茂木さんの朝の連続ツイート2010年8月

2010年8月4日「勉強」 から 「秋刀魚の味」「就職」「タイガージェットシン」「赤毛のアン」「利他」「笑い」「国境」「独学」「美人」「ツイ」「戦争」「憲法」「青春」「情熱」「効率」「弱さ」「おまかせ」「フロー」「変化」「映画」「男女脳」「ネット」「サンデルさん」「隣人」「英語」「(佐藤賢一さんと歴史の話になった時のことを思い出しながら)」「アジア」「海」
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茂木健一郎 @kenichiromogi

サンデルさん(4)パートナーを選ぶ時、その外見や資質で好きな人が決まるのは公正だと思うかとサンデルさんに聞いた。すると、サンデルさんは、「それはいい質問だ。その質問を、本の中に入れておけば良かった」と言って、しばらく黙って考えた。

2010-08-26 12:40:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

サンデルさん(5)パートナー選びにおいては、収入の多少のように、単一の基準があってランクが決まるのではない。プラトンがかつて言ったように、それぞれの個性に合うパートナーを探すのである。そのように考えれば、公正であると考えられる。サンデルさんの結論はそうだった。

2010-08-26 12:41:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

サンデルさん(6)ハーバード白熱教室をつくる時、準備が大変だったという。映りたくないという学生のために、教室の中にカメラに入らない席も用意した。しかし、実際に授業が始まってみると、皆カメラに映る席に座りたがったという。

2010-08-26 12:42:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

サンデルさん(7)大学におけるリベラル・アーツの教育は、絶対に必要だとサンデルさん。専門教育だけでは足りない。なぜならば、リベラル・アーツは、人間として、good lifeを送るためには不可欠な素養だからと言う。

2010-08-26 12:44:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

サンデルさん(8)ベンサムやミル、カントなどの古典と、現代の問題を結びつける授業のやり方を通して、学生が古典を読むモチベーションが上がるのだとサンデルさん。古典が、自分たちとは無縁の存在ではなく、現代の諸問題と関連するのだと知ると、目の色が変わるという。

2010-08-26 12:45:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

サンデルさん(9)ハーバードに来る学生は、みな、strong opinion(強い意見)を持ってやってくる。そんな彼らを、ただ論争に勝つというのではなく、学問的見識、社会全体からみた公正さという視点へと導いてやるのが、大学教師の醍醐味だとサンデルさん。

2010-08-26 12:47:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

サンデルさん(10)TEDのような、世界全体に広がる、しかもできればインタラクティヴなメディアが、大学のような学術機関の未来であるとサンデルさんは力強く言った。日本食が大好きで、今晩の夕飯を楽しみにしている。そういうサンデルさんは本当にうれしそうだった。

2010-08-26 12:48:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、『ハーバード白熱教室』のマイケル・サンデルさんと1時間話したあとの、連続ツイートでした。

2010-08-26 12:48:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(1)シンガポールから帰ってきた。いろいろな意味で、日本よりも進んでいた。日本の隣人たちのことについて、少し書いてみたいと思う。

2010-08-27 07:24:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(2)シンガポールにも、少子高齢化の問題がある。しかし、外国人を積極的に受け入れることで、活気を保っている。住人の40%が外国人。一方の日本の移民政策は周知の通り。移民を受け入れずに日本がどのように「沈没」していくか、その社会実験を(ネガティヴな意味で)世界が注視している。

2010-08-27 07:26:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(3)相変わらず、中国や韓国などの隣人を悪しざまに言う人たちがいる。そのような言説を乗せてもうけるメディアがある。これらの言説は、自己満足という意味においては何らかの意味を持つのかもしれないが、日本の発展を阻害している大きな要因になっている。

2010-08-27 07:28:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(4)隣国の悪口を言う人たちへ。あなたたちは、その隣人たちと直接話したことがありますか? それとも、日本語で書いたものが、日本人によって読まれることだけで満足しているのですか? もし後者だとしたら、そのような言説は信頼できない。

