キザな口説きセリフバトン
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君の心は北の国。皆が花を楽しむ春にも、悲しみの雪が降っていたのだ。それでもいずれ時は満つ。僕は北風を遮り、桜前線のようにゆっくりと君の国へ近づこう。君の真白な大地に、初めての足跡を残したいから。いたずらな野ウサギやほろ苦いふきのとうより早く。 #キザな口説きセリフバトン 1【雪】
2013-04-10 08:14:27星ではあまりに幽(かそ)けき光。太陽を仰げば目は焼かれ、2度と見ることは叶わない。それならいっそ、君を月に見立てて、満開の桜の池に観月の舟を浮かべよう。舟に寝そべり、君の形をじっくり両の目で追って。水に映る君を掬って、愛の渇きを満たすんだ。 #キザな口説きセリフバトン 2【月】
2013-03-27 13:39:12蓮の花が咲く、ぽん、という音を聞けば、幸せになれると人は言う。ならば匂い立つように咲く君の、花開く音を俺は聴いたか。咲いた刻(とき)はいつ。満開の桜木の下、君に想いを告げたときか。閨(ねや)でその柔肌に口づけて、薄紅色に染めたときか。 #キザな口説きセリフバトン 3【花】
2013-03-28 04:28:41僕と出会う前、確かに君は鳥だった。何のことかと笑うかもしれない。僕が奪ったんだ、君の翼を。僕の腕の中から飛び立てぬように。君の背中に残る翼のあとは、僕がつけた罪深き刻印。そこに口づければ今でも君は、鳥のように高らかに啼くだろう? #キザな口説きセリフバトン 4【鳥】
2013-03-28 20:54:14君よ、心ない噂など信じるな。僕の胸には君想う蕾が並び立ち、咲くときを今か今かと待ちわびているのに。飆(つむじかぜ)ならばいずれ吹き去る。君はただ、黙ってこの手をとればいい。重ね合う指は、東風(こち)を呼ぶ鍵。花はたちまち満開の刻。 #キザな口説きセリフバトン 5【風】
2013-03-29 21:53:55君さえいれば何もいらない、なんて嘘だ。この世には欲しいものが多すぎる。君を海に連れて行くためのカブリオレ、後部座席には白い花束。仕立てのいいスーツ、その内ポケットに忍ばせるビロードの小箱。ああ、困った。1番欲しいプロポーズの言葉が出てこない。 #キザな口説きセリフバトン 6【無】
2013-03-30 06:03:21「しっかりしろ」。君は今日も廊下でひとり、自分の頬を叩いてた。不器用で要領の悪い君。それでもへこたれず前を向く姿に、僕は背中を押されてるんだ。グローリア、グローリア。散り急ぐ桜の樹の下で、賛美歌を歌うように君を存分に称えよう。君は僕の尊い光。 #キザな口説きセリフバトン 7【光】
2013-03-31 19:06:23貴女は上司だ。立場があるのも先刻承知。だからといって男の俺を「かわいい」なんて躱すなら、こっちは母性本能に訴えながらじりじり距離を詰めてやる。追いつかれてパニックに陥った貴女に、言ってやりたいんだよ。「水くさいぜ。俺とお前の仲だろ?」って。 #キザな口説きセリフバトン 8【水】
2013-04-02 05:52:28君を前に、僕は眉間に指を当てお経を唱える。物の怪みたいに湧いて出る不埒な欲を押さえてるんだ。君こそ火車。ちろちろと紙を舐めるように理性を焼いて、僕の芯に付け火する。哀れな男と思うなら、いっそ地獄へ連れ去っておくれ。この世で火だるまになる前に。#キザな口説きセリフバトン 9【火】
2013-04-02 22:29:00貴女を陥落させようと熟成させた言葉のブランデーは、その姿を前にすればただの澱(おり)と化してしまう。時は春。つづれ織りのように溢れかえる花々の眩しさを言い表せぬように。ああ、ナポレオン。君にだって不可能だろう。僕の想いの丈を伝えるのは。 #キザな口説きセリフバトン 10【時】
2013-04-10 08:15:09