10周年のSPコンテンツ!
5
内田樹 @levinassien
「調査情報」という媒体のために自民党改憲案について書いていたら、3000字もオーバーしちゃいました。それでもまだ書き足りない。みなさん、あの改憲案読みましたか。一読の価値あります。
内田樹 @levinassien
基本的人権の軽視が問題になっていますけれど、基本的人権を制約できる法的根拠は近代市民社会では伝統的に(人権宣言以来)「公共の福祉」ということになっています。それだけが人権を抑制できる。「公共の福祉」とは何かについては諸説があります。でも語源はひとつ。
内田樹 @levinassien
語源はsalus populi suprema lex esto 「民の安寧が至高の法であらねばならない」(キケロ)です。salus populi を今はpublic welfare 「公共の福祉」と訳したりしてきた。salus は「安寧・健康・さいわい・安全・生存」の意味です。
内田樹 @levinassien
自民党の改憲案は「公共の福祉」を廃して「公益及び公の秩序」に代えました。公益と公の秩序は「民の安寧」の要件の一つではありますけれど代置可能ではありません。為政者が「わが国では公益及び公の秩序が確保されている」と揚言しても民は健康でも安全でも幸福でもない国はいくらもありますから。
内田樹 @levinassien
民主的な社会で、自由な市民が、強権によらず自分の発意で、自分自身の基本的人権の制約強化と、自分自身をそこに含む「民の安寧」の縮減を希望するということが起こりうるということに僕は呆然としています。
内田樹 @levinassien
この草案を書いた人たちは「国民は愚かで貪欲で利己的であるから、できるだけ権利を奪い、義務を課し、政策判断に関与させないようにした方がいい」と思ったわけです。この判断に百歩譲って同意しても、国民に代わって誰が政策決定をするんです?
内田樹 @levinassien
選挙で選ばれた政治家ですか?だって、その政治家を選んだのは愚かで貪欲で利己的な選挙民なわけですよ。何を根拠に、馬鹿な有権者の選好する政治家は愚かな民衆に代わってものごとを決めてあげられるくらいに賢明で謙抑的で無私な人間であるはずだと推論できるんですか?できませんよ。
内田樹 @levinassien
この憲法草案が遂行的に導く結論はひとつです。それは「民主主義をもうやめないか」です。でも、起草した人間自身、自分がそんな結論を導くために書いていることに気づいていない。もう「誰か」に丸投げしちゃいたいという欲望が草案には伏流していますけれど、それに気づいていない。
内田樹 @levinassien
この「誰か」は人間ではありません。読むとわかりますよ。彼らが日本を丸投げしたい相手は「市場」なんです。

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?

ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする