マンドリンで演奏するラヴェルのツィガーヌについて

メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ 音楽監督/アレンジャーの @udupho が2010/9/12の演奏会のプログラム「ラヴェルのツィガーヌ」についてつぶやきます。
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笹崎・T・譲 @udupho

9/12(日)はメトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第21回演奏会。これからしばらく、プログラムの3曲について、編曲や楽曲解釈に関して短期集中でつぶやきます。ぜひお付き合いくださいませ。

2010-09-03 09:55:25
笹崎・T・譲 @udupho

1曲目は、ラヴェルのツィガーヌ。いうまでもなく有名なヴァイオリンの超難曲。これを独奏マンドリンとマンドリン・オーケストラで。もちろんマンドリンの独奏は注目もの。

2010-09-03 09:55:30
笹崎・T・譲 @udupho

ラヴェルのツィガーヌは、今回が書下ろしではなく、@mochigoh からの依頼で約2年前に編曲。CD化されています。独奏部分は@mochigoh のピアノ伴奏を実際にしてみて、響きを確認しながら原曲からマイナーチェンジしています。

2010-09-03 09:55:36
笹崎・T・譲 @udupho

独奏パートに関して。ヴァイオリンとマンドリンは違う楽器なので、主にハーモニクス、トリラーなど、響き方が違うところを音楽の流れに沿って書き直しています。音楽に沿っていれば、独奏部分は編曲譜面から多少変えてよいと思います。

2010-09-03 09:55:41
笹崎・T・譲 @udupho

ラヴェルのツィガーヌは全体の長さの約4割を占める冒頭のソロが特徴的です。ところが、この部分、なかなかいい演奏に巡り合えません。要因は2つあるように思っています。

2010-09-03 09:55:50
笹崎・T・譲 @udupho

ツィガーヌ冒頭に関して1。冒頭を乱暴にa+b+a'+cと分けてみましょう。bの部分が後の主部に出てくるのですが、主部とbの弾き方に関連性がない演奏がなんと多いこと。全体形式を把握していないのかも。aとbの区別がつかない演奏も多いですね。

2010-09-03 09:56:02
笹崎・T・譲 @udupho

aとbの区別がつかない演奏だと、ただのだらだらした演奏に。ラヴェルは「計算された即興」を書いているので、「計算」の部分を踏まえると、おのずと演奏が変わるのでしょう。

2010-09-03 09:56:24
笹崎・T・譲 @udupho

ツィガーヌ冒頭に関して2。2つで1組のパッセージが多くみられます。応答の関係性、緊張関係はどうなのか。さらに隣の1組との関係性を見ていくとミクロからの見通しが立ちます。でも単に順々に演奏したものが多いようですね。

2010-09-03 09:56:33
笹崎・T・譲 @udupho

今回のマンドリン独奏は、 佐藤洋志 @hamulabo です。(この文章の流れだと単に本人にプレッシャーかけるだけになっていますね・・・)

2010-09-03 09:56:44
笹崎・T・譲 @udupho

ツィガーヌの独奏部分はこれくらいにして、伴奏の部分。打楽器を入れるかどうか、最後まで迷い、結局入れないことに決定。入れない方がかえって音色の多彩さが引き立つのではないかという判断でした。

2010-09-03 09:56:54
笹崎・T・譲 @udupho

ラヴェルのツィガーヌは、以前より編曲の候補にあり、頭の中でほぼ編曲が出来上がっている状態でした。結果、音の高さはほぼ変更がないものの、原曲とはだいぶ響きの違う編曲に仕上がっています。

2010-09-03 09:57:00
笹崎・T・譲 @udupho

編成は、独奏マンドリン、ハープ、20パートからなるマンドリン・オーケストラ。8つのソロ・パートを含む20分割は、僕が最近デフォルトとしている編成です。

2010-09-03 09:57:08
笹崎・T・譲 @udupho

伴奏パートには特殊奏法がそこここに出てきます。マンドリン族の楽器を弓で弾く、ギターを箸などで叩く、が見ていてわかりやすい特殊奏法でしょう。奇を衒ったつもりはなく、音楽の流れに沿った必然的なものとして使っています。

2010-09-03 09:57:14
笹崎・T・譲 @udupho

ツィガーヌにおいて、とくにTuttiのマンドリン・パートは、独奏マンドリンと音色がバッティングしないように休符を比較的多くしてあり、また、通常のピッキング以外の奏法を多用します。

2010-09-03 09:57:20
笹崎・T・譲 @udupho

ラヴェルの速度指定をよく見ると、通常演奏されている速度の関係性が逆転しているところがあります。おそらく楽器の都合を優先し、それが慣習化してしまったのでしょう。元に戻して、ラヴェルの意図を明らかにしたいと思います。

2010-09-03 09:57:28
笹崎・T・譲 @udupho

ということで、独奏マンドリンとマンドリン・オーケストラのための編曲、ラヴェルの「ツィガーヌ」、ぜひお楽しみください。次はドビュッシー。しばらく時間ください。

2010-09-03 09:57:34