最新版ラジオ深夜便 我が心の人 工藤直子 佐野洋子を語る

録音の不手際で冒頭が抜けております。今は亡き佐野洋子さんの人柄を彷彿とさせるインタビュー、愉しんで戴ければ幸いです。
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佐野洋子bot @bot68950901

25)それが、おかげさまで今では自分の中では、一番好きな話になってます。考えてみたら、佐野さんのおかげで書けたんですよね。--『哲学のライオン』はその後なんですね。だから童話の工藤さんが誕生したのも、もしかしたら佐野さんが呼び出し電話で厳しく何度も何度も---ええ。怖かったです。

2013-03-27 07:53:44
佐野洋子bot @bot68950901

26)いや。でも、その後ね、洋子さんは、自分でも文章を書き始めたんですね。「おじさんのかさ」とか「100万回生きたねこ」とか。「100万回」の時には電話して「あの絵本いいね。100万回死んだねこ」って言ってしまったら「死んだ、じゃないの!生きた、なの!」洋子ちゃんが言いました。

2013-03-27 16:38:04
佐野洋子bot @bot68950901

27)「でも死ななきゃ生まれ変われないんだから100万回死んだわけでしょ」なんて生意気言いまして。そして、そのあと本当に面白いエッセイをイッパイ書き始めまして。・・・時々突然電話がくるんですね。家に。「直子さん、エッセイと物語とどう違うの」って言うんです。

2013-03-27 16:39:08
佐野洋子bot @bot68950901

28)そんなのわかんないよ。と思って。「たぶんエッセイと思えばエッセイなんじゃないの。物語と思えば物語なんじゃないの」なんて応えましたけど。

2013-03-27 16:42:25
佐野洋子bot @bot68950901

29)佐野さんはね、彼女は文字が素晴らしいんです。ウットリするような。ほれぼれするほど。いつか何かご縁があったら見て下さい。ほれぼれしますから。ところがね、かわいいんですよ。佐野さんは、朗読が苦手だったんです、たぶん。おしゃべりは、それこそ「あんたねえ」ってすごく面白いんですよ。

2013-03-27 16:46:11
佐野洋子bot @bot68950901

30)ある晩、電話がかかってきたんです。「あんたね、今、ちょっと書いたんだけどね、これがオモシロいんだか、オモシロくないんだかわかんないんだよ、ちょっと今から読むから聴いて」って云われたんですね。たぶん照れてもいるんでしょう。

2013-03-27 16:47:14
佐野洋子bot @bot68950901

31)へったくそ、へたくそ。もうね、つっかえつっかえになるんで、途中で吹きだしちゃったんです。「それじゃ、どんな名文でも下手な文章にしか聞こえないよ。手紙送って」って言ったんです。当時はFAXなんかありませんから。

2013-03-27 16:50:00
佐野洋子bot @bot68950901

32)それがね、文章は素晴らしいんですよ!あの人は、真っ直ぐにしゃべる分、すごくシャイなところもあったと思います。 よく泊まりに行ってたんですね。私は人のうちに行く方が好きなんです。自分の帰りたいとき帰れるから。佐野さんは人を呼ぶのが好きなんです。食べてく?って言って。

2013-03-27 16:53:37
佐野洋子bot @bot68950901

33)あるとき、おしゃべりして並んで寝てたんです。彼女は、くるっと寝て、すっかり寝たんだと思ってたんです。私はたしか漫画かなんか読んでたんです。それが突然ガバっ!て起きてこっち振り向いて「直子さん!私って真人間!?」って訊いたんです。

2013-03-27 16:57:15
佐野洋子bot @bot68950901

34)---いきなりですか--- なんなんだ。なんか色々考えていたんでしょうね。 で、「そうだよ!あんた程、マニンゲンな人はいないよ!!」って言いました。 「あっそ。」つって、また寝ましたけど。そういうことは、よくありました。

2013-03-27 17:10:19
佐野洋子bot @bot68950901

35)---だから、ポンポンポンポンおっしゃるように見えるけど、その分御自分で考えることも多かったのかもしれませんねえ。---

2013-03-27 17:12:35
佐野洋子bot @bot68950901

36)だから、あたしは今でもそうです。人と人が出会うとはそういう事だと思います。けど。解ったとは思えないと思うんです。あの人のこと、知ってる。私が一番知ってるわよなんて(言えない)。。ムズカシイです。わからないからこそ面白いし、ウレシイし、解るわけがないって思ってます。

