化学反応・核分裂反応・核融合反応のエネルギー比較
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核分裂反応によるエネルギー発生
核分裂反応での「質量欠損」
核分裂反応とは、一つの原子が複数の原子に分裂する反応のことで、例えば 235U+n→95Y+139I+2n という反応。ここで、反応前後での質量を計算してみる。 http://t.co/4YF9aIPdLt
2013-03-02 18:31:59それぞれの原子(と中性子)はそれぞれ、n=1.009[u]、235U=235.044[u]、139I=138.926[u]、95Y=94.913[u]、の質量を持っている。そこで、さっきの核分裂反応の前後での質量を計算すると・・・
2013-03-02 18:32:20反応前 235U+n の質量=236.052[u]、反応後 95Y+139I+2n の質量=235.856[u]。あれ?一致しないね。反応前の質量と反応後の質量の差は 0.197[u]。 http://t.co/nIzHznOR4q
2013-03-02 18:34:26失われた質量から発生したエネルギーを計算
実は、この失われた質量が、エネルギーとして転換されている。アインシュタインの発見した有名な方程式 E=mc^2 は、このことを示しているわけ。Eはエネルギー(単位:[J])、mは質量(単位:[kg])、cは光速度(=2.998×10^8[m/s])。
2013-03-02 18:34:46失われた質量は0.197[u]=3.263×10^-28[kg]なので、エネルギーは(3.263×10^-28[kg])×(2.998×10^8[m/s])^2=2.933×10^-11[J]。
2013-03-02 18:35:08さらに、1[eV]=1.602×10^-19[J]なので、失われた質量分のエネルギーを[eV]に換算すると、1.830×10^8[eV]=183[MeV]。これが、ウラン235一つの核分裂反応のエネルギー。
2013-03-02 18:35:26核融合反応のエネルギー発生
核融合反応での「質量欠損」
核融合反応は核分裂反応とは逆に、複数の原子が一つの原子に融合する反応のこと。例えば D+D→T+p という反応。核分裂反応と同じように、反応前後での質量を計算してみる。 http://t.co/uMpY6mWnhn
2013-03-02 18:37:04とすると、反応前 D+D の質量=4.028[u]、反応後 T+p の質量=4.023[u]。その差は 0.005[u]。核分裂反応と同じように、この質量差がエネルギーとして転換されている。 http://t.co/HRGIxH9hE3
2013-03-02 18:37:53失われた質量から発生したエネルギーを計算
例によってE=mc^2に当てはめると、このエネルギーは 7.280×10^13[J]=4.544×10^6[eV]=4.54[MeV] と計算できる。
2013-03-02 18:38:26細かいところは目をつぶってね(^^;
・・・あれ?DD反応のエネルギーは、いろいろ調べると4.04[MeV]だ・・・ずいぶんと違いが・・・何度計算してもこうなってしまう・・・とりあえず考え方がわかればいいから、この計算値のままいくね。
2013-03-02 18:38:47化学反応・核分裂反応・核融合反応の発生エネルギー比較
それじゃ、いよいよ(何が?(^^))、それぞれの反応での発生エネルギーを比較してみる。それぞれ、1[g]を燃料としたときに発生するエネルギーを計算してみるね。
2013-03-02 18:39:12化学反応のエネルギー
まず化学反応(燃焼)のエネルギー。燃料は炭素C。酸素O2も計算したほうがいいのかもしれないけれど、燃料として用意するのはCだけなのでO2は除いておく。
2013-03-02 18:39:32炭素原子の質量は 12[u]=1.993×10^-23[g]。ということは、1[g]中の炭素原子の数は 5.018×10^22個。炭素原子1個で11.48[eV]のエネルギーが発生するので、1[g]では 8.331×10^23[eV]。
2013-03-02 18:39:54核分裂反応のエネルギー
次に核分裂反応のエネルギー。燃料となる235U原子の質量は 236.052[u]=3.920×10^22[g]。1[g]中の原子の数は2.551×10^21[個]。235U原子1個で1.830×10^8[eV]のエネルギー発生で、1[g]の場合は4.670×10^29[eV]。
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