NHKラジオ第1 私も一言!夕方ニュース 夕方特集 「相次ぐ貿易自由化交渉 日本の戦略は?」
前田「(自動車の関税10%)非常にやりにくいとの声。約4割以上の企業はメリットが大きいと。中東地域では6割がメリットを享受できる」「必ずしも日本企業が現地化を進めているので、競争劣位にあるわけではないが、自由度という観点からすると、EPAは望ましい」
2013-03-25 17:38:17前田「EU側は非関税措置の改善要望が多い。日本からの輸出が増えることの警戒感もあり、セーフガードも求めている」「自動車の型式認証といった検査は、EUでの検査が日本でも通用するように期待している」
2013-03-25 17:38:29前田「日本としては関税の撤廃が重要なイシュー。EU側では基準認証の統一などが非常に大きな意味をもつ」「総額6.6兆円の輸出があるという面では大きなインパクト」
2013-03-25 17:40:13浦田「(韓国とEUが先行)自動車や電気製品の韓国からの輸出は伸びている。日本企業は不利な状況に置かれているので、それを解消したいというのが、日本-EUFTAの大きな目的」
2013-03-25 17:42:49浦田「世界は3極。北米・ヨーロッパ・東アジア」「どこがルール作りのリーダーシップをとるかというのが重要になっている」
2013-03-25 17:42:57浦田「具体的な例では、医薬品や医療機器の日本での承認手続きがかなり遅い。日本側は努力する必要があるだろう」
2013-03-25 17:44:21EUとの交渉に加えて、日中韓3か国によるFTAの交渉も始まります。日本は、あす26日から、中国と韓国との間で交渉を開始することにしていますが、この交渉では、特に中国が、日本のTPP参加をにらんで、交渉を加速させようとするのではないかという見方も出ています。
2013-03-25 17:45:15浦田「中国は現状にあったFTA、経済圏をこの地域に作りたいと考えている。TPPは先進国のルール作りであって、中国にとって参加しにくい。TPPを使ってアメリカのようなシステムがアジアにできてしまうのは、中国には不利な状況」
2013-03-25 17:49:08浦田「中国は早くアジアに、中国にとって望ましい枠組みを急いで作りたい。RCEPも」「中国は早く交渉を開始したい」
2013-03-25 17:49:17浦田「韓国は微妙な状況。日本は先に、中国が後ろから迫ってくる。その中で韓国はFTAの数を増やした。韓国は(貿易額に占めるFTAの割合)35~45%」「韓国は中国と二国間でのFTAも交渉している」「韓米FTAの中で、かなり相手の要求をのまされている」
2013-03-25 17:52:22浦田「これまでのFTAの中での日本の自由化率は90%以下」「韓国はアメリカとのFTAで、米以外全部99%。EUとのFTAでは、丸呑み」
2013-03-25 17:52:29浦田「韓国のFTA政策の中で、一つ見習わなければならないのは、セーフティーネットを張る。これまであまり使わなくて済んでいるとも聞いている。交渉がまとまる時に、農家、医療関係者からの強い反対があったとも聞いているが」
2013-03-25 17:52:37浦田「日中韓FTAではそれほど高い自由化率は要求されない可能性。TPPと日中韓FTAまたはRCEPでは状況がことなる。その両者をつなぎ、交渉のリーダーシップをとるのが、日本の役割」
2013-03-25 17:54:05浦田「(ほぼ同時に進めるメリット・デメリット)日本にとって初めて。うまく調整できればメリット。振り回されてしまえばデメリットしかない」「まずは信頼できる情報をとる。特にTPP」「交渉参加の段階では企業との連携、協力体制をとり、企業からも情報を得る」
2013-03-25 18:07:51浦田「欧米では、政府と企業の関係は密。日本では特に民主党政権時は財界との関係が良くなかったこともあり、その点は早急に関係強化を」
2013-03-25 18:10:24浦田「今、メガFTAと言われる、EUとNAFTAなど、他にも日本-EUなどが動き出す。TPPの上、全体をみる組織が必要だと、私は思います」
2013-03-25 18:13:16浦田「一つは甘利さんのTPPと、もう一つは国内対策。それも同じ屋根の下に入らなければいけないので、市場開放と構造改革は車の両輪。同時に進むメカニズムを作らなければならない。難しい課題だがクリアしていかなければ」
2013-03-25 18:15:55浦田「経済的な意味での安全保障はFTAのテーマ。それは軍事とは無関係ではないが、切り離さなければ交渉はなかなか進まない。たとえば日中韓で政治的な要素がからんでくれば、止まりますよね。それは避けなければ」
2013-03-25 18:16:58浦田「アジアのやり方は段階的に進めていくのが特徴。できるところから徐々に。それがアジア的なやり方。日中韓やRCEPはそれで進めていく」
2013-03-25 18:17:14浦田「日本がリーダーシップをとれるような状態にならないと、日本の将来のためにならないのではないか。それには国内の構造改革を進めること、セーフティーネットを張ること。それができればFTAでもリーダーシップをとれるし、日本企業にとって望ましい環境ができると思います」
2013-03-25 18:17:28