脚本書き終わったわけではないのだが、昨日だいたい半分ちょい過ぎ(今回の芝居休憩入れて180分を予定しているのでだいたい90分あたり)くらいを書き終わり出演者にメールしたので、一段落ということで、今日は映画を観に行った。ずうっと気になっていた行定監督の「つやのよる」を観に行った。
2013-02-09 03:03:58「つやのよる」宣伝とか見た限り、なんとなく阿部寛さんを中心とした女優たちズラリの話、つまり大人版モテキみたいな映画なのかなと思っていたが、ぜんぜん違った。パンフレットに岩井俊二監督が長文を寄せている。「「つやのよる」はまさに行定式相対性理論の結晶体である。「縁」の映画である。」
2013-02-09 03:11:49「つやのよる」は「縁」の映画である。その通りなんだけれども、「縁」の映画と言われて、普通はよくわからない。見ていただくしかないのだが、見ると驚くことができる。この映画は縁の映画であるとともに、本気の映画なのである。
2013-02-09 03:17:31なによりも僕が最初っから最後まで驚き続けたのはキャストたちの本気度だ。と書くと、どの映画でも演者はみんな本気だよと言われるかもしれないが、「つやのよる」の本気度は半端ない。おそらくキャスト全員が普通できる以上の演技を引きだされている。
2013-02-09 03:25:10「つやのよる」でキャスト全員が普通できる以上の演技力を引き出されているのはおそらくある演出的な仕掛けによる。それはエピソードごとに作られている人物の対立が演技的な対決にもなっているということである。ベテランさえ他の出演者を圧倒するために自らの実力を越える芝居を強いられている。
2013-02-09 03:33:05カッコいい決め台詞や奇異な人間が出てくる映画ではない。言ってみれば、「おはよう」「ああ、おはよう」だけでわかる芝居のすごさを競わないといけないのだからこれは大変。役者の拠り所は「本気」ということだけであって、その時に生まれる奇跡の集積が「つやのよる」で見ることができる。
2013-02-09 03:37:03そういう意味で「つやのよる」は演技を志す人は見ないといけないのではないか、同じ役を与えられたとき、自分はこれができるのか?そう思いながら見ると、スクリーンの中にいる人の凄さがわかる。自分の本気度の足りなさが判る。
2013-02-09 03:43:51以前、NHKの特番で高倉健さんのドキュメンタリーがやっていたのだが、健さんが熱く言っていたことが「思いは映るんだよ」ということだった。「つやのよる」には、阿部寛、小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶ、名だたる演技者達の自分越えの本気が映っていた。
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