来年度以降見ておいたほうがいい宇宙政策動向4つの視点

来年度以降日本国内の宇宙政策動向をウォッチするなら最低限これくらいは見ておいたほうがいいのではないかと思う4つの視点です。本人がまとめました。
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ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

私の後任用の引継ぎ資料として、来年度以降日本国内の宇宙政策動向をウォッチするなら最低限これくらいは見ておいたほうがいいのではないかと思う4つの視点を一生懸命になって書くなどしておる。本当はもっと優先してやるべきことがあるのだが、こういうのは思い立った時にばっと書かないとできない。

2013-03-20 23:49:58
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

来年度以降宇宙政策で注目すべきと思っている視点その1は、宇宙輸送系戦略である。すでにH-IIIロケットの検討については文科省でなされているが、内閣府宇宙戦略室を中心にとりまとめられる輸送系戦略で最終的に決定されるのだと思う。それがどのような形になるか議論を見ていくべきだと思う。

2013-03-20 23:52:46
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

また輸送系戦略ではHTV-Rの議論もされるだろうと思う。JAXAでの研究開発も進んでいるだろうから、もしかしたら、そろそろフェーズアップして、再来年度概算要求にも載ってくるかもしれない。わからないけれど。

2013-03-20 23:56:53
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

来年度はイプシロンロケットの打上げもある。打上げの結果が、どう政府内の輸送系戦略の検討に影響するか。また世論にはどう響くか。こうした問題は単にロケット開発や輸送機のミッション要求の問題というよりは、今後日本はどういう戦略を描いて宇宙政策を進めていくか根本的な議論になると思う。

2013-03-20 23:58:42
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

というか、そういう根本的な議論にしてほしい。

2013-03-20 23:59:03
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

来年度以降見ていったほうがいい宇宙政策動向その2としては、その1の輸送戦略とも密接に関係するが、宇宙探査の戦略である。HTV-Rも、有人に限らず宇宙探査全体の中でどう位置づけるか決まらないなかで、これ以上先に進めることはできないだろうと思う。

2013-03-21 00:01:57
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

私の印象だと、HTV-Rは単にJAXAの人たちが「技術的に面白そうだから」(失礼)やっているだけに過ぎないが、アメリカなどの先人たちがすでにビジネス化などを見据えた上で宇宙船開発をしているなかで、そういうシードベースの宇宙開発は許されないんだろうなと思っている。

2013-03-21 00:04:27
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

なのでもし本当にやる意義があるなら、しっかり理由付しないと。

2013-03-21 00:04:36
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

あと、もしかしたらアメリカのほうでも、いい加減、宇宙探査の目標として、火星探査にするのか、小惑星にするのか、月にするのか決めようよ、という雰囲気が高まっているようなので、そういう戦略も示されるかもしれない。米国の議論が具体的になったら、日本もそれに追従する、これが日本の伝統。

2013-03-21 00:06:21
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

ただ、宇宙クラスタのツイートを読んだ感じでも、日本ももっと独自色のある宇宙探査をしようという声が多いような気がする。これは私も賛成。ぜひやってもらいたい。今から3,4年前、日本政府では、ブッシュ政権で打ち出された月探査計画を受けて、白井早大総長をトップに月懇談会を開いて議論した。

2013-03-21 00:10:57
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

私としては、月懇談会は行政がしうる最大限の努力で、月探査を国民的な議論にしたと思う。だがオバマ政権に交代後、月計画は白紙になってしまった。そして日本の宇宙政策における位置づけもだんだん下火になってしまって、結局先日、策定された宇宙基本計画では事実上凍結ということになってしまった。

2013-03-21 00:14:32
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

(まあ、月探査が先に進まなくなった理由としては、月懇談会のあとで「はやぶさ」の帰還があり、はやぶさ後継機が国民的に熱望されるようになって、日本の財政状況を考えると宇宙探査も同時期に2つも立ち上げられず、二者択一で、はやぶさ2が選ばれたという見方もあろうが…)

2013-03-21 00:17:23
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

なので米国との関係に戻すと、国際宇宙ステーション計画でも、事故とか技術的な問題など不可避な部分も多かったとは思うが、かなり米国の政策的なぶれによって、日本の宇宙政策は影響を受けたと思う。さらには宇宙基本計画で二大目標が掲げられたが、その1つとして「自律性の確保」があげられている。

