イザヤ・ベンダサン@Isaiah_BenDasanの「「ゴメンナサイ」といえば、行為は不問に付するが、「ゴメンナサイ」といわなければ、そのいわないことを追及する日本人の行き方」

イザヤ・ベンダサンbot @Isaiah_BenDasan

26】前述の下獄した日本人留学生の場合を例にとりますと、彼を法廷に立たしたドイツ人の行き方を、彼らは「ユダヤ教的律法主義」と考え、「ゴメンナサイ」といえば、行為は不問に付するが、「ゴメンナサイ」といわなければ、そのいわないことを追及する日本人の行き方をキリスト教と考えることです。

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27】すなわちこの場合、日本の教授や司書の役割をキリストが行なっている――ということは、キリストに、「ゴメンナサイ、私の責任です」といえば、一切の行為は不問に付される、と考えていることです。

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28】彼らがそう考えるのは彼らの勝手で、別に異議を申立てようとは思いませんが、こまることは、それをキリスト教と考えて、勝手に、西欧でも、それが「基準」だと思い込んでしまうことです。前述の大学生などは、あるいはそういう思い込みの犠牲者かも知れません。

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29】そしてさらに恐ろしいことは、日本人は本心では「西欧」を世界と考えているので、これが世界に共通する普遍的な「基準」すなわち異論の許されない真理と信じ込んでしまっていることです。この奇妙な関係は日本教徒の死刑廃止論にも表われています。

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5】…「私の責任＝責任解除」は責任回避の意味ではないと書きましたが、この点、ややわき道にそれますが、少し説明を加えるべきかと思います。

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6】日本人の責任回避は、いわば「ほおかぶり」で、徹底的に応答を拒否するという形になりますが、表現の仕方が違っても、責任回避が応答の拒否であるという点では、どの民族もほぼ同じといえましょう。

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7】「ゴメンナサイ＝私の責任です＝責任解除」はもちろんこれとは別で、私はこれを日本教＝人間教における一種の「懺悔→告解」と解しております。いわば「相互懺悔⇔相互告解」ともいうべきもので、（続

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8】続＞お互いに「私か悪かった」「いや私が悪かった」「ゴメンナサイ」「いや私の方こそゴメンナサイ」という形で、ちょうど「私は罪をおかしました…」に始まるカトリック教徒の懺悔を「人間相互」に行なうという形になり、それにより「和解」が成立する、といえると思います。

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19】その事実を記し、それを日本人の責任だと言ったことによって、そういった者の責任およびそれを掲載した者の責任は免除され、またそれを読んでこの事実を知リ、我々の責任だといった者は、その瞬間に責任が免除される。

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20】だが、我々の責任だと認めない者、いわば『ゴメンナサイ』と言わない者は徹底的に追及される、という――。これは確かに日本教の世界では正しい。しかし日本教の外の世界では通用しない。

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■第19話　日本への視点（９）―「日本教」論① http://t.co/PNAaLujD ↑ベンダサンの思想がわかりやすく紹介されています。

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■第20話　日本への視点（10）―「日本教」論② http://t.co/QoqvDeYs ↑ベンダサンの思想がわかりやすく紹介されています。

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■第21話　日本への視点（11）―「日本教」論③ http://t.co/oTwkX8Mr ↑ベンダサンの思想がわかりやすく紹介されています。