ヨウ化ナトリウム治療について(医療用の被ばくはけた違いに大きい話)
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治療のための、期待照射線量は 30~70Gy
ヨウ化ナトリウムカプセル治療とは
(PDF)http://fri.fujifilm.co.jp/med/products/therapeutic/ri/pack/pdf/fri_med_cap_interview.pdf
甲状腺ガン、あるいは甲状腺亢進症の患者さんで、甲状腺部分を取り除きたい場合、数千Mベクレルのヨウ素131ナトリウム剤を服用します。(容量は個々の患者さんの状態によって変わりますが、Mベクレル単位であるのは間違いないです)
ヨウ素131は甲状腺に集中的に溜まり、甲状腺に入らなかった分は24時間以内に72%排出されてしまうので、他の臓器が傷むことを心配する必要がないからできる治療です。(つまり甲状腺部分を選択的に破壊できます)
この時、排出経路の一つになっているのが鼻の粘液で、(主な経路は尿です)初日には、5%甲状腺集積率の甲状腺ガン患者さんの場合で、72%が排出されますが、このうちの何某かが鼻を経由しています。でも鼻血はでません。
ちなみに患者さんは結構高い放射能をもつことになって、暫く遮蔽部屋に隔離されます(遮蔽部屋の確保が各病院で非常に大変なため、治療を待つ患者さんの待ち行列ができてしまうそうです)、出れるようになる目安は投与量もしくは残留量500Mベクレル 患者さんから1m離れた人の1㎝線量が30μSv/hだそうです。
まれに副作用がありますが、(白血病等々)その副作用よりもメリットが大きいと判断されていて、実際に世界中で行われて甲状腺癌や甲状腺亢進症患者さんを助けています。人間の体は放射線に強いなあと改めて考えさせられる治療です。
(とはいえ、放射能の扱いは慎重に行われています)
用法及び用量
(1) バセドー病の治療
投与量は,(1)甲状腺 131
I 摂取率,(2)推定甲状腺重量,(3)有効半減期等をもとにして,適切な量(''期待照射
線量 30~70Gy'')を算定し,経口投与する.
(2) 中毒性結節性甲状腺腫の治療
結節の大きさ,機能の程度,症状等により適切な量を経口投与する.
(3) 甲状腺癌及び転移巣の治療
本品を 1 回あたり 1.11~7.4GBq 経口投与する.一定の期間後症状等を観察し,適宜再投与する.
(4) 甲状腺癌転移巣のシンチグラム
本品 18.5~370MBq を経口投与し,一定時間後に甲状腺癌転移巣のシンチグラムを得る.
検査の線量はそれほどは高くない
参考:放射線を利用した診断とは(GIFつき) http://t.co/23VFi6qrby 循環器病情報サービス http://t.co/uTthU4Zm00 RI検査1回あたりの被ばく量は0.2から8ミリシーベルト(mSv)。被ばく量は多くてもX線CT検査ぐらい。
2013-04-19 07:51:06公開前の質問
@leaf_parsley お時間はいっぱいあるんですが、イーモバ先生のご機嫌次第で返事はできなかったりするのと、そもそも二日酔いでむつかしいこと考えたくない状態なので、質問とかは投げといていただければ後でお返事します。
2013-02-10 12:50:10@PKAnzug ありがとうございます。こないだの一件で、甲状腺ヨウ化ナトリウム治療(とヨウ素123を利用したシンチ)について、わかりやすいレジュメを作っとこうかと思ったんです。元材料(PDF)は⇒ http://t.co/pbVbz0dL のへん。(これ詳しいですね)
2013-02-10 12:54:20@leaf_parsley @PKAnzug お尋ねしたいのは、①この資料を基にレジュメ化するのは問題ないでしょうか?
2013-02-10 12:59:07@leaf_parsley @PKAnzug ②問題ないとして、ここで触れられている「正常の甲状腺は 24 時間後 20~30%を摂取し,残部は尿中に排泄 される」とあるのは、ヨード除去食を受けた後の数値でしょうか、それともそういう前提はなく通常状態でしょうか?
2013-02-10 12:59:58@leaf_parsley こういう「治療してすぐ家に帰る人」を想定したガイドラインも参考になると思います。そんなにややこしい治療じゃないので、医療従事者でない方でも十分に理解できる類いのガイドラインかと。 http://t.co/mu3mcS06
2013-02-10 13:04:45@leaf_parsley @PKAnzug ③この資料に触れられていないけれども議論の的になるような関連事象はありますか?
2013-02-10 13:06:05@leaf_parsley その数値はヨード除去食を前提としたものですね。ヨード除去を1週間ほど行った上での検査で、15~25%が正常値とされています。30はちょっと多くて、35越えるとバセドウ病疑いになります。
2013-02-10 13:10:09@leaf_parsley その文書を読むのはちょっと後でもいいでしょうか。文書自体にはたぶん問題ないと思いますが、読んで確認するには「二日酔いで振り子式特急に揺られている」という状況に若干問題がありましてw
2013-02-10 13:13:10@PKAnzug (35%集積率で、すでに多いんですね、、ちょっとびっくりです。)除去食を行わなかった場合の集積率は正常な状態でどのぐらいだと推測されていますか?
2013-02-10 13:14:46@PKAnzug もちろんお待ちします、(例のまとめを作った時に、この資料と鼻血の副作用がないという先生のツイートから、http://t.co/FE5sGebS を追記したんですが、これはよろしいですか?)
2013-02-10 13:16:27@PKAnzug 実はこのガイドラインも読んだのですが、数値がいまいち漠然としていて、、、それで製薬会社の医薬品インタビューフォームのほうへシフトしちゃったんです。
2013-02-10 13:19:34@leaf_parsley 私のいた施設ではヨード制限しない状態でのヨード摂取率検査って基本的にしなかったんで、ヨード除去無しでの正常値ってちょっと難しいんですよね。ただ、7%くらいの人を問い詰めたらヨード制限失敗例で、再検査で20%越えてたという事例はありました。
2013-02-10 13:25:59@PKAnzug (失敗例あるんですねw そりゃあそうか、除去食は本人が自主的にやらないといけないから、中にはサボる人も、、、)ということは7%! これは情報価値が高い!!ありがとうございます!!
2013-02-10 13:32:15@PKAnzug 文献の例にあった甲状腺ガンの患者さんの場合で、5%の甲状腺集積率だったんですが、それは、除去食を行っても5%しか集積しないぐらい、甲状腺機能が失われているという意味なんですね。
2013-02-10 13:45:25@leaf_parsley @PKAnzug 食事習慣によって、甲状腺肥大になっている場合、甲状腺集積率はどのぐらいと推定すればいいですか?
2013-02-10 13:47:17@leaf_parsley 文献は読むのがアレなので一般論だけ返しますが、甲状腺癌の方に摂取率検査ってあまりしないんですよ。治療の方針にはあまり関係ないので。ただ、甲状腺癌は正常甲状腺より甲状腺機能の低い組織が甲状腺を侵食していくので、進行すれば甲状腺機能はガッチリ下がるはず。
2013-02-10 13:51:05@leaf_parsley ヨード過剰摂取による単純性甲状腺腫ってやつですね。私自身は診た経験が少ない上に摂取率の検査はやってないので正確なところはわかりません。ただ、教科書的には「甲状腺機能は正常」が特徴の1つなので、正常と大きな違いはないんじゃないでしょうか。
2013-02-10 13:56:30