2013-03-21 00:21:44
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

有人宇宙活動が、政府内で「自律性の確保」という文脈から語られているのを見たことはないが、日本が自律的に進める有人宇宙活動というのは、この大目標に合致するものだと思う。完全に日本が独自技術で進められるとは思っていないが、他国に左右されない戦略(政治含めて)もありうべしと思う。

2013-03-21 00:25:31
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

来年度以降みとくべき宇宙政策動向3つ目は、成長戦略との関係である。成長戦略とは、安倍政権が掲げる3つの矢のひとつで、私の感覚だと来年度の概算要求前までには遅くとも決着がつくと思われる。なので、これは前2者と比べて短期勝負になると思う。

2013-03-21 00:30:52
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

が、前2者が宇宙戦略の中での議論だとすると、成長戦略の議論は他の政策分野も含めた異種格闘技戦の世界だと思う。前2者は互いに潰しあいになる危険性があるが、宇宙戦略全体のパイを広げるなら成長戦略でどう勝ち上がるかが勝負。他の政策を押しのけるほどの魅力的なタマを宇宙で仕込めるかが重要。

2013-03-21 00:33:20
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

民主党政権、その前の自民党政権の成長戦略をみると事業規模に比較して宇宙政策の扱いは割りと大きいように私は感じているが、次はどこまで存在感をだせるか。ただ、成長戦略では、(毎回そうだが)民間投資の喚起が重要になる。どこまで民間投資を刺激するような取組みを打ち出せるようになるか。

2013-03-21 00:37:23
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

日本の宇宙開発利用は国費とべったりと依存しているので、民間投資という意味ではかなり弱い。内閣府宇宙戦略室は、私が聞き及んでいる限り、もっと民間も自助努力で何とかしろと叱咤しているようだが、官側も民間と協力して、何らかの打ち出しをしないともたんだろうと思う。

2013-03-21 00:40:08
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

そこで素人的な考えで恐縮だが、JAXA発のベンチャービジネスを積極的に立ち上げてはどうかと考えている。TLO法等正直良く知らないが、もともとJAXAの一部は大学に準ずる機関だったわけだし、大学発のベンチャービジネスが成否は別にして割とでてきているからJAXAも不可能ではあるまい。

2013-03-21 00:43:54
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

特に、米国ではベンチャー企業が小惑星から鉱物資源を持ち帰るという事業を立ち上げているが、小惑星探査では米国よりも先んじている日本がなぜこれに挑戦しないのかと素人ながら疑問に思っている人も多いと思う(もしかしたら、その障害としてやはり規制や資金があるかも)。

2013-03-21 00:46:12
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

日本でも某IT長者がロケット開発に投資するなど、ベンチャー企業が宇宙開発に参入するという取組みの萌芽は見られるが、まだまだプリミティブなものにとどまっている。

2013-03-21 00:48:45
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

日本のベンチャー企業でのロケット技術はほぼゼロからのスタートに見えるが、小惑星関係をビジネス化したとしたら日本はいきなり世界最先端からのスタートになる。なぜこれをビジネスチャンスとしてみないのか。はやぶさ2については多額の寄付金が集まるなど、まだ世論としては熱いものがある。

2013-03-21 00:50:38
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

小惑星探査に投資することは、企業にとっては社会貢献活動の一環として捉えることもできるかもしれない。はやぶさ関係では4本も映画化されたが、NECの企業イメージにどれだけ良い影響があったか映画を見ていればよくわかる。

2013-03-21 00:52:37
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

官僚が中心になってビジネス化をするとたいていコケるので注意は必要だが、孫さんあたりがぜひ小惑星探査のビジネス化に名乗り出てくれたらなあなどと夢想したりする次第(月並みな願望)。

2013-03-21 00:54:51
ゑぶ@🇰🇷福島風評対策 @webroomy

来年度以降見ておいたほうがいい宇宙政策動向の最後、その4としては、安全保障分野における宇宙利用のあり方である。昨年来、内閣府の宇宙政策委員会においても議論されていたが、十分なものとはとても言えない。ただ今月も安全保障分野を含めて日米間で宇宙政策対話を行うなど前向きではあると思う。

2013-03-21 01:00:09