2010-08-27 07:29:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(5)もし、自分の恋人が中国人や韓国人だったら。自分の息子が、中国人と結婚すると言い出したら。自分の娘が、韓国の青年と恋におちたら。そのような事態になってもなお、隣国の悪口を言い続けられるのか? そのような覚悟がない言説は、そもそも参照するに足らない。

2010-08-27 07:31:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(6)日本の「論壇」を作っていると言われる総合雑誌、週刊誌は、隣国の悪口を書いて「ガス抜き」するような言論人を相変わらず起用し続けている。その結果、時代遅れの文明観をながらえさせ、結果として日本の国益を損ねていることに気付いていない。

2010-08-27 07:32:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(7)日本が隣国と抱えている国境紛争を、あたかも相手国の悪意の結果のように言い続ける人たちがいる。しかし、国境に関する紛争は、実は、世界のあらゆる国家間に普遍的に見られる。もともと誰のものでもない地球の上に線引きするという、「国家」という制度に内在した脆弱性に過ぎない。

2010-08-27 07:34:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(8)先日、韓国を訪問した時、世界遺産に指定されている水原の古城の門のところで、おばさんたちがずっと座って話し込んでいた。暑い日だったが、そこだけ風が通って涼しかったのである。世界遺産が語らいの場になっている。素敵な光景だと思った。

2010-08-27 07:35:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(9)南京を訪問した時、たくさんのスイカ屋さんがあった。一つのスイカ屋さんの前の路上に、ベッドが置いてあった。初日はおじさんが、二日目はおばさんが寝ていた。素敵な暑気払いのやり方だと思った。

2010-08-27 07:37:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(10)「観念」として隣国を批判する人たちの言説は、一切信用するに足らない。実際に現地に足を運び、そして話をしてみれば良い。それでもなお何か言いたいことがあるならば、もちろんよろこんで耳を傾ける。

2010-08-27 07:38:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

隣人(11)世界的に見れば、日本が、活気あふれるアジア地域の中にいることは、貴重なアドヴァンテージである。その利点を活かすには、隣人たちと行き交うしかない。ネットワーク性を活かすことで、日本は、再び日の昇る国になる。歴史的には、実際に行き交いが行われてきたのだ。

2010-08-27 07:41:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(1)英語は、「文法的に正しく話そう」と思うよりも、とにかく話すパッションが大切である。日本人が英語を話すことが苦手なのは、「正しく話す」という意識でがんじがらめになってしまっているからであろう。

2010-08-28 08:01:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(2)英語の発話に関する脳の自発性の回路を作動させるためには、「脱抑制」が必要である。抑制を外してしまえば、あとは言葉を自動的に生成してくれる。言葉を生成する自分の無意識の邪魔をしてはいけない。

2010-08-28 08:02:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(3)言語はオープン・システムであり、学習過程においては、知っている単語、知らない単語を含めて、一切制限があってはいけない。わかる領域と、わからない領域が、常に混在するかたちでよい。

2010-08-28 08:04:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(4)文科省の指導要領のように、中学で学ぶべき単語はこれだけと制約し、その範囲で英文を組み立てるのはナンセンスである。だからつまらない教材になる。

2010-08-28 08:04:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(5)母国語を習得する時、大人たちは単語数を制約などしてくれない。「この子はまだ5歳だから、今日は500単語の範囲で話そう」などと配慮してくれる大人がいるだろうか。最初から、無制限の単語の海に投げ込まれて、泳ぐことを学べば良いのである。

2010-08-28 08:05:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(6)単語の意味は、辞書的に天下りで与えられるのではいけない。脳の中で、その単語の用例の無数のエピソード記憶がたくわえられ、それらが「編集」されて、徐々に意味記憶が生み出されていくのである。

2010-08-28 08:06:54
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