田中ピカ○ュウの火力主義講座#3

Wグデーリアンの陸戦講義の裏メニュー的な何かです。 今回もアフリカ戦線についてのお話がメインです。
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田中ピカチュウ @sovozisan

完全不定期ですが、講座行きます 前回講座の終わりである1942年夏からのお話です。もうソ連軍の事話したくてウズウズしてますが、きちんと順を追います。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:01:32
田中ピカチュウ @sovozisan

モントゴメリーが北アフリカ戦線の指揮を執り始めたのは1942年8月18日のことです。日本では、保守的で物量に頼る作戦を行う将軍として有名です。ノルマンディでイギリス軍の攻勢が頓挫する様はその愚かさの象徴のようです #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:03:09
田中ピカチュウ @sovozisan

砂漠の戦いもモントゴメリーの登場から一転して物量作戦に切り替わり、何だか面白味がなくなった気分になります。しかし保守的なモンティが登場したからイギリス軍の戦術が大きく転換したのかといえば、それはまったくの間違いです。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:04:50
田中ピカチュウ @sovozisan

敵軍の機動戦を受け止めてその主力を撃破し、攻勢に転じるには砲兵火力の集中こそが重要である。との認識は1939年秋以来、まったく変わっていません #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:06:01
田中ピカチュウ @sovozisan

ただ、戦間期の機動戦ブームによって吹き飛ばされてしまった組織と、フランスでの敗戦で失われた装備を大慌てで再建、補充するのにほぼ2年の月日が必要だったのです #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:07:27
田中ピカチュウ @sovozisan

今回はその間にイギリス陸軍が何を変えようとしたのかを話します。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:08:15
田中ピカチュウ @sovozisan

火力集中のためには弾薬の集積が重要です。第一次世界大戦では十分な弾薬の集積を待って作戦を開始し、長期間の準備砲撃で敵の防御線を無力化するのが定石でした。けれどもこうした戦術は「攻勢を敵に知らせるようなものだ」との批判が存在します #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:09:40
田中ピカチュウ @sovozisan

イギリス陸軍はあれこれ迷いながらも、それでもなお大規模火力集中主義を貫き通しましたが、お蔭で敵砲兵の無力化を実現して敵砲撃による戦死傷者を激減するという大成果を上げています。奇襲効果による敵軍の無力化を重視したドイツ軍とは全く異なります。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:11:35
田中ピカチュウ @sovozisan

機動戦で戦わざるを得なかった初期の北アフリカ戦線でも、イギリス陸軍は火力主義を機会さえあれば実施しています。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:12:50
田中ピカチュウ @sovozisan

1940年にエジプトに侵入したイタリア軍を迎え撃ち、攻勢に転じてバルディア、トブルクを攻略する際にも、半月近い日数をかけて砲撃が行われています #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:14:22
田中ピカチュウ @sovozisan

1941年1月21日のトブルク攻撃ではイギリス軍歩兵は第一次世界大戦そのものの対砲兵射撃に支援され、突撃時には「クリーピングバラージ」に守られて前進しています。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:15:17
田中ピカチュウ @sovozisan

さてここでちょっと補足に入りたいと思います。相当長くなるのでもしかしたら講座そのものを翌日以降に分ける可能性がありますが、少々お付き合いください。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:16:16
田中ピカチュウ @sovozisan

塹壕とは有利な地形を選び掘られるため、地図で見ると大きく蛇行しています。その蛇行した塹壕を、砲兵が横一列に砲撃を行い、砲撃が終了するともう少し敵の後方を狙って撃つ。という形がリフティングバラージです。#田中ピカチュウの火力主義講座 http://t.co/dRplH3EDoe

2013-03-05 22:21:23
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田中ピカチュウ @sovozisan

リフティングバラージの問題点は、敵塹壕を同時に制圧することが出来ないという物でした。最初に攻撃を受けた塹壕と、最後に攻撃を受ける塹壕とでは、時間差がありすぎるのです #田中ピカチュウの火力主義講座 http://t.co/Pgdx3PeNsX

2013-03-05 22:23:02
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田中ピカチュウ @sovozisan

砲撃を受けて居ない陣地に突撃を行っては生きた敵火点による犠牲が出て、砲撃済み陣地に突撃を行っては地下で待機していた兵士が出てくる。といった感じです #田中ピカチュウの火力主義講座 http://t.co/bUVMRvwbkl

2013-03-05 22:25:02
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田中ピカチュウ @sovozisan

青のラインで塗りつぶされたエリアは下に潜っていて、砲撃が終わった途端出てくると考えると、分かりやすいかなーと思います。汚いですが…… #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:25:46
田中ピカチュウ @sovozisan

この問題点を解決するために考案されたのがパイルアップバラージです。最初に横一列に砲撃を行うのはリフティングバラージと同じですが、違うのは前進の仕方でした #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:27:44
田中ピカチュウ @sovozisan

敵塹壕に砲撃を行った砲兵は、その塹壕への攻撃を行い続けるのです #田中ピカチュウの火力主義講座 http://t.co/mtW3KqJIYV

2013-03-05 22:29:59
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田中ピカチュウ @sovozisan

このパイルアップバラージも問題点は明確でした。リフティングバラージと違い、未発見の敵火点を制圧出来ず、また敵塹壕の形を完全に把握していることが前提条件でした。更に突撃には砲兵の射撃を待つ必要があり、かなり高度な計算を必要とします #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:30:44
田中ピカチュウ @sovozisan

また塹壕とは目に見える位置に掘られているわけではないので、少しでも精度の低い地図であれば、無駄玉を撃つだけとなってしまいます #田中ピカチュウの火力主義講座 http://t.co/NutKL4cKW8

2013-03-05 22:32:22
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田中ピカチュウ @sovozisan

これを解決するのがクリーピングバラージです。敵の塹壕の形に合わせて砲撃を行い、砲撃が終わったら敵の少し後ろを狙い、どんどん後方の敵を撃って行くものです。リフティングバラージとパイルアップバラージが混ざったものと考えれば分かりやすいかと思います #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:34:15
田中ピカチュウ @sovozisan

補足終了、画像がどんどん適当になってきますがご容赦をば #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:35:13
田中ピカチュウ @sovozisan

そして1941年3月、東アフリカのケレンでも同じように1918年式の火力戦によってイタリア軍を破っているのですから、イギリス陸軍の火力集中主義はモントゴメリー登場のはるか以前から実績を上げていたと言えます。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:36:16
田中ピカチュウ @sovozisan

これはもちろんたまたまではありません。砲兵による大規模火力集中には戦場研究が不可欠ですが、1940年当時の北アフリカ戦線には専門の研究部隊が配置されていません。 #田中ピカチュウの火力主義講座

2013-03-05 22:38:44