- collbrande
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「どう面白くなりそうなのか」わからないものに、赤の他人である読者が貴重な人生の時間を割いて付き合ってくれると考えるのは、作り手としてはやはりうぬぼれた姿勢ということになると思います。
2013-03-24 00:57:58RT言及: SF作家でTVのお仕事もされていたハリイ・ハリスンも、「とにかく序盤で読者を掴め」みたいなことをおっしゃっていますし、最初の3分とか、最初の見開きとか、そういうので「おお、面白そうだ」「なんか、期待できそう」と思わせるのはとても大事でありますな。
2013-03-24 01:04:14でも、「序盤で掴め」と言われても、たぶん、困ると思うのです。それが誰でも簡単にできるなら、苦労はいらない。自分が面白いと思う作品をみても、「なぜ自分はコレに掴まれたのか」は見えにくい。同じ作品を見ても、「掴まれる人」と「掴まれない人」の差はどこにあるのか? もあります
2013-03-24 01:06:40その昔、私は佐藤大輔さん「っぽい」ものを書いて、えっっらい不評だったことがあります。いや、不評なのではなく、読ませた相手の反応がぱっとしない。つまり「掴めてない」。なぜ? ちゃんと、「っぽい」のを書いたのに! 俺の何が足りないというのだっ! と悩みました。
2013-03-24 01:09:33しばらく時間をおいて、自分で読み直して驚きました。ぱっとしない! あれっ? なんで? なんでぱっとしないの? そこで気が付いたわけです。私は、文字として作品に書いたものと、頭の中にイメージとしてある周辺情報とを、区別せずに読んでいたのだと。時間がたったので両者がズレたわけです。
2013-03-24 01:12:18作品の中にある情報は読者にとって、順次ファイルですから、先頭から読まないと、次に書いてある情報は読者には届かない。でも、書く側は、その区別がなかなかつきません。大事なことが読者に届いてないかも、という疑問が浮かばない。「それは次で出てくるから」というのは読者にわからないよ!
2013-03-24 01:15:02頭から読んで浮かんだ謎や疑問は、読者の中では、『保留』として積まれます。『保留』が増えたらどうなるか? それは読者にとってすごい負担ですし、だんだん、めんどくさくなる。ましてや、その謎や疑問が答えのないものだったら、読むのをやめて放り投げてしまいかねません。
2013-03-24 01:17:22ここでの謎や疑問は、別に作品にとって重要な謎や疑問であるとは限りません。「ヒロインは可愛いのか?」とか、「これ、バトル物?」とか、「このキャラは重要なキャラかそうでないのか?」とかは全部、読者にとっての謎や疑問です。どの部分を謎に思うかは、読者の興味によって異なります。
2013-03-24 01:18:37作品が、読者を面白がらせるために用意した謎や疑問と、読者が興味を持つ部分が一致すれば、謎や疑問は、読者にとって先を読む牽引力となります。エロいものですと、作品の用意するものと読者の興味がだいたい一致するので、互いにはずれがおきにくいですね。
2013-03-24 01:21:00銅さんのツイートに便乗。序盤でつかめ、という意識及び技術はGMだったり、TRPGのデザイナーにとっても役立つ技術だと私は考えています。GMの場合、大抵目の前のプレイヤーに声をかけられるケースが多いと思うので、最初に何と言ってプレイヤーの関心をひくかを決めておくのは有効です。
2013-03-24 01:29:34TRPGのデザイナーの場合、シナリオの冒頭で使うと格好良いフレーズなどを工夫するのは有効です。トーキョーN◎VAやダブルクロスなんかがうまくいってる例だと思います。とにかく「もうひとつの世界、もうひとつの未来」とか「昨日と同じ今日、今日と同じ明日」で始めると格好がつくので。
2013-03-24 01:34:07@tanoakira_open スターレジェンドの開発の時に、たのさんに「表紙めくって、1ページ目にプレイヤーがこのゲームをどんな風に遊ぶのかを示す言葉があるべきです」と言われたのをよく覚えております。私の答えが、『地球――それは伝説の星。失われた人類の、故郷』でありました。
2013-03-24 01:38:07ある程度、作品が読者を「掴む」ことに成功した後であれば、読者の側は、「ああ、こういうのを楽しみに読めばいいんだな」となりますし、書く側もそれに合わせて書けます。だからこそ、そういう阿吽の呼吸が存在しない序盤の「掴み」が大事なわけです。そこで「掴み」そこねるとパターンに持ち込めない
2013-03-24 01:31:15@dorfregen ですねぇ。あれが基本技術として普及したおかげで、いろいろ楽になりました。それまでGMとプレイヤーが、それこそ「阿吽の呼吸」でなんとかしてたことが多かったので
2013-03-24 01:39:22そうすると、やはりコツのひとつは「決め打ち」でありましょう。まどかマギカですと、1話のアバンでのキュゥべえの「だから・・・ボクと契約して、魔法少女になってよ?」の部分で、視聴者を「信用できねーっ!」「悪い予感しかねえっ!」と叫ばせる。そんな風に視聴者の顔が見えたら、勝ちであります
2013-03-24 01:36:06「自分が書いたもの」「自分の頭の中にあるもの」「自分が書いたものを読んだ人間の中に浮かぶもの」の3つは、互いに違います。前ふたつが区別できないと、かなりの確率で読み手は「はぁ?」となります。業務日報なんかを書かせても、訓練されてない新人さんだとそうなることがよくあります。
2013-03-24 01:44:23そして最後の「自分が書いたものを読んだ人間の中に浮かぶもの」に正解はありません。読者しだいです。誤読することもありますし。ですが、ここをある程度、決め打ちで、「こうなるようにしたい!」とやって書かないとうまく「掴めない」のではないかと思います。人それぞれ、ではダメなのです。
2013-03-24 01:46:12@bakagane それがうまいこといきますと、見知らぬ人とも『思い出の共有』が出来て、「お前とは旨い酒が飲めそうだ」となるんですね!?
2013-03-24 01:49:55ですです。「仲間だ!」と思わせたら勝ちにいけます。読み手が好意的解釈補正するので。もちろん、人によっては逆に悪意的解釈補正が入ります RT @The_paper_ それがうまいこといきますと、見知らぬ人とも『思い出の共有』が出来て、「お前とは旨い酒が飲めそうだ」となるんですね!?
2013-03-24 01:52:50読み手に「仲間だ!」と思わせて得られる補正は馬鹿にできませぬ。「同志!」や「俺をピンポイントで狙ってきた!」みたいに読者が思う作品ですね。ただ、これも読者によって補正値がプラスからマイナスまで差が大きく、「馴れ馴れしくあたしの中に入ってくるんじゃないよ!子供が!」という人もいます
2013-03-24 01:57:55