末に唐突に終わりが訪れる。そうして、巻き戻る。

2013-01-29 22:20:34
赤司征十郎の独白 @aksryouki

一週間で世界がリセットされる時もあれば、半年間安穏と時を過ごした事もあった。此処に規則があるのか、不規則なのか…僕には分からない。繰り返しに飽きて、試しに罪から目を背けて生きてみようと考えた途端に……あのザマだ。この世界に僕以外の「僕」が居ると知ったのは、前回のループが初めてだ。

2013-01-29 22:24:18
赤司征十郎の独白 @aksryouki

此処は思うに、僕の救いの地ではない。【牢獄】だ。自分の罪から目を背けないように、繰返し僕にその光景を突き付けるだけの。だから僕が完全に罪を忘れ、無実の赤司征十郎として生きる事は…赦されない。…それを、把握した。…それならそれで、構わない。どうせ口では惚けても、忘れた事は無かった。

2013-01-29 22:27:27
赤司征十郎の独白 @aksryouki

死ねば解き放たれる罪の意識からも、逃げる事は赦されないという訳か。…ただ前回首を裂いた傷が思ったよりも浅かったのは事実だから、本気で死のうとすれば或いは此処から逃れられるのかもしれない。……だが流石に…何度も死ぬのも、面倒だ。…このまま安穏と、偽りの牢獄を、生きて行こうと思う。

2013-01-29 22:32:35
赤司征十郎の独白 @aksryouki

恐ろしい物があるとすれば、それは再び世界が狂い訪れる「終焉」と……、……――毎晩僕を苛み責める、過去の……「夢」だけだ。

2013-01-29 22:34:03

理想の兵士論

赤司征十郎の独白 @aksryouki

―――人をす事は、難しい。

2013-02-10 00:22:42
赤司征十郎の独白 @aksryouki

相手を殺す位なら、自分が殺された方がいい、という考えは……一見献身的にも思えるだろう。だが実際、多くの人間がその選択肢を選ぶに相違無い。人を「殺す」という事は、物理的には…容易だ。だがそれを実行するとなれば想像を絶する精神力が必要になる。それは法律による拘束力だけの問題では無い。

2013-02-10 00:23:41
赤司征十郎の独白 @aksryouki

例えば…兵士。法律に拘束されない戦場で、手には銃を持った状態で敵兵と向かい合い、背後に立つ上官から射撃命令を受けたとしても…多くの兵士は相手の頭上を撃つ。それは「命令への絶対服従」と「殺人への拒否反応」との妥協点なのだという。正当性だけでは、最後の一線を越える事は難しいと言える。

2013-02-10 00:25:56
赤司征十郎の独白 @aksryouki

…だが、一方でこんな実験例もある。被験者に電流を流すスイッチを渡し、目の前の人物が与えられた問題に不正解の回答を導き出す度に、スイッチを押すように促すという実験だ。問題を出す人物A、回答する人物B、電流を流す人物Cが同じ場に在籍し、被験者にはこの場合のCの役割が与えられる。

2013-02-10 00:27:30
赤司征十郎の独白 @aksryouki

被験者には実験の参加を強制したり、人質を取るなどして脅迫する事はせず、ただ電流を流す事を促すに留める。どうしても電流を流したくない、と被験者が強く拒めば、直ちに実験は中断される仕組みになっていた。実際多くの被験者が、実験の途中で実験の意義に戸惑い、一度は協力の中止を考えたという。

2013-02-10 00:29:42
赤司征十郎の独白 @aksryouki

だが然し、大いなる権威を持つ実験者から「構わないから続けなさい」という指令を受けた被験者達の多くは…自らの意思で実験から降りる事無く、電流を流し続けた。電圧は徐々に上げられ、最終的には命を脅かすレベルの強さまで引き上げられたが、被験者達は…言われるままスイッチを押し続けた。

2013-02-10 00:30:50
赤司征十郎の独白 @aksryouki

……【大義名分】。人が自ら手を汚す為に、最低限必要な物だ。無論それだけでは、人の心を完全に操作する事は叶わない。弾は依然として、敵の頭上をすり抜けるだけだ。確実に敵の心臓を狙わせる為には、大義名分を与えた上、更に心を動かす何かが必要となる。例えばその一つが…「権力者からの指示」

2013-02-10 00:31:46
赤司征十郎の独白 @aksryouki

絶対に従わなければいけない、「恐怖」。従う事を当然だと思わせる、「洗脳」。此方の言う事は絶対だと、疑う余地も無く信じ込ませる為の……「仕組み」。…「ブラフ」。……―――それさえあれば、     を、     に、     ………――――――。

2013-02-10 00:32:47
赤司征十郎の独白 @aksryouki

その為に、目下邪魔な物は…「     」。…先ずはその抹殺から、始めよう。……――全ては、安寧な未来の為に。

2013-02-10 00:34:35

行き着く先は…

赤司征十郎の独白 @aksryouki

――そうだ、例えば、首にを付けておくというのは。体育館を軸にして、一生繋いでおくのがいい。遠くへ行けば行く程、首が絞まる。ふふ、いい案だろう。飢えさせはしないよ、必要な物は何でも買い与えよう。水、食料、それと…、…何でもね。そうすれば我が部は安泰だ。それを望んでいるんだろう?

2014-08-25 22:42:18
赤司征十郎の独白 @aksryouki

………、………不満そうな目を、しているね。……我儘だな、お前達は。放し飼いにしても縛り付けても、行き着く先……、        、                …                      それもまた、戯言か。

2014-08-25 22:43:39
赤司征十郎の独白 @aksryouki

ずきり、と、頭が痛む。光を追い引き摺る脚はいつの間にか鉛を帯びている、そんな錯覚。…――これは幻想だ。夏の日の見せた陽炎。冬の霧に映る亡霊。辿り着く結論に背を向けたまま、僕は僕の道を歩む。今度こそ、と……。……それも、戯言だ。僕が×××を××た時から、もう終わっているというのに。

2014-08-25 22:49:20
赤司征十郎の独白 @aksryouki

…………………考えるのを、………やめよう。……今日は始業式で、部活も無かったから、お前達もゆっくり休めただろう。明日から、また、   。

2014-08-25 22:50:04