設計契約は請負契約の件

net_headsさん、wt_mkさん、archikataさん、 mozantotaniさんによる一連の会話。
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戸谷茂山 @mozantotani

@archikata 私は前川・鬼頭の流れで発言させてもらいます。日本の建築家は米国やヨーロッパのように「職能」として確立していないのです。施工に耐える図面がひけ、設計責任を負ってちゃんと保険を買うような建築家は少ないです。設計者の品質と施主の理解、両方欠けてますね。

2009-10-27 06:19:56
戸谷茂山 @mozantotani

@archikata なるほど。DBに近いですね。おっしゃるとおり、契約書が非常に複雑になります。ここ(米国)の場合、保険会社が設計図の査定をする場合も多々あります。施工に耐えて責任ある図面が描ければ設計費は高くても良いのですが。。。日本の場合は悪循環ですね。

2009-10-27 06:48:35
@net_heads

日本の場合、実施設計が施工のためではなくて見積のためのもの、という意味合いが強いですね。性能発注なんですよ。制度的にそうなるよう仕向けてきたとのが実態でしょう。RT: @archikata: もうちょっとこの発注者との契約、所員との労働契約と設計、の3つのテーマは詰めてみたい。

2009-10-27 08:55:34
戸谷茂山 @mozantotani

@archikata 危険なのは、日本は請負契約も瑕疵担保も米国の真似をしていますが、基本が違うという点です。建築家が責任を持って施工可能で明快な図面と仕様を利用し、施工図は基本的に必要ない、というのが大事です。基本が無いまま、契約などの表層で解決は出来ないと思います。

2009-10-27 09:02:12
@net_heads

しかしながら実際の業務をやっている私達建築士と、制度設計をした行政(国交省その他)と、契約その他云々を捌く司法の間で、それぞれ設計契約に対する認識が違っていますね。

2009-10-27 09:02:42
@net_heads

専門委員がよくボヤくのは、建築関連法規を民法や刑法などにくらべて蔑視する風潮が司法関係者に多いとのことで、まぁ法体系からすればそうなんだろうけど、裁判が始まると先ず裁判官にレクチャーするのが大変らしい。

2009-10-27 09:14:30
戸谷茂山 @mozantotani

@net_heads 現実を踏まえて変化球で解決する方法は無いわけではないのですが、ただの下請け叩きを「CM」と呼ぶ連中が登場したり、勘違いを増長してしまいがちです。JIAでもセミナーなどをしましたが、どんな方法論を話しても、結果的に「職能の確立」に戻りがちでした。

2009-10-27 09:19:36
@net_heads

設計者の責任範囲という点では、自らがまとめる設計図書が、実際には性能発注であることを意識すれば、見積落ちだとか設計ミスだとかいうのはかなり未然に防げると思う。日本は施工図を設計者が書かないから設計ミスが起こる、というのは日本の制度設計を考慮しない発言だろう。

2009-10-27 09:19:52
@net_heads

消費者保護法はホント怖いですよ。無敵と言ったら言い過ぎですけど。住宅作家は気を付けた方が良いでしょう。RT: @wt_mk: @net_heads 例の記事の案件はどうやら個人で住宅のようだから消費者保護、生存権重視で判決だした希ガス。強引で齟齬は出まくりだけどw

2009-10-27 09:20:57
@net_heads

あと、専門委員のボヤキとして、裁判官はみんなカミさん任せでハウスメーカーで建ててるから、設計事務所のコト分かってない、というのもありました。

2009-10-27 09:21:46
@net_heads

住宅の場合に多いのですが、建築主が設計者を、工事費を下げてくれる魔法使いと考えてるヒトが多いとのこと。施主は設計ではなく工事費を下げる技術に金を支払っているんだ、と主張した原告の弁護士もいたそうです。工事費・設計料に関する訴訟はほとんどが和解となるので、実態があまり表に出ませんね

2009-10-27 09:24:42
@net_heads

建築士は、シケンでもあまり問われないし、実務でもJIAとか四海連合の約款そのまんまだったりで、あまり民法を勉強してない、ってのが他の士業と異なる点ですかね。契約を厚かった民法の解説書は一度目を通した方が良いでしょう。独立を目指すヒトは特に。

