【検証希望】甲状腺がんスクリーニングに被験者のメリットはあるか

まとめました。
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kentarotakahashi @kentarotakahash

二ヶ月も議論になっているというのに、甲状腺スクリーニング検査のメリット/デメリットはほとんど語られていないように思う。仮説を世に問うとか、住民意識を問うとか、そういうこと以前に、確認できる事実に基づいて、メリット/デメリットを提示することが必要じゃないのかな。

2013-04-17 14:04:31
kentarotakahashi @kentarotakahash

僕は医療の専門家ではないから、メリット/デメリットをきちんと語るには役不足だと思うが、基本を確認しないで、乱雑な賛成/反対論議が行われるのも忍びないので、ちょっと、書いてみることにする。まず、一般的な意味あいとして、甲状腺スクリーニング検査に、被験者のメリットはあるか?

2013-04-17 14:14:07
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット1:超音波検査は簡単な非侵襲検査で、それを受けることによって、大多数の親子は、今のところ、甲状腺がんの疑いがないことを知り、安心することができる。

2013-04-17 14:19:55
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2:超音波検査でがんの疑いが出て、追加検査で子供に甲状腺がんが発見された場合は、早期発見となり、その後の医療について、医師とともに考えることができる。

2013-04-17 14:23:03
kentarotakahashi @kentarotakahash

さて、メリット2の先を考えるには、早期発見のメリットをきちんと見極めないといけない。小児甲状腺がんの早期発見にはメリットがあるか。

2013-04-17 14:25:06
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-1:甲状腺がんは転移しやすく、しばしば肺転移も引き起こす。甲状腺がんだけならば切除手術で済むが、他臓器転移しまうと、複雑な治療(放射性ヨウ素の投与など)が必要とされる。転移すると死亡率も高くなる。(続く)

2013-04-17 14:34:49
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-1:(続き)よって、転移前の早期発見にはメリットがある。スクリーニング検査で甲状腺がんが早期発見された人は、そのメリットを享受する場合がある。

2013-04-17 14:37:55
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-2:早期発見のメリットをもう少し細かく、がんのサイズを含めて考えてみる。小児甲状腺がんは日本では発見時の平均サイズが4.1センチだったという。チェルノブイリ後のベラルーシでは平均1.4センチで発見された。今回の福島のH23検査で平均1.5センチで発見された(続く)

2013-04-17 14:54:05
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-2:(続き)この発見時のサイズの差はスクリーニング効果によるものだろう。スクリーニング検査がなければ、発見されなかったサイズのがんが何年か前倒しで発見された。では、がんが4.1センチで発見されるのと、1.5センチで発見されることには、どのような差があるか(続く)。

2013-04-17 14:54:47
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-2:(続き)検査の弊害を訴えている人は、あるいは、小児甲状腺がんは4.1センチになってから発見されるのでも遅くはない、と考えているのかもしれない。が、4.1センチで発見されるのと、1.5センチで発見されるのでは、その後の治療も変わると考えられる。(以下次項)

2013-04-17 14:56:47
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-3:がんが4.1センチまで成長するのを待たず、1.5センチで早期発見され、早期治療に入った場合のメリットを考える。それには、甲状腺がんの治療のガイドラインを参照した方が良さそうだ(続く)

2013-04-17 14:57:07
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-3:(続き)小児甲状腺がんの多くは予後の良い乳頭がんで、H23の検査で見つかり、切除手術を受けた3人も乳頭がんだったとされる。乳頭がんが発見された場合、標準治療は切除手術だが、これは二つに大別される。全摘出と甲状腺葉切除術(以後、葉切)だ。(続く)

2013-04-17 15:06:25
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-3:(続き)今回の三人の手術は、全摘出ではなく葉切だったとされる。海外の治療ガイドラインを見ると、この全摘出か葉切かという判断は、一つにはがんのサイズで判断しているようだ。資料→ http://t.co/eNJAosXlEq (続く)

2013-04-17 15:09:27
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-3:(続き)各団体によって異なるが、米国のNCCNは4センチ以下ならば葉切を容認。欧州のETAは2センチまで葉切を容認。英国のBTAは1センチ以上だと全摘出。日本のガイドラインはあるのかどうか分らないが、福島の三例では全摘出ではなく、葉切だったとされる。(続く)

2013-04-17 15:15:43
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-3:(続き)いずれにしろ、4.1センチに達した場合は、海外のどのガイドラインでも全摘出になる。が、1.5センチの場合は、葉切を考えることが多いのは確かだろう。その意味では、早期発見は全摘出手術を避けるというメリットがあると考えられる。(以下事項)

2013-04-17 15:18:02
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-4:では、まだ小さいサイズのうちにがんが早期発見され、全摘出ではなく、葉切の手術で済んだ場合には、そこにはどんなメリットがあるか。これはその後のQOL(Quality Of Life)に関わってくる。(続く)

2013-04-17 15:22:56
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-4:この説明会で鈴木眞一先生は、全摘出ではなく、葉切の手術で済んだ場合には、一生、ホルモン剤を飲み続けねばならないということはない、としている。もちろん、切除のサイズなど、個々の症例によって、異なってはくるのだろうが。 http://t.co/piaBunszAs

2013-04-17 15:27:02
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-4(参考):ちなみに、全摘出と葉切では、前者では残存葉再発は予防できるものの、リンパ節再発が減る根拠は示すことができず、遠隔転移の発生も減らせない、とこの甲状腺学会の資料にはある。

2013-04-17 15:30:00
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-5:発見されたがんが「微小がん」される1センチ以下だった場合のことも考えよう。微小がんの場合は、すぐに切除手術を行わず、経過観察となる場合も少なくないようだ。この場合には、がんを有しているというリスク情報を早期に知ることができた、というメリットがある。(続く)

