安藤礼二先生つぶやき覚書

江戸時代の神仏習合的空間から明治時代に近代的「宗教」概念を取り込んで、「神道」や「仏教」等が創造された際に近代的「宗教」概念にそぐわないものとして、こぼれ落ちた一方のものがシャーマニズム的儀礼、言説でそれがいわゆる「新宗教」に流れ込んだのは確かだとしても、こぼれ落ちた別の方の伝統も多分ある。それが行法と結びついた伝統で日本の身体文化(武道や修養主義的鍛錬)とは深い結びつきがある。そのことを改めて考えさせらたのでメモとして記録
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安藤礼二 @reiji1967

網野善彦さんが「異形の王権」で抽出した強力な人間神の思想の近代的な復活として「大嘗祭の本義」を読み解いていくことは充分可能であると思う。巨大な「物語」を担おうとした作家たちは、その魅惑に抗えなかった。折口信夫、三島由紀夫、大江健三郎、中上健次、おそらく村上春樹まで。

2013-04-29 09:58:00
安藤礼二 @reiji1967

すみません、1点、書き忘れ…。折口信夫の天皇論は近代的な神仏習合思想として捉え直す必要があり、その1つの鍵は密教的な神人合一論にあると思っているのです。折口が参加した神風会は平田篤胤の思想をバックボーンに持っており、篤胤の密教論を再検討していた。宮地厳夫の神仙道にも近い。

2013-04-29 09:53:48
安藤礼二 @reiji1967

新宗教の発生、呪術論と贈与論の総合、 三島由紀夫の「文化防衛論」まで。 5月23日(木)19時より、ゲンロンカフェにて。安藤礼二「野生の天皇制ー新宗教、『大嘗祭の本義』、現代文学」。http://t.co/awtZUudZox http://t.co/KyxVR7iVGW

2013-04-29 09:29:26
安藤礼二 @reiji1967

三島の文学的な師の1人である蓮田善明は戦中、柳田國男と折口信夫の民俗学と西田幾多郎と田辺元の哲学を1つに融合させる天皇を遺言のようにして残していた。

2013-04-29 09:26:11
安藤礼二 @reiji1967

本田親徳、長沢雄楯から授けられた王仁三郎の鎮魂帰神法は、友清歓真によって純化され、三島由紀夫の「英霊の声」に応用され、おそらく「文化防衛論」の基盤にもある。

2013-04-29 09:24:34
安藤礼二 @reiji1967

芸能の起源に出現する神を「憑依」させ、その神が語ることから宗教と歴史が始まる。折口は、その「憑依」の構造を、フレイザーとモースの呪術論をもとに再構築した。

2013-04-29 09:19:50
安藤礼二 @reiji1967

王仁三郎は「神憑り」を神主と審神者の2極から捉え直した。神の声を聴く女性と、その声をもとに現実の政治を行う男性と。折口の国文学の発生も同様の構造を持っている。根源神である陰陽道の金神は「荒神」と通じる。世阿弥や禅竹が能の起源に位置づける神でもある。

2013-04-29 09:17:45
安藤礼二 @reiji1967

天理教と金光教の起源には神仏習合的な修験道による「神憑り」があり、その神は「原の神・元の神」という「一神」の性格を持っている。出口なおと王仁三郎が確立した大本の教義は、その総合としてある。

2013-04-29 09:13:55
安藤礼二 @reiji1967

近代天皇制が確立されていくちょうどその裏面に、もう一つの「野生の王権論」があったのではないのか。新宗教の起源にある「神憑り」と、バタイユが「呪われた部分」を構想した呪術論=贈与論が交錯する地点に「大嘗祭の本義」を位置づけ直したいと考えています。

2013-04-29 09:11:11
安藤礼二 @reiji1967

折口信夫の「大嘗祭の本義」とは何であったのか。一方では天理教、金光教、大本などの新宗教の発生とつながり、もう一方ではフレイザーやモースの呪術論とつながる折口の天皇論の核心を明らかにしたいと思っています。

2013-04-29 09:08:21