27歳の猫（黒猫キメラの聖職者、番外編）

秋月ネコイ @kuro_nya_

27歳のデルタのイメージが固まりつつあるのでちょくちょく書いてるの巻。

秋月ネコイ @kuro_nya_

「貴方が好きです」宇奈月にそう告白された。アコ時代より大きくなった背、意思を込めた瞳。いつも俺の後をついてきた相棒。不意の告白に「お、おう…」としか返せなかった。「俺は、キメラだぞ」「解ってます」「お前を好くことは出来ても、抱けないぞ」「知ってます」 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

わかってる。宇奈月は姿を消した俺を追ってここまで来た。俺が宇奈月の姉を祓うのを手伝ったあの日から、俺を好いていたことを。「いつ狩られるかわからない俺の側にいるのか？」「はい」「巻き込まれるぞ」「もう巻き込まれてますよ」馬鹿、そんな顔するな…マジ、困るんだよ…… #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

27歳の猫は奥手というか、自分の運命に誰も巻き込みたく無い気持ちが強い。既に数人巻き込み、2人は鬼籍になっているから尚更。

秋月ネコイ @kuro_nya_

久々にルティエの果てにあるホームに戻り、俺を造ったマムに逢った。俺の姿を見てマムはこう言った。「もうここに留まりなさい。貴方は弱りすぎている」その言葉に苦笑を浮かべる。俺を抱いてくれたアイツ、俺を犯した奴、今迄の行為が蓄積されて俺は力が出なくなっている。 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

「大丈夫だ。力が無くなったって、怪我してる時に喰われなきゃ死ぬわけじゃないだろ？」そう言うとマムは困った顔をする「デルタ…貴方はこれ以上抱かれたら、人以下の力になるわ。武器も握れず走ることも出来なくなる」冒険者としては死の宣告だな、と俺は笑う。 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

「貴方は頑張った。散り散りになったキメラの子たちをここまで連れ戻してくれた。もう休んでいいのよ」マムの手が俺の手に重なる「母としての、お願い」震えるマムの手を俺は握り返す。「マムの気持ちは良くわかる。だけどな、俺はまだやり残した事がいっぱいあるんだよ」 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

そう言って俺は席を立つ。マムは悲しげな、子を手放したく無い母親の瞳で俺を見る。「まだ世界を相棒と巡り切っていない。それに、右目の怨返しも終わっていない」幾つになっても老いないマムの頬にキスをする。「全てが終わったら、帰るよ」 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

久々にクローバー邸に顔を出した。ここは俺の第二のホーム。家長のティーマーとは長い付き合いがある。栗色の髪に同じ色の猫耳と尻尾。琥珀色のくりくりとした目。身体よりも大きめなABの法衣。出会った時から変わらぬ容姿。俺とはまた違う猫。「久しぶり」「ああ。久しぶり」 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

ここにきた時は必ず何か料理を作る。俺を「家族」だと言ってくれた以上、家事はやっとかないと思う。「デルタ、僕キッシュが食べたい」ティーマーがひょっこり顔を出し、料理の追加を要求する。「あいよ」と俺は答えて卵とベーコンとほうれん草を取る。ここではいつもの光景だ。 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

孤児を引き入れているこの家では食事となると騒がしくなる。俺もティーマーも子供らも一緒に皿をつつく。嵐のような夕げが終わり、俺はティーマーと紅茶を啜る。「そういえば…最近デルタは悪夢を見なくなったのかな」栗色の尻尾を揺らし、ティーマーが尋ねる。 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

「あの夢は時たま見るようになった。日刊じゃなくなったから進歩かな」そう答えるとティーマーは良かった、と笑う「また今夜も悪夢で震えるデルタの抱き枕になるのかな、と思った」この言葉に紅茶を噴く。「まだ俺をあの時のまんまだと思っているのか？」「そうだね。君は変わってない」 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

悪夢も見ずに一夜を過ごし、俺はクローバー邸を後にする。「また泊まりに来てもいいか？」いつもの質問にティーマーはいつもの返答をする。「いつでもって、家族だから当然じゃないか」「だな」顔を見合わせて笑う。血も種属も違うけど、俺はいつでもティーマー達と家族だ。嬉しい。 #27歳の猫

秋月ネコイ @kuro_nya_

(,,ﾟДﾟ)おい俺の青石がねーぞ ('ω'*)すみません。最近SW覚えたので頂きました。 (,,ﾟДﾟ)頂きましたじゃねーだろWL！オマエRGに守ってもらえよ！ ('ω'*)その為の青石です ＼('ω'*)／＜SWからの集中リコグクリムゾン (,,ﾟДﾟ)<なー！ #みみる鯖