2013-03-27 17:22:52
佐野洋子bot @bot68950901

37)すまないけど私のペースで感じさせてもらうよ。っていう風に思ってます。 今しゃべったことは佐野さんの百分の一位はそうだと思うけど。後の百分の九十九は、分からないと思っていますんで。だから、これが佐野さんの全部だとは思わないで。って。

2013-03-27 17:28:39
佐野洋子bot @bot68950901

38)---工藤さんと話してる時の佐野さんと、また、それ以外の時間の佐野さんとあるでしょうし。---

2013-03-28 08:49:47
佐野洋子bot @bot68950901

39)私自身だって、(自分は、こういう人間)と思っていても、「違うでしょっ」てのもあるでしょうし。だれかに(工藤さんってこんな人ね)と思われたら。その思われたまんまも、工藤直子だと思うんで「あの、それは違います」とは言えないと思っています。

2013-03-28 08:50:45
佐野洋子bot @bot68950901

40)カッコよさげな奴も、しょうがない奴も、ズルイ奴も、時々は、うーんと澄み切ったような自分の魂みたいなものがあるとして、全部が自分だろうと思おうかなと。洋子さんの一部にも、出逢えて良かったなと、そう(思います)。

2013-03-28 08:52:53
佐野洋子bot @bot68950901

41)友達って、どんな人を友達ってって言うんだろう。って考えることがありまして。用もないのに声が聞きたくなる、用もないのにちょっと行って顔が見たくなったり、ちょっと肩をトンと叩いたりしたくなる。っていうのが友だちかなって思ってます。

2013-03-28 08:53:46
佐野洋子bot @bot68950901

42)で、、、用もないのに電話を掛けたくなるのが、、ホントに佐野さんでした。だいたい用なんてないし、あんまり仕事してないし。。。向こうはどう思ってたか、よく解りませんけどね。

2013-03-28 08:54:40
佐野洋子bot @bot68950901

43)---でもホント人間って不思議だし、ひとりひとり全部違うわけだし。また、その日その日で同じ人間であってもねえ?だから、逆に面白さもあったり、どんどん深く知りたくなったりするのかもしれない(アナ)---

2013-03-28 08:55:53
佐野洋子bot @bot68950901

44)私が佐野さんのおしゃべりで、とても面白かったのは、「あのね、とっても論理的な人、頭の良い人と仕事するとね、自分のペースでやれるのよ。」って言うんですよ。「え!どうして!?」

2013-03-28 08:56:27
佐野洋子bot @bot68950901

45)「概ね、かしこい男の人に多いんだけどね、絵を見せた時、私に絵を描き直させたいとき、凄くキチっと、どこがどうダメなのか論理的に言う。論理的に組み立てた矢倉みたいのがあったら、論理の柱を一本一本論理的に外したら、どうしようもなくなるから」そこで、みんな飛び退くんでしょうね。

2013-03-28 08:58:43
佐野洋子bot @bot68950901

46)「それで私好きなように描けちゃう」ところがね、よく女性は「ちょっとねえ」って言うって言うんですよ。「ところが男性でも「ちょっとねえ」が言える人がいるのよ」つまり論理的でいながら女性的な感覚も持ってて。

2013-03-28 08:59:55
佐野洋子bot @bot68950901

47)差し出した作品を見て「んー。ちょっとねえ」って言われると、自分が慌ててしまって(ここかな?あれかな?)ってなるって。「だから、たぶん「ちょっとね」が言える賢い男性が一番凄いしズルイのよ」って。その「ちょっとねえ」がとっても面白かった。

2013-03-28 09:02:04
佐野洋子bot @bot68950901

48)---佐野洋子さんのエッセイを読んでいると、小さい頃の彼女とか色んなモノが出てきたり、小さい頃から、あんなに大人の一面を、なんでこんなにって程スルドク解ってしまうっていうかね、今の話でも、相手がどういう人なのか瞬時に分かっちゃうところが、おありだったのかな---

2013-03-28 09:03:38
佐野洋子bot @bot68950901

49)そういう力というか気配はちっちゃい頃から持ってたんだと思いますね。---だから今も、きっと色んな人を興味深く観察して、この人は表はこうで、裏はこうってね---「どっかで遊んでると思います」---でも、それを意地悪くっていうのがなくて、カラリとしているところがね。--

2013-03-28 09:05:42