空想話 for "さくら荘のペットな彼女"

鴨志田一先生著『さくら荘のペットな彼女』(電撃文庫/アスキー・メディワークス)をモチーフにした空想話。
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旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 「いいわよ」 「もう何がいいのか、俺の感覚はマヒしてきたよ!」 部屋の中にはいると、ましろはベッドの上に寝ていた。それを確認するまでに見た惨状はあえて無視した。ベッドのましろに近づくと、布団の隙間から白い方がちらりと…… 「……もういい……話を進めよう」 (続)

2013-04-01 21:43:13
旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 「空太、誰に話しかけているの?」 「こっちの話だ、問題ない。それより、腹減ってないか?」 「あまり空いてないわ」 そのとき、どこからか、ぐぅっという可愛らしい声が聴こえた。 (続)

2013-04-01 21:43:21
旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 「お腹は素直のようだぞ」 「おかしいわね」 「おかしいのは、椎名の頭だと思うけどな」 「ましろ」 「えっ?」 「2人のときは、そう呼ぶ約束」 「あ、ああ。じゃあ、ましろ、おかゆ作ってきたから食べておけ」 「空太が食べさせて」 「い、いや、その……」 「ダメ?」 (続)

2013-04-01 21:46:32
旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 「わ、わかった……ほれ」 ましろの小さな口が、空太が差し出したスプーンを頬張った。ましろはゆっくりと少しずつ食べ、なんだかんだ言いながら、きれいさっぱり平らげた。 「もうお腹いっぱいよ」 「そうか」 「ふぅ、眠くなってきたわ」 「じゃあ、寝たほうがいいな」 (続)

2013-04-01 21:49:37
旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 「空太」 「なんだ?」 「私が寝るまでそばにいて」 「お、おう」 「空太」 「なんだ?」 「私が寝るまで、空太のつまらない話を聞かせて」 「つまらないは余計だな」 「空太はすぐ怒る」 「誰のせいでしょうね!?」 そのとき、ケータイが鳴った。 (続)

2013-04-01 21:53:29
旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 七海からのメールだ。 ――おかゆ、おいしかったです。 「七海ね」 「ああ、さっき持っていったからな」 「空太は私より七海?」 「風邪をひいても絶好調だな!」 「七海にはやさしいのに」 「俺、結構やさしくていると思うけど!」 「空太のバカ」 「なんで!?」 (続)

2013-04-01 21:56:28
旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 「空太」 「な、なんでしょうか?」 「キスして」 「そうか、キス……………………はああああ!?」 「できないの?」 「できるか!」 「私はしたのに」 「あ、あれは、その……」 「空太はヘタレね」 「その言葉はどこから仕入れた!?」 「リタよ」 (続)

2013-04-01 21:59:51
旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 ましろに変な言葉を教えるのはやめてほしい。そもそも、日本語をイギリスから逆輸入しているって、どうなんだろう。 「空太」 「まだ、何か」 「空太がいると、恥ずかしくて寝れないわ」 「そばにいてって言ったのは誰だ?」 「嘘よ」 「へ?」 「嘘よ」 「どれが!?」 (続)

2013-04-01 22:03:08
旅人水郷🦋misato_junktion @ast_wind

【空想話】 「エイプリルフール?」 「それ、とっくに忘れてたぞ」 「私も嘘をつくわ」 「その心は?」 「すぅ……すぅ……」 「寝たフリか!」 ――4月1日 なお、これらの物語はすべてフィクションです。実在の作品へのオマージュでお届けしました。静読ありがとうございました。

2013-04-01 22:08:17