2013-04-17 15:36:12
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット2-5:(続き)が、一方ではそのことによる心理的負担というデメリットもあることは付記しておいた方が良さそうだ。これはがんは発見されなかったが、5ミリ以上の結節が発見された人達(B判定の集団)にも言える。

2013-04-17 15:37:59
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット3(まとめ):甲状腺スクリーニング検査は、大多数の人にとっては、がんが発見されずに安心を得るというメリットがある。がんが発見された人にとっては、早期発見による幾つかのメリットが考えられる。早期治療に進むことによって、死亡率の低下、転移可能性の低下が得られる。(続く)

2013-04-17 15:40:19
kentarotakahashi @kentarotakahash

メリット3:(続き)加えて、小さいサイズのうちに発見されると、全摘出を避けることができ、その場合は、手術後、一生涯、ホルモン剤を飲み続けなければならない、 というQOLの低下を避けることができる。過去の議論では、このことが見過ごされがちだったようにも思われる。

2013-04-17 15:48:07
kentarotakahashi @kentarotakahash

↓ とりあえず、ここまで。検証希望。

2013-04-17 15:49:35
kentarotakahashi @kentarotakahash

さて、世の中には「福島の3人は、切る必要のないがんだった。いや、切ってはいけないがんだった」と考える人もいるようだ( https://t.co/oMBA4Akgoe )。一方、三人の子供は葉切手術で済み、生涯、ホルモン剤を飲み続けることを避けられた、と考えることもできる。

2013-04-17 16:07:17
kentarotakahashi @kentarotakahash

もちろん、本当のところは僕には分らない。なので、みなさんで考えてみて欲しい。とりあえず、僕に考えられるメリットは挙げてみた。同じように、デメリットを挙げるのも良いと思う。専門家の意見も聞きたい。

2013-04-17 16:15:22

コメント

kentarotakahashi @kentarotakahash 2013年4月17日
「前者では残存葉再発は予防できるものの、リンパ節再発が減る根拠は示すことができず、遠隔転移の発生も減らせない、とこの甲状腺学会の資料にはある」の資料のURLが抜けていました。→ http://www.japanthyroid.jp/commmon/20100102_04.pdf
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kentarotakahashi @kentarotakahash 2013年4月17日
鈴木眞一先生によれば、1〜2センチの乳頭がんの成長速度は1.3ミリ/年だという。とすると、2年に一度のスクリーニングで、大半を占める乳頭がんについては0.5〜1.5センチの範囲で発見できると、鈴木先生は考えているのではないだろうか。
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kentarotakahashi @kentarotakahash 2013年4月17日
それならば、全摘出にならず、生涯、ホルモン剤を飲まねばならない子供を出すこともない。そういう自信を持っているように、ここでの発言からは思われる。 http://t.co/piaBunszAs
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TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724 2013年4月17日
これは良いまとめですね。ご指摘のように、メリット・デメリットを明らかにしていく作業が重要だと思います。
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Sirius☆彡 #ひとり武漢 @sitesirius 2013年4月17日
#小児甲状腺ガン メリット(と一概には言いたくありませんが)疫学調査の結果が得られてしまう…。デメリットとして、FNAC細胞診のリスクがあげられると思います。特に乳幼児の場合は、リスクが高いと思われます。
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森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon 2013年4月19日
メリット1~3についていずれも首肯します。葉切というのは、おそらく部分切除のことであり、右葉か左葉のいずれかの切除という理解でいいでしょうか。甲状腺専門医ではないですが、
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森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon 2013年4月19日
スクリーニング検査のメリットについて、大変よくまとめられていると思います。そもそも論ですが、被災地を中心に小児の全例志向スクリーニングを行ったきっかけが、原発事故であり、
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森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon 2013年4月19日
一方で当時の経緯から、3月のフォールアウトの時期に『子供の外遊びOK』『洗濯物干しは問題ありません』と繰り返しアナウンスされていたことも事実であり、せめて『屋内避難』を呼びかけていれば、
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森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon 2013年4月19日
早川さんや玄妙さんの強弁も理解できないわけではないのだけれど、上記の事実がある以上、スクリーニングの意義の方が大きいのは明白だと思います。
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森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon 2013年4月19日
一方、福島の小児甲状腺がん発生の地理的分布は未だに公表されていないようですが、早玄さんがこの点に関してはほとんど触れずに、悉皆検査のデメリットだけを強調するのはバランスが悪いと考えています。
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kentarotakahashi @kentarotakahash 2013年4月19日
はい、上記のメリットは、特に福島の例を考えたものではありません。一般的な意味での甲状腺スクリーニングにより被験者のメリットを考えたものです。一方で、過剰診療に繋がるなどのデメリットもあります。
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kentarotakahashi @kentarotakahash 2013年4月19日
メリット/デメリットのバランスに加えて、医療リソースには限りもあるのですから、平時には甲状腺がんのマススクリーニングが行われることは考えられません。が、福島では被曝の事実があります。
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kentarotakahashi @kentarotakahash 2013年4月19日
被曝した集団の健康影響を測るために、マススクリーニングが必要とされ、行われている。対して、必要ない、という声もある訳ですが、被曝の事実を前にしても、そう言えるほど、メリット/デメリットはかけ離れているのでしょうか?
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kentarotakahashi @kentarotakahash 2013年4月19日
それを考えるために、まずは一般的な意味でのメリットを挙げてみたのが、上記のツイートです。とりわけ、術後のQOLについては、これまであまり話題にならずにいたようなので、調べて書いてみました。
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