2009-10-27 09:26:27
@net_heads

JIAも学会も役立たずと言っては何ですが……個人的には現実的対応と言うよりも、度重なる改正や法規の乱立で見えにくくなった制度を一度すっきりするべきだと考えてますRT: @mozantotani: @net_heads 現実を踏まえて変化球で解決する方法は無いわけではないのですが、

2009-10-27 09:31:40
@net_heads

国交省のとある委員会の仕事をやった経験からすると、国交省は海外、特にアメリカから制度や法規を単に翻訳して輸入するのは止めて、法規の整合性を取ることに精力を傾けるべきだと思う。単体規定なんて別に通達でも良いでしょう。

2009-10-27 09:36:00
戸谷茂山 @mozantotani

@net_heads 米国でも建築家は施工図なんか描きませんよ。ただ、施工出来るだけの情報を出す、数量が拾える情報を出す、ということです。「施工図承認」という言葉に隠れてゼネコンに頼って「再設計」している建築家が多いという問題提起です。

2009-10-27 10:50:55
納見健悟🍣フリーランチ @archikata

そもそも設計が請負契約だとすると、設計仕様を定めないまま発注者が設計図完成直前まで指示をだすという現状の設計プロセスは発注側が請負側の権利を侵害していることにならないか?

2009-10-27 11:07:10
戸谷茂山 @mozantotani

@archikata まります。設計者だけの問題でなく、施主の理解が欠けているのも問題です。

2009-10-27 11:10:13
しかサン @isyokuju

昔いた会社で、isoの建前でそんな書類もあったような。建前ですがそういうので縛れるものかどうか。RT @archikata: そもそも設計が請負契約だとすると、設計仕様を定めないまま発注者が設計図完成直前まで指示をだすという現状の設計プロセスは発注側が請負側の権利を侵害(中略)?

2009-10-27 13:36:20
納見健悟🍣フリーランチ @archikata

日本の設計者のあぶれ具合をうまく活用するには、施工図まで設計者が書く方がいいかも。工事費は単純なマネジメントフィーになるし、そこまで図面があれば分離発注も楽 RT @mozantotani: 建築家が責任を持って施工可能で明快な図面と仕様を利用し、施工図は基本的に必要ない

2009-10-27 13:40:58
納見健悟🍣フリーランチ @archikata

設計図書要求仕様書をCMが作ることになるかな→設計契約=請負契約

2009-10-27 13:42:51
しかサン @isyokuju

先ほどのそんな書類というのは設計要求事項でした。わかりにくくてすみません。RT @archikata: 設計図書要求仕様書をCMが作ることになるかな→設計契約=請負契約

2009-10-27 13:54:53
納見健悟🍣フリーランチ @archikata

なるほど。ですが発注者が契約相手とは別途作成できないと、いつまで経っても訴訟問題になる気がしますが・・・。 RT @isyokuju: 先ほどのそんな書類というのは設計要求事項でした。わかりにくくてすみません。RT @archikata: 設計図書要求仕様書をCMが作ることになる

2009-10-27 13:57:22
納見健悟🍣フリーランチ @archikata

難しいですが、「単純に分離発注でコストが下がる」みたいな認識が蔓延ってきて、従来の設計図で発注してトラブルが多発している事例も多いです。 RT @mozantotani 「Plans & Specs」という基本を揃えるには、米国並の厳しい標準化と法律・規定の整理が必要なのが

2009-10-27 13:59:32
納見健悟🍣フリーランチ @archikata

それと法律規定の制定とともに、保険制度でカバーできる体制を作らないといけないとも思っているのですがどうでしょうか。CM業務でも、外資系クライアントが要求する保険を日系企業では引き受け手がおらずロイズと延々交渉する羽目になったことがありました。

2009-10-27 14:04:26
しかサン @isyokuju

最高裁判決ではないのはその配慮でしょうか。請負的な設計と、委任的な設計は、明確に分けることは難しいので個々に判別しようと。訴訟前提で。うーん。RT @archikata: 発注者が契約相手とは別途作成できないと、いつまで経っても訴訟問題に(略)

2009-10-27 14:23:55