税理士試験【簿記論・財務諸表論】の最近の傾向と考察

税理士試験の受験指導をしている税理士・簿記論講師である暮木孝司氏の最近の税理士試験の傾向および今後の財表理論の学習方法等のつぶやきをまとめてみました。
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暮木孝司 @bokironkousi

昨年は財務理論で基準の原文からの穴埋めは出題されていない。出ない理由が「単純な穴埋対策」(丸暗記防止)なら、今年も出題されない。基準の理解を問う出題はあるだろうが、出もしない事(単純な穴埋対策)は学習のリストから外していい。覚えるなら意味をとりながら何度も読み、考える方がいい。

2013-02-26 18:41:37
暮木孝司 @bokironkousi

すごくできる人は基準のちょっとした字句は間違える。一字一句なんか覚えない方ができる人になれる。あたりまえ。

2013-02-26 18:48:16
暮木孝司 @bokironkousi

財表理論の顕著な傾向は基礎から応用へのシフト。応用は基礎を使いこなす事なのだから、対策は基礎概念を軸とした理解中心の学習にある。文章の暗記は不要というより邪魔。会計のルールである会計基準そのものの理解と基礎概念の「内容」を重視した理解型の学習が目指すべき方向性。

2013-02-26 19:28:31
暮木孝司 @bokironkousi

基礎から応用への出題傾向の変化は簿記検定や会計士試験等の傾向変化とも符号する。いわば覚える学習から考える学習への変化。時代の流れにも即している。時代に逆行する傾向なら単純な予想には慎重であるべきだが、今後も同傾向は続くハズ。試験委員の交代でも傾向が変わるとは思えない。

2013-02-26 19:31:12
暮木孝司 @bokironkousi

ベタ書や基準の穴埋めの暗記といった硬直的学習方法を見直すべき理由の一つが実際の出題とテーマとの関係。平成22年まではテーマからのバラつきが大きい問題が一問、比較的まとまった問題が一問の構成。平成23年からはバラつきが2問とも大きい。予想やABCといったランク付けの意味も小さい。

2013-02-26 19:37:01
暮木孝司 @bokironkousi

前々回からの変化は私の予想を上回っていた。完全な基準文言の穴埋めの排除やこれまで出題されていなかった直近テーマの再出題。出題者はかなりの工夫を凝らしている。この傾向に現状が即していないと判断すれば変化に一層の傾斜をかけるだろうことは想像に難くない。かなりの確率でそうなるとみる。

2013-02-26 19:43:06
暮木孝司 @bokironkousi

財表理論での出題は研究ではなく、いわば会計処理の根拠や理屈。よく言う「本気を出す」というのも研究者としての本気ではない。試験に相応しい内容の出題と採点を厭わないという意味。本気を出したら同じ分野の研究者以外に何も書けない。税理士試験で学者になるほどの学習は要求されない。

2013-02-26 20:11:59
暮木孝司 @bokironkousi

試験で問われるのは会計処理の根拠やその背後にある理屈。これを簡単に説明できるのが専門家。処理しかできないのはただの詳しい素人。 目指すのはいずれか?

2013-02-26 20:14:20
暮木孝司 @bokironkousi

税理士試験の5科目を試験で揃えた人なら経験があると思うが、出題予想や勉強法でも私を含めて講師のいうことはあてにならない場合が多い。まず、受験科目の直近の出題や出題のポイントを参考にすべき。他者のいうことに耳を傾けるのはその後でいい。

2013-02-26 20:56:22
暮木孝司 @bokironkousi

財表理論で文章暗記は必要ないし、試験傾向にも即していない。文章の暗記では本質的理解が遠のき、応用力がつきにくい。大事なのは実質。文章は実質の形式的表現に過ぎず、形式を先行させれば知らずにこれに縛られる。内容の理解なしには形式に縛られることの意味を知るのも難しい。

2013-02-26 21:10:48
暮木孝司 @bokironkousi

文章の暗記が試験的な意味を持つのは試験問題がベタ書のケース。財表理論の出題が元に戻ることは一昨年から昨年の流れを考えても極めて想定しにくい。

2013-02-26 21:12:36
暮木孝司 @bokironkousi

試験の1~2月前までキーワード中心で理解に努め、むしろそれを繋げる練習をすべき。会計基準の穴埋め箇所も覚える必要はない。覚えるなら意味をとることに専念すべき。むしろ文章を覚えたら負け。

2013-02-26 21:29:12
暮木孝司 @bokironkousi

超重要な会計基準(たとえば企業会計原則 損益計算書原則一A)は、機会あるごとに目に入るハズで、それを通じて穴埋はそれなりにできるようになる。間違いはチェックすべきだが答え(穴埋箇所)を覚える必要も必然性もない。大事なのはロジック。覚えるのではなく、結果として覚えたのは構わない。

2013-02-26 21:30:54
暮木孝司 @bokironkousi

理解型の学習の肝はアウトプットにある。形式は多様でいい。問題を実際に書いて解くのが基本。理解(入力)のための出力との意識が重要。アウトプットは話す事でも代用可。計算の演習量を考えれば、ベタ暗記でない理論の演習が必要なのは自明だろう。頭の良し悪しとか記憶力の問題ではない。

2013-02-26 21:33:44
暮木孝司 @bokironkousi

完成された模範解答の文章を覚えるのは、例えれば計算で総合問題の手順を端から覚えるのに近い。それでは応用が効かないのは理論も同じ。覚えた文章を経由してかろうじて身に付けた知識に発展性はない。全学習期間の8割程度は理解に徹し、文章を覚えるなら最後でいい。

2013-02-26 21:48:50
暮木孝司 @bokironkousi

身につけた理論は使えるが、覚えた理論は使えない。理論は稚拙でも構わないが使わないと身に付かない。身につけ方は、受験なら2年目以後に活かせるし、勉強だけではなくその後の実務にも活かせる。覚えて終わりではその後の受験にも、実務にも活かすことはできない。

2013-02-26 